中國共産黨中央委員會と國務(wù)院はこのほど、河北雄安新區(qū)の設(shè)立を決めた。習(xí)近平総書記を核心とする黨中央が行った重大な歴史的、戦略的選択で、深セン経済特區(qū)や上海浦東新區(qū)に続く全國的意義を持つ新區(qū)と位置付けられている。本稿では雄安新區(qū)の建設(shè)とその地域選定の理由などの問題を読み解く。

　雄安新區(qū)は河北省の雄県、容城県、安新県の3県とその周辺地域からなり、北京市、天津市、保定市の3都市の中央に位置する。計畫では特定地域をスタートエリアとして先行開発し、面積は約100平方キロメートル。発展中期の建設(shè)エリアは約200平方キロメートル、將來的には約2千平方キロメートルの新區(qū)を建設(shè)する計畫となっている。雄安新區(qū)は地理的に恵まれており、交通アクセスが便利な上、生態(tài)環(huán)境に優(yōu)れ、資源環(huán)境の受け入れ能力も高い。

（畫像編集：ZL）

　21世紀の北京は、空前絶後の発展を遂げたものの、「大都市病」によるさまざまな苦境に直面している。

　北京市の人口はすでに2100萬人を超え、2020年に2300萬人という人口調(diào)整目標にすでに接近しており、これによってもたらされた交通渋滯、不動産価格の高騰、資源の過度の負荷といった大都市病は、その深層レベルの原因が非首都機能を引き受けすぎていることにある。

　2014年10月17日、習(xí)近平総書記は「北京市?天津市?河北省の協(xié)同発展計畫全體構(gòu)想枠組」を確認し、指示を出した際、「現(xiàn)在、北京、天津、河北の3エリアは発展格差が大きく、ともに歩み、同じように発展を促進することはできないが、格差がさらに拡大してはいけない。実際の狀況から手を付け、條件を満たした地域を選んで率先的に発展を推進し、テストやモデルを通じて他地域の発展を牽引することが必要だ」と述べた。

　習(xí)総書記はその後も考えを進め、14年末に開催した中央経済活動會議では、「北京市?天津市?河北省の協(xié)同発展の核心的問題は北京の非首都機能の分散、北京の人口密度の引き下げ、経済社會の発展と人口?資源環(huán)境とのバランスの促進にある」と述べた。

　これにより方向性はますますはっきりし、その構(gòu)想はより明確になり、北京以外の場所に新都市を建設(shè)するという戦略的構(gòu)想が次第に成熟していった。

　15年2月10日、中國共産黨中央財経指導(dǎo)チーム第9回會議で、北京、天津、河北の協(xié)同発展計畫綱要の審議検討が行われた。習(xí)総書記は演説の中で、「複數(shù)スポットと1都市、舊都市の再編」という構(gòu)想を打ち出した。この「1都市」とは、北京以外の場所に新都市を建設(shè)することを検討し、考察するという意味だ。

　16年3月24日、習(xí)総書記は中共中央政治局常務(wù)委員會の會議を主催した際、「北京は目下、歴史的な選択に直面しており、北京自身が外に広がる狀況から、北京の中心都市部以外の場所に北京の都市副センターと集中的受け入れ地域を計畫建設(shè)する方向へ移行しようとしている」と述べた。

　雄安新區(qū)の建設(shè)は北京の非首都機能分散のための非常に重要な構(gòu)成要素となる。

（畫像編集：ZL）

　北京の非首都機能を集中的に受け入れる新區(qū)の場所を選ぶ上で、地理的に遠すぎても、近すぎても問題となる。新區(qū)は北京と天津にはさまれた場所となり、その各方面における優(yōu)位點が明らかだ。土地や土木の環(huán)境、地質(zhì)的條件が優(yōu)れており、発展の可能性が大きいことが、北京の非首都機能の分散を集中的に受け入れる場所として真っ先に選ばれた理由だ。

　雄安新區(qū)は北京と天津で2等辺三角形を形作り、北京からの距離は105キロメートル、天津からは105キロメートル、河北省石家荘からは155キロメートル、同省保定からは30キロメートルの距離となっている。

　雄安新區(qū)は東に大広高速道路、京九鉄道、南には保滄高速道路、西には京港澳高速道路、京広旅客専用線、北には栄烏高速道路、津保鉄道などの幹線交通が走っている。北京、天津、石家荘、保定との間で30分通勤圏を基本的に形成できると同時に、北京の新空港からは約55キロメートルの地點にあって、空港という優(yōu)位性も備わり、ハイエンドなハイテク産業(yè)の発展ニーズを十分に満たすことができる。

　雄安新區(qū)は華北大平原で最大の淡水湖?白洋淀を擁するほか、漕河、南瀑河、萍河、南拒馬河など多くの河川が地域內(nèi)を流れている。

　開発レベルの低さ。雄安新區(qū)にあたる範囲內(nèi)の人口密度は低く、建築物は少なく、移転が少なくてすむ。核心エリアの管轄下の人口は10萬人に満たず、北京の1コミュニティほどの規(guī)模だ。開発建設(shè)が可能な土地が豊富にあり、建設(shè)プランを立てやすい一方で、一定の都市の基礎(chǔ)的條件が備わっている。

（畫像編集：ZL）

　発展改革委の厳鵬程報道官（同委政策研究室室長）は記者會見で「発展改革委員會は今後、関連各方面とともに次の4點の取り組みを重點的に進めていく」とし、雄安新區(qū)建設(shè)の具體的措置を紹介した。　

　○関連の計畫の策定を推進

　高い基準と高い質(zhì)で雄安新區(qū)の全體計畫、スタート區(qū)の規(guī)制的計畫、始動區(qū)の詳細な規(guī)制的計畫、白洋淀の生態(tài)環(huán)境ガバナンス?保護計畫を制定する。

　○革新要素の集積を推進

　今後は革新による駆動を雄安新區(qū)発展の根本的な原動力とし、革新の優(yōu)位點の構(gòu)築と科學(xué)技術(shù)に基づく新都市の建設(shè)に向けて努力する。

　○體制メカニズムの革新を推進

　新區(qū)の投融資體制改革を模索し、長期的に安定した資金投入メカニズムを構(gòu)築し、社會資本が新區(qū)の建設(shè)に參加するよう誘致する。

　○支援政策を制定

　特定計畫の実施、重大プロジェクトの配置と資金の配分において、新區(qū)にかかわる交通、生態(tài)、土木、エネルギー、公共サービスなどの重大プロジェクトを支援する。

　現(xiàn)在、新區(qū)の建設(shè)作業(yè)が迅速に秩序よく進められている。今後の見通しは次の通り。

　3年後の2020年には、新都市の輪郭が基本的に構(gòu)築を終える。雄安新區(qū)の幹線交通網(wǎng)が基本的な建設(shè)を終え、スタート區(qū)のインフラ建設(shè)と産業(yè)配置の枠組みがほぼ完了する。

　5年後の22年には、北京冬季五輪の開催期間に北京?天津?河北の主要都市との連攜を一層緊密化させ、北京の中心都市エリアとタイミングをずらした発展を遂げ、スタート區(qū)のインフラ設(shè)備はすべて建設(shè)が完了し、新區(qū)の核心區(qū)が基本的に完成する。

 13年後の30年には、グリーン?低炭素、情報?スマートを兼ね備え、さらに住みやすく働きやすい現(xiàn)代型新都市がその活力あふれる姿を現(xiàn)し、高い競爭力と影響力を備えた人と自然が調(diào)和共存する都市が完成する。