地球の資源が枯渇していく中、人類の関心は徐々に宇宙へと向かい、とりわけ鉱物資源を豊富に埋蔵する月、火星、地球近傍小惑星などに移っている。宇宙で鉱物を採掘するなど、これまではSF小説や映畫の中のワンシーンに過ぎなかったが、今やだんだん現(xiàn)実のものになろうとしている。少し前には、中國初の宇宙採掘ロボットが中國鉱業(yè)大學(xué)で誕生した。中央テレビニュースが伝えた。

同大機電工程學(xué)院の劉新華教授のチームが開発したこの多機能宇宙採掘ロボットは、目下、大人気の人型ロボットやロボット犬などとは異なり、6足モデルを基本形とするもので、3つの車輪と3つのかぎ爪が付いている。劉氏によると、このような設(shè)計になったのは、主に宇宙の無重力の環(huán)境に適応するためだという。

劉氏は、「このかぎ爪は配列式かぎ爪フックで、微小重力環(huán)境の中でより高い付著能力を発揮し、より力強く地面をつかむことができる。微小重力環(huán)境下でサンプル採取のためにロボットを固定することもできるし、地形に沿って移動することもできる」と説明した。

このロボットは宇宙の微小重力環(huán)境に適応できるだけでなく、「バイオニクス6足移動構(gòu)造を採用」して、足部分の末端に車輪と固定アンカー構(gòu)造が配備されており、小惑星の凹凸のある地面を走行することもできる。

宇宙採掘ロボットが宇宙の惑星で鉱物探査?採掘作業(yè)を行おうとする時、微小重力の問題に直面するだけでなく、極端な溫度変化、真空環(huán)境、宇宙放射線、重量?體積の制約など一連の難問にも向き合わなければならない。問題に対処するため、ロボットにあらゆるスキルを習(xí)得させるためにはどうしたらいいか。劉氏のチームはロボットのために特殊な「訓(xùn)練場」を構(gòu)築した。

同學(xué)院の華徳正準教授は、「私たちはこの訓(xùn)練場の環(huán)境を構(gòu)築する時に主に2つのことを考えた。1つは砂地がメインの地表を持つ地球近傍小惑星の風(fēng)化レベルをシミュレーションすることだ。もう1つは微小重力環(huán)境であり、私たちが設(shè)計したこの吊り下げ機構(gòu)は、垂直に吊り下げることで重力を打ち消し、微小重力狀態(tài)をシミュレーションしている」と述べた。

チームのメンバーによると、砂地での訓(xùn)練を繰り返した末、今や6足差動システムサスペンションやクラッチ機構(gòu)などの協(xié)調(diào)作業(yè)を通じて、宇宙採掘ロボットは作業(yè)環(huán)境に基づいて自らの構(gòu)造や形狀を調(diào)整し、地球外惑星の複雑な地表環(huán)境に適応できるようになったという。

より多くの探査技術(shù)を確立するため、宇宙採掘ロボットは同大深地工學(xué)スマート建造?健康運営メンテナンス全國重點実験室で「レベルアップした訓(xùn)練」を受けることも求められている。同実験室は月面の極限環(huán)境を正確にシミュレーションできるものだ。

同実験室の李瑞林準教授によると、この訓(xùn)練設(shè)備は主に月の現(xiàn)地環(huán)境を再現(xiàn)することを目的としている。月面重力は地球の6分の1であり、超高真空環(huán)境下にある。月の晝間は最高130℃に達し、夜間には-180℃まで冷え込み、極地では-250℃にもなる。こうした環(huán)境を忠実に再現(xiàn)した後、さらに月の土壌と似た性質(zhì)のシミュレーション用月の土壌を採用し、月の地層の特徴を高精度かつ忠実に再現(xiàn)した。実際、これは月とほぼ一致した狀態(tài)になっている。そこで再び実験を行ったところ、得られたデータは実際に月の上で得られたデータに近いものになったという。（編集KS）

「人民網(wǎng)日本語版」2025年3月18日