春節(jié)（舊正月、2024年は2月10日）まであと2週間少しとなり、哈爾浜（ハルビン）旅行ブームを背景に、中國(guó)東北エリア旅行を計(jì)畫(huà)している人も多いことだろう。もし哈爾浜の歩行者天國(guó)?中央大街に行く計(jì)畫(huà)を立てているなら、情熱的な赫哲（ホジェン）族を目にすることができるだろう。そこで魚(yú)の皮をなめして作った衣服「魚(yú)皮衣」を著て、「烏蘇里船歌（ウスリ江の舟歌）」を歌っている赫哲族が最近、中國(guó)のネット上で大きな話題となっている。中央テレビニュースが報(bào)じた。

ミステリアスな赫哲族は悠久の歴史を誇り、黒竜江省東部の黒竜江（アムール川）、烏蘇里江、松花江に囲まれた三江平原や完達(dá)山脈の麓に多く居住している。中國(guó)北方エリア唯一の漁業(yè)を生業(yè)とした民族である赫哲族の人口は5000人未満で、その日用品や生活用品の多くは魚(yú)の皮やカバノキの皮で作られている。

1000年以上の歴史を誇る「魚(yú)皮衣」の製法はこれまでもその継承が途絶えそうになったことがあったという。第一陣の國(guó)家級(jí)無(wú)形文化遺産項(xiàng)目に組み込まれた赫哲族魚(yú)皮衣製法の代表性伝承人である尤文鳳さん（72）の母親?尤翠玉さんはかつて、赫哲族の集落で魚(yú)皮衣を作ることのできる唯一の人だった。母親が亡くなった後は、尤文鳳さんがその技術(shù)を受け継いだ。

「魚(yú)皮衣」を作るには4つの手順がある。ステップ1は、魚(yú)のストックだ。冬になると、東北エリアの屋外は天然の「冷凍庫(kù)」となるため、採(cǎi)ってきた魚(yú)を自宅前の雪の中に保存して、いつでも使えるようにしておくことができる。

ステップ2では、魚(yú)の皮をはぎ取って、陰干しする。丁寧に魚(yú)の皮をはぎ取り、玄関のドアに並べて吊し、時(shí)間をかけて陰干しする。尤文鳳さんは「魚(yú)皮衣」の製法を?qū)Wび始めた時(shí)、このはぎ取りから始めたという。魚(yú)の皮をはぎ取る時(shí)に、デコボコになったり、見(jiàn)かけが悪かったりすると、完成した時(shí)の出來(lái)栄えに影響がでてしまうという。

ステップ3では、なめし加工をして臭みを取る?！隔~(yú)皮衣」と聞くと、「生臭いのでは？」と感じる人も多いだろう。昔から赫哲族で伝えられてきた知恵がトウモロコシの粉で臭みを取ることだ。魚(yú)の皮の上にトウモロコシの粉をふりかけ、その上にまた魚(yú)の皮を敷き、トウモロコシの粉をふりかける。7層まで重ねた魚(yú)の皮を巻きあげ、それを木製のギザギザの歯がついたハサミ狀の工具にのせ、1人が魚(yú)の皮を回し、もう1人が木製の歯を押し付けてなめし作業(yè)を行う。この工程を経て、硬い魚(yú)の皮は軟らかくなり、ソフトな手觸りになるだけでなく、臭みもなくなる。

ステップ4で、魚(yú)皮衣を縫い上げる。一著の「魚(yú)皮衣」を作るには數(shù)十匹の魚(yú)からはぎ取った100枚以上の魚(yú)の皮を必要とするほか、忍耐強(qiáng)さと磨き抜かれた技術(shù)、そして高いセンスも必要だ。丁寧なカットや縫製を経て、「魚(yú)皮衣」が完成する。「魚(yú)皮衣」はその見(jiàn)た目の素晴らしさだけでなく、防風(fēng)性と保溫性に優(yōu)れ、とても長(zhǎng)持ちする。さらに、どれも世界に一著だけのオーダーメイドで、誰(shuí)かと同じ服になってしまうかもといった心配も必要ない。

皮をはぎ取った後の魚(yú)はどうなるのだろうか？もちろん、それはおいしく料理されて、食卓に並ぶことになる。

魚(yú)の骨も捨てられることなく、「魚(yú)骨畫(huà)」作りに使用される。

このように魚(yú)は、赫哲族の生活に欠かせない存在だ。赫哲族は今も、自然と生活をうまく融合させ、漁業(yè)や料理のレストラン、民宿などを営むほか「魚(yú)皮衣」、「魚(yú)皮畫(huà)」、「魚(yú)の骨を使ったキーホルダー」といった土産品も作っている。そして、その暮らしがますます豊かになっていくとともに、赫哲族の文化も伝承と発展を続けている。（編集KN）

「人民網(wǎng)日本語(yǔ)版」2024年1月25日