広義では、「シルクロード」は、「陸上シルクロード」と「海上シルクロード」に分けることができる。陸路は、古代の長(zhǎng)安（現(xiàn)在の陝西省西安市）を起點(diǎn)に、蛇行しながら西に続いており、ユーラシア大陸の文明が交わる道となっている。人民日?qǐng)?bào)が伝えた。

田畑と山々が織りなす白山市臨江市松嶺雪村の絶景（寫真提供?臨江市黨委員會(huì)宣伝部）。

しかし、長(zhǎng)安などから東に向かうと、「北のシルクロード」と呼ばれるシルクロードがあることは、実はあまり知られていない。このシルクロードには、陸路と水路があり、東北アジアの奧地にまで続いているため、「東北アジアのシルクロード」とも呼ばれている。これは単なる貿(mào)易ルートとしてだけでなく、文化を伝える架け橋ともなっていた?！副堡违伐毳愆`ド」の重要區(qū)間は現(xiàn)在の吉林省白山市にあった。

白山市は、長(zhǎng)白山の麓にあり、鴨緑江が同市に沿って流れるなど、大自然に囲まれている。かつては、野山參(オタネニンジン)や松の実といった特産品が、「北のシルクロード」を通じて、唐代の長(zhǎng)安へ運(yùn)ばれ、中原のシルクや陶磁器などが、東北アジアへと輸出された。使臣や隊(duì)商が、「北のシルクロード」と呼ばれる古道を通ったほか、日本や新羅などの使節(jié)や僧侶たちもそこを通って中國(guó)まで行き來(lái)し、中華文化が東北アジアへと伝わった。

?渤海と唐王朝を繋いだ古道?

331國(guó)道の白山區(qū)間は、連なる山々の中を通っている。頭道松花江に近い撫松県抽水郷堿場(chǎng)村西坎屯の北西約500メートルの場(chǎng)所には、古道の跡が今もわずかながら殘っている。撫松県に住むお年寄りたちの話によると、「北のシルクロード」は、同県の山の中を通っており、その昔、中原の王朝と東北エリアの國(guó)境地帯とを繋いでいたのだという。

約1000年前、渤海使は、長(zhǎng)白山のオタネニンジンやミンクの毛皮といった特産品を攜えて、竜泉府（現(xiàn)在の黒竜江省寧安市）から出発し、古道を通って、西京鴨淥府（現(xiàn)在の吉林省白山?臨江市）へ向かい、そこで水路に切り替え、船で鴨緑江を下り、現(xiàn)在の遼寧省丹東市から海に出て、登州（現(xiàn)在の山東省煙臺(tái)市蓬萊區(qū)）から上陸し、陸路で長(zhǎng)安に向かった。木々が青々と茂る山の中を通る道を通じて、文化交流が盛んに行われていたのだ。渤海が中原に派遣した數(shù)多くの朝貢使や王公貴族の関係者は、中原の文化や最先端の技術(shù)?工蕓、儀禮を必死で學(xué)んだ。唐朝の詩(shī)人?溫庭筠の「國(guó)に帰る渤海王子を送る」に出てくる「疆理は重海と雖も、車書は本と一家なり（國(guó)は海で隔たれているが、制度や文化は同じ根源だ）」という句から、渤海と唐王朝の間に密接な人的?文化的交流があったことをうかがい知ることができる。

