貴州省に出張中のG姐の次の目的地は貴州省黔東南苗（ミャオ）族侗（トン）族自治州臺(tái)江県臺(tái)盤村。この村は現(xiàn)在、「中國(guó)『村BA』の里」と呼ばれている。今回私はそんなNBAならぬ「村BA」と呼ばれている農(nóng)村バスケットボール大會(huì)の決勝戦を観戦するチャンスを得た。

「村BA」とは？

2022年8月、中國(guó)のネットで突如「村BA」という言葉が話題をさらった。これは苗族の伝統(tǒng)的な祭日である舊暦6月6日に行われた農(nóng)民による農(nóng)民のためのバスケットボール大會(huì)だった。ものすごい數(shù)の観客と盛り上がりがネットを通じてたちまち話題を集め、ネットユーザーがNBAをもじる形で「村BA」と命名。それから半年後、この大會(huì)はバスケットボールリーグへと「昇格」し、全國(guó)規(guī)模での予選が行われるようになった。

村內(nèi)に設(shè)置された屋外液晶スクリーンで観戦する人々(撮影?玄番登史江)。

村全體がお祭り騒ぎに

この日は決勝戦ということもあり、周囲の道路は交通規(guī)制が実施され、村內(nèi)にも多くの警官や警備員が配備されて、秩序が保たれていた。試合會(huì)場(chǎng)までの道の両側(cè)には様々な地元料理の食堂などが軒を連ね、建物や壁などにはバスケットボールの絵などが描かれていた。また、所々に設(shè)置された屋外液晶スクリーンの前では會(huì)場(chǎng)に入れなかった観客たちが腰掛けを並べて観戦していた。地元の人によると、チケットのいらないこの村BAを観戦するためには「相當(dāng)な覚悟」が必要なのだという。夜の試合を観戦するためには、午後から席とりしたまま、そこを動(dòng)くことができない。席を立ってしまったら、たちまち他の人に取られてしまうからだ。食べ物を持ち込み、交替でトイレに行き、夜の試合までジッと待つのだという。

會(huì)場(chǎng)を埋め盡くした観客(撮影?玄番登史江)。

予想を上回る人、人、人！

村BAのニュース映像や寫真を見たこともあり、その人出の多さは知っていたが、會(huì)場(chǎng)に足を踏み入れた瞬間、思わず「うっわー！」と聲をあげていた。観客席がまるで人の壁。試合が始まると熱気はさらに増した。決勝は広東省沙渓と広東省大朗の対戦となり、序盤は大朗がテンポ良い攻撃で優(yōu)勢(shì)だったものの、中盤から次第に沙渓が追い上げ、逆転し、両チームが接戦を繰り広げた末、最終的に84対78で沙渓チームが優(yōu)勝を手にした。ちなみに優(yōu)勝賞品は苗族の銀細(xì)工で作られた特製の銀冠、臺(tái)江県産米25袋、そして牛1頭だった。あの牛はどうやって持ち帰ったんだろう、と思ったのは私だけだろうか？

試合の様子はライブ配信もされているものの、あの場(chǎng)であの熱気を肌で感じることができた貴重な體験となった。(文?玄番登史江)

「人民網(wǎng)日本語(yǔ)版」2023年10月31日

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