「中國(guó)の伝統(tǒng)的な農(nóng)村や建物、文化が大好き」と話すイタリア人デザイナーのマウリツィオ?ヴェレナさんは最近、浙江省寧波市寧海県を訪れ、「県巡り」の旅を始めた。中國(guó)新聞網(wǎng)が伝えた。

今年、中國(guó)の観光市場(chǎng)は大きなターニングポイントを迎えている。人気の旅行先は一線都市から県域の小都市へと移行し、観光客は國(guó)內(nèi)だけでなく、外國(guó)からの観光客が急増し、「コストパフォーマンスが一番大事」という消費(fèi)理念が主流となり、小都市に旅行に行くのが新たなトレンドとなっている。

浙江省寧海県の自然の景色（資料寫(xiě)真、撮影?尤才彬）。

そして「県巡り」が若者の間で人気となっているのを背景に、浙江省の寧海県や安吉県といった県の行政中心地が、その獨(dú)特な位置付けや、政策の追い風(fēng)を武器に、外國(guó)人観光客が「最も中國(guó)らしいライフスタイル」を體験する窓口の一つとなっている。

寧海県の潘宇歓副県長(zhǎng)は、「當(dāng)県は、県域観光の面において、獨(dú)特な強(qiáng)みを誇り、ポテンシャルを秘めている。最大の魅力は、山や海といった自然の恵み、及び多種多様なアウトドアスポーツ體験だ。近代的な大都市と比べると、やや劣る部分もあるかもしれないが、獨(dú)特な自然の景色やアウトドア體験は、他の地域にはない獨(dú)特なシンボルとなっている」と胸を張る。

これらの県域の小都市を巡るという観光の新たなトレンドは、中國(guó)全土において急速に存在感を強(qiáng)めている。特に、中國(guó)のビザ免除措置の対象國(guó)が拡大し続けているのを背景に、県域観光の「小さいが美しく」、「深みがあって生き生きとしている」という獨(dú)特の魅力が引き出され、訪問(wèn)する外國(guó)人観光客がどんどん増えている。

寧海県でご當(dāng)?shù)廿哎毳幛驑Sしむ外國(guó)人観光客（撮影?繆軍）。

旅行サイト「攜程」の提攜拡大部の浙江省の総経理である李貴陽(yáng)氏によると、今年1-5月期、浙江省のインバウンド客は前年同期比37.2％増、その旅行消費(fèi)額は同44.6％増に達(dá)した。そして、「インバウンド市場(chǎng)は爆発的成長(zhǎng)を見(jiàn)せており、その増加幅は國(guó)內(nèi)市場(chǎng)をはるかに上回っている。ビジネス目的の訪中外國(guó)人と、レジャー?観光目的の訪中外國(guó)人が浙江省のインバウンド客の主力軍となり、現(xiàn)地の観光?経済に新たな活力を注入している」としている。

浙江省安吉県の美しい景色（撮影?林波）。

外國(guó)人観光客を呼び込むためにはどのような取り組みをすべきか？

浙江省湖州市安吉県は今年3月、省級(jí)インバウンド観光先行県の試行地となり、グローバル市場(chǎng)のニーズに焦點(diǎn)を合わせ、「竹文化、白茶文化、農(nóng)村バケーション、アウトドアスポーツ」という4大テーマの商品ラインナップを最適化し、「國(guó)際農(nóng)村リビング（グローバル化されたリビングのようにくつろげる農(nóng)村）」の構(gòu)築に取り組んでいる。

韓國(guó)人観光客の金敏哲さんは、安吉県の竹林が美しい民泊施設(shè)で、茶道を體験し、「ここの景色を見(jiàn)ると、武俠映畫(huà)『臥虎蔵龍（グリーン?デスティニー）』を思い出す」と気分を高揚(yáng)させていた。

安吉県文化?ラジオ?テレビ?観光?體育局の羅福娣局長(zhǎng)は、「県域観光グローバル化の躍進(jìn)の本質(zhì)は、差別化競(jìng)爭(zhēng)における強(qiáng)みがうまく引き出されていることにある。『中國(guó)の竹の里』として有名な山地にある安吉県は今、『臥虎蔵龍』を含む世界的に有名となった文化を活用して、竹林の秘境などを自然を楽しむハイクオリティの旅行のシンボルとして打ち出し、東南アジアや、歐米から來(lái)る観光客の間で人気となっている」としている。

浙江工商大學(xué)文化?観光イノベーション発展研究院の易開(kāi)剛院長(zhǎng)は、「県の行政中心地がグローバル化に対応するためには、大都市のスタイルを真似するのではなく、その県自身にしかないセールスポイントを見(jiàn)つけなければならない」との見(jiàn)方を示す。県域観光は都市の文化観光の縮小版ではなく、「奧深い文化を誇る中國(guó)」をじっくり楽しむ拡大鏡のような存在だからだ。（編集KN）

「人民網(wǎng)日本語(yǔ)版」2025年5月23日