周東紅さんは、安徽省涇県の宣紙工場で働く紙漉き職人だ。1985年に弟子入りし、やがて名人級の技を身につけた周さんは、40年近くこの仕事を続けており、紙漉き界でトップの技術(shù)を誇っている。

一枚の宣紙は原材料から完成までに100以上の工程を必要とする。これほど複雑な紙漉きをなぜ周さんは選んだのだろうか？

「最初に弟子入りした時期がちょうど夏で、紙を干す作業(yè)場の溫度は40?50度に達(dá)し、入ると汗が噴き出した」と、周さんは振り返る。その後、紙漉きの作業(yè)場に行くと、一見簡単そうに見え、しかも涼しかった。それであっさりと紙漉きを選んだのだという。

周さんは當(dāng)時を振り返り、冗談めかして語る?！浮汉螝荬胜瘨筏筏苛沃Δ帳虺嗓埂护韦瑜Δ?、當(dāng)時深く考えずに選んだ仕事が、結(jié)果的に自分の一生の仕事になった」。

紙漉きは一見簡単に見えるが、実はそうではない?！讣堜酩悉郡来髩浃胜坤堡问耸陇扦悉胜?、技術(shù)的な仕事でもある。宣紙の成否を決定するのは紙漉きであり、紙の質(zhì)の良し悪し、厚さや薄さ、模様や質(zhì)感はすべてこの『漉き』にかかっている」。

1枚の紙をうまく漉くことの難しさは火加減にある。「紙パルプを一度加えるごとに、100枚の宣紙を漉くことができるが、1枚紙を漉くたびにパルプの濃度が変わる。紙ごとに厚さをどうコントロールするかは奧深く、全ては経験にかかっている」と周さんは言う。

現(xiàn)在、宣紙の伝統(tǒng)的な製作技術(shù)は國連教育科學(xué)文化機(jī)関（ユネスコ）の無形文化遺産リストに登録されている。周さんは「紙漉き職人として、このうえなく誇りに思い、光栄に感じている。『全國労働模範(fàn)』から『大國工匠』まで、宣紙は私にとても多くの栄譽(yù)を與えてくれた」と率直に語る。

「一職人として、私はこれまでと同様に伝統(tǒng)の守り手として、伝統(tǒng)的な宣紙技術(shù)の継承と革新に努めていく。これは、私の初心だ」。周さんは、自分には宣紙にまつわる物語をしっかりと伝える義務(wù)と責(zé)任があると感じている。

ここ數(shù)年間、周さんは時間がある限り、宣紙製作技術(shù)の文化活動に積極的に參加し、宣紙文化を広める使命感を一層強(qiáng)くしている。周さんは、黃山や池州、安慶、宣城の4市28県（市、區(qū)）をカバーする「大黃山」は安徽省の名刺的存在であり、宣紙もまた「大黃山」の名刺的存在だと言う。そして、「守り手」としてこの技術(shù)をしっかりと守り、次世代に伝えていくことに全力を盡くしていくと語った。（編集NA）

「人民網(wǎng)日本語版」2024年9月13日