湖南省長沙市にある湖南省豊源體育科技有限公司を訪れると、さまざまなタイプのスケートボードが目に飛び込んできた。その中でもひときわ目を引いたのが、竹製のスケートボードだ。同社の生産責(zé)任者の幸忠亮さんは、「これは當(dāng)社の特徴的な製品で、市場での人気が高い」と話す。

どうして竹を使ってスケートボードを作ったのだろうか。王青雲(yún)社長の説明によると、以前はカエデを使っていたが、原材料価格の継続的な高騰に伴い、利益率が徐々に圧迫されていた。そこで中南大學(xué)などの大學(xué)と共同開発チームを発足させ、転換策を模索した。カエデの代わりになるのは何かと考え、地元で豊富に産出される孟宗竹に目を付けたという。

同省邵陽市綏寧県は竹資源が豊富で「竹の里」と呼ばれ、約5萬3000ヘクタールに及ぶ孟宗竹の竹林がある。地元では竹は多くの日用品に使用されており、竹と関係があるスポーツもたくさんある。苗（ミャオ）族の伝統(tǒng)的な祭り「四月八」では、竹竿を使ったダンスが特に有名だ。

チームは比較実験を行い、孟宗竹は繊維の密度が高く、曲げ強(qiáng)度にも優(yōu)れ、採取が容易で、環(huán)境にも優(yōu)しく、スケートボードの理想的な素材であることがわかった。「竹材による代替」の方針が確定すると、チームは技術(shù)の改良を急ピッチで進(jìn)め、ボードが割れる、ひびが入る、接著剤がはがれるといった技術(shù)的難題を次々に解決し、最終的に竹だけを使ったスケートボードの大量生産を?qū)g現(xiàn)した。市場からの反応は上々で、同チームはさらに引張強(qiáng)度に優(yōu)れるグラスファイバーやカーボンファイバーなどの新素材を竹製スケートボードに取り入れ、次々に新製品を打ち出した。

王社長は、「當(dāng)社の生産するスケートボードがスケートボード女子中國代表チームと一緒にパリ五輪の競技會場に登場したことを、非常に誇りに思う。今では竹製スケートボードの年間販売數(shù)は約30萬枚に上り、中國各地で販売されるだけでなく、タイ、フランス、マレーシアなど20數(shù)ヶ國?地域でも販売され、『メイド?イン?チャイナの竹製スケートボード』は今、まさに世界に向けて『滑り出し』ている」と語った。（編集KS）

「人民網(wǎng)日本語版」2025年4月9日