「中米間には確かに少なからず溝があるが、これは協(xié)力の空間がないことを意味するわけではない。現(xiàn)代世界のほぼ全てのグローバルな試練には、中米両大國が協(xié)調(diào)的に対処する必要がある」。王毅國務(wù)委員兼外交部長（外相）は24日に北京で中國の外交政策と対外関係について各國記者の質(zhì)問に答え、中米関係の行方に言及した際「中國側(cè)は非衝突?非対立、相互尊重、協(xié)力?ウィンウィンの精神に基づき、米側(cè)と調(diào)整?協(xié)力?安定という中米関係を共に構(gòu)築することを望んでいる」と表明した。中國青年報が伝えた。

中米両國はいかにして溝を埋め、協(xié)力の空間を掘り起こすべきか？新型コロナウイルスは中米関係にどのような影響を與えたのか？「ポストコロナ時代」の中米関係はどちらの道を選ぶのか？こうした問題について、中國青年報はこのほど國際関係學(xué)院學(xué)長補(bǔ)佐、清華大學(xué)戦略と安全研究センター客員研究員の達(dá)巍氏に単獨取材した。

達(dá)氏は「新型コロナウイルス感染癥は確かに中米両國に一時的に爭いを棚上げし、共に協(xié)力して感染癥と闘う絶好の機(jī)會を與えた。本來なら両國が緊張関係を相対的に『調(diào)整と安定』の狀態(tài)に引き戻す助けとなるはずだった。だが殘念なことに、トランプ大統(tǒng)領(lǐng)とそのチームはこうした意向を示さず、反対に最初から協(xié)力の反対側(cè)に立った。これによって新型コロナウイルス感染癥はかえって中米間の溝を激化させた」と指摘する。

今年1月の中國での大流行の初期、トランプ政権は何の支援もせず、善意も示さなかっただけでなく、一部の高官は反対に他國の不幸を喜ぶように『新型コロナウイルス感染癥は製造業(yè)の米國回帰に寄與する』と公言した。一部の米高官は待ちきれずにウイルスにレッテルを貼り、ウイルスの発生源の特定を政治利用し、中國に汚名を著せ、米國での感染拡大の責(zé)任を中國に押し付けようと企て、いわゆる「責(zé)任追及と賠償請求」を騒ぎ立てた。

「新型コロナウイルス感染癥を見るにおいて、トランプ大統(tǒng)領(lǐng)とそのチームは人類共通の公衆(zhòng)衛(wèi)生上の脅威という観點に立たず、當(dāng)初から地政學(xué)的戦略競爭の観點を誤って選択し、『感染癥は最初に中國で発生した、中國の危機(jī)であり、米國は無関係であり、米國に有利でもある』と考えた」と達(dá)氏は分析する。

「ポストコロナ時代」の中米関係の行方について、達(dá)氏は「中國は再三米國に『人類と歴史と人々に責(zé)任を負(fù)う姿勢で中米関係を真剣に受け止め、適切に処理するべきだ』と呼びかけてきた。だが今後半年內(nèi)に新型コロナウイルス感染癥が突如米國で消失するのでない限り、トランプ大統(tǒng)領(lǐng)は依然として感染癥の問題で中國を離さないだろう。雙方間の摩擦と衝突の激しさは一層増すかもしれない」と分析する。

「トランプ大統(tǒng)領(lǐng)が再選を図るうえで、最大の切り札は常に経済だ。だが現(xiàn)時點で見ると、今年11月の大統(tǒng)領(lǐng)選前もなお米國の感染拡大は高い確率で続く。米國の大規(guī)模な景気後退はすでに事実となっている」。達(dá)氏は「こうした中、トランプ大統(tǒng)領(lǐng)は再選のためには必然的に『中國カード』を激しく切るだろう。力はさらに強(qiáng)くなるだろうし、手段はさらに悪質(zhì)になりかねない」「中米関係にまだ改善の機(jī)會があるか否かを知るには、2021年1月の米新政権発足後まで待たねばならないだろう」と語る。

米國の著名な中國問題専門家でジョージ?ワシントン大學(xué)教授のデイビッド?シャンボー氏も「米國內(nèi)の反中ムードは一時的なものではなく、単に選挙のために盛り立てられたものでもなく、本物で長期的な趨勢であり、重視すべきだ」と指摘する。

達(dá)氏はこれについて「中米関係の受け止め方の問題において、中國は政策決定により柔軟な余地を持ち、より行動力と決斷力を持ち、より戦略的視點を持つようになるかもしれない。今後どのように歩むのかは、おそらく中國が歴史の検証に耐えうる判斷をするかにかかっている」と指摘。「『協(xié)力と競爭を兼ね備え、相対的に安定した中米関係』は依然期待可能だ。鍵は中國がいかにして自らの戦略の揺るぎなさを保ち、自らの戦略目標(biāo)をしっかり安定させ、タイミングをしっかりと捉えて協(xié)力面を拡大し、競爭面を縮小するか、特に両國が全面的対立へ陥るのを防ぐかにある」と述べた。（編集NA）

「人民網(wǎng)日本語版」2020年5月28日