浙江省杭州市にある六和塔の「緑が眺められる窓」が最近、ソーシャルメディアで大きな話題となり、多くの観光客で賑わっている。伝統(tǒng)衣裝を著て、塔の窓をバックに寫真を撮り、伝統(tǒng)的な中國(guó)風(fēng)のBGMと合わせて投稿するというのが、ソーシャルメディアで流行っている。中國(guó)新聞網(wǎng)が伝えた。

六和塔の人気が高まるにつれて、1千年以上の歴史を誇る塔の保護(hù)と、押し寄せる観光客の受け入れのバランスをどのように取るかという問題も注目を集めている。

六和塔を撮影する観光客（8月30日撮影?孫琳茹）。

杭州市を流れる銭塘江沿いにある六和塔は、北宋の開寶3年(970年)に建てられた第一陣の全國(guó)重點(diǎn)文化財(cái)保護(hù)単位の一つだ。7階建ての塔身は南宋時(shí)代のもので、杭州市に現(xiàn)存する南宋時(shí)代の重要な建築物ともなっている。その建築構(gòu)造は、複數(shù)の王朝の造営の知恵が融合されており、13層の外層と7階建ての塔身からなる「雙套筒構(gòu)造」が採(cǎi)用されている。レンガ造りの塔身は、呉越國(guó)と南宋時(shí)代、外層の木造「檐廊」は、清の時(shí)代に建てられた。中の塔身の最上階まで上ると、銭塘江の美しい景色を見渡すことができ、古くから人気の観光地だった。

観光客は、六和塔の2階と3階の木造「檐廊」に集中しており、そこで寫真を撮影するのが人気だ。一方、それより高い階に行くと、観光客は少なくなる。

六和塔の職員は、「六和塔では高い所から、銭塘江を見下ろし、美しい景色を見渡すことができるほか、低い階の窓の景色も歴史を感じさせ、素?cái)长?。窓の外には、木々が青々と茂り、光と影の美しいコントラストも生まれて、中?guó)の伝統(tǒng)的なムードにあふれており、絶好の撮影スポット」と説明する。

六和塔の木製の窓をバックに寫真を撮影する女性（8月30日撮影?孫琳茹）。

ある専門家は、「六和塔が話題になることは、ソーシャルメディア時(shí)代において、若者が動(dòng)畫や畫像を通して、アイデンティティを見い出し、多くの人に認(rèn)めてもらいたいという文化的心理を反映している」と分析する。

浙江大學(xué)?歴史學(xué)院の準(zhǔn)教授である、中國(guó)古代史研究所の陳志堅(jiān)副所長(zhǎng)は、「文化財(cái)が人気となることで、文化的価値の再認(rèn)識(shí)される。美的理念の『寶庫(kù)』となっている文化財(cái)がたくさんあり、昔の人の知恵や美的理念が今でも多くの人の共感を呼んでいることを示している。また、現(xiàn)代の言語(yǔ)環(huán)境において、伝統(tǒng)文化の新たな活力が引き出されていることも示している」との見方を示す。

人気となっている六和塔景勝地は、すでに観光客に対して、入場(chǎng)の適時(shí)制限や塔內(nèi)部を見學(xué)するための入場(chǎng)券販売の一時(shí)的な中止といった動(dòng)態(tài)管理を?qū)g施している。また景勝地は、マナーを守った見學(xué)やオフピーク観光を推奨することで、共に文化財(cái)の保護(hù)に取り組むよう観光客に呼び掛けている。

陳所長(zhǎng)は、「文化財(cái)保護(hù)は、専門家と社會(huì)が共通の認(rèn)識(shí)を持ち、力を合わせて取り組まなければならない。六和塔の保護(hù)は、長(zhǎng)期にわたって、専門機(jī)関の技術(shù)支援を得てきた」と説明する。

文化財(cái)に息を吹き込むと同時(shí)に、それを保護(hù)していくことも必要であり、人気を集める文化財(cái)をどのように統(tǒng)一して管理するかが重要な課題となっている。伝統(tǒng)と現(xiàn)代的な要素の融合が進(jìn)む中、単に寫真を撮影して終わりではなく、注目を集めているのをきっかけに、どのように一人でも多くの人に文化に対する認(rèn)識(shí)を深めてもらうかが、社會(huì)各界が共に検討すべき課題となっている。（編集KN）

「人民網(wǎng)日本語(yǔ)版」2025年9月5日