?原料の販売から高付加価値製品へと飛躍したオタネニンジン

大自然生物工程有限公司の生産工場(chǎng)內(nèi)で、オタネニンジン関連の商品の生産管理をする技術(shù)者（撮影?劉勇）。

撫松県にある萬(wàn)良長(zhǎng)白山オタネニンジン市場(chǎng)はまだ日も上がらぬうちからすでに活気にあふれている。市場(chǎng)に店を構(gòu)える王梅正さんは、オタネニンジンを発泡スチロールの箱に入れながら、「世界中で、長(zhǎng)白山のオタネニンジンが高く評(píng)価されている。品質(zhì)が良く、パッケージもしっかりしていて鮮度が保たれているので、東南アジアのクライアントもとても喜んでくれる」と話す。萬(wàn)良長(zhǎng)白山オタネニンジン市場(chǎng)は、中國(guó)で唯一、また世界で最大規(guī)模を誇る國(guó)家級(jí)オタネニンジン交易専門市場(chǎng)で、2024年におけるオタネニンジンの取引量は2萬(wàn)9750トン、取引額は24億1000萬(wàn)元(1元は約20.3円)に達(dá)した。また、乾燥オタネニンジンの取引量は9000トン、取引額は30億元に達(dá)した。市場(chǎng)の責(zé)任者?張國(guó)紅さんは、「この市場(chǎng)は、世界のオタネニンジンの『心臓』だ」と話す。

白山市の人々が胸を張るのは、生や乾燥させたオタネニンジンだけではない。撫松県大自然生物工程有限公司の生産工場(chǎng)に足を踏み入れると、中醫(yī)薬を抽出する近代的な生産ラインが効率よく稼働しているのを目にすることができる。同社の劉勇販売マネージャーは、「以前は、500グラム単位で、加工していないオタネニンジンを販売していたが、今はグラム単位で、加工済みの付加価値の高い商品を販売している。追加工?二次加工して、高い付加価値を掘り起こし、歐州の企業(yè)からは、オタネニンジン10萬(wàn)パックの注文が入った?，F(xiàn)時(shí)點(diǎn)で、白山市にはオタネニンジンの加工企業(yè)が3000社以上あり、食用、飲用、醫(yī)薬品など、600種類以上のオタネニンジン関連の商品が30ヶ國(guó)?地域以上に輸出されている。白山の特産品だったオタネニンジンは今や世界でも認(rèn)められるブランドに飛躍している」と話す。

文明交流の場(chǎng)を提供する森林と雪原

崔長(zhǎng)安さん（寫真左）のレクチャーを受けながら中國(guó)の無(wú)形文化遺産?オタネニンジン堀りを體験する外國(guó)人留學(xué)生たち（撮影?杜沿賓）。

白山市の木々が青々と茂る山の中では、「棒槌（オタネニンジンの別名）だよ！」と言うオタネニンジン堀りのプロ?崔長(zhǎng)安さんの聲と、「棒槌ってなんですか？」と聞き返す外國(guó)人留學(xué)生の聲が響いていた。これは、外國(guó)人留學(xué)生が、白山市で特色ある無(wú)形文化遺産を體験するイベントでのことだった。長(zhǎng)白山のオタネニンジン掘りの技術(shù)は2008年に中國(guó)の國(guó)家級(jí)無(wú)形文化遺産リストに組み込まれた?！复抻H方」と呼ばれている崔さんは、50年以上かけて積み上げたオタネニンジン堀りの経験と、その背後にある中國(guó)伝統(tǒng)文化を、余すところなく外國(guó)人留學(xué)生たちに紹介している。

白山市撫松県小山発電所ダムの冬景色（撮影?孫蒞珉）。

また白山市は近年、長(zhǎng)白山のパウダースノー、溫泉、カルデラ湖の「天池」、森林といった大自然を拠り所として、世界レベルの観光地へと成長(zhǎng)しており、森林と雪原からなる「林海雪原」?が白山市の新たな代名詞になっている。外國(guó)人観光客の安全を守るため、撫松県の國(guó)境管理大隊(duì)は、英語(yǔ)を話せるメンバーからなる二ヶ國(guó)語(yǔ)対応サービスチーム?を立ち上げ、一面の銀世界が文明交流?相互參考の場(chǎng)となっている。

白山市撫松県長(zhǎng)白山華美勝地観光リゾートでスキーを體験する子供たち（撮影?施維）。

高く聳える山々は1千年以上にわたり、「北のシルクロード」の繁栄や、オタネニンジン市場(chǎng)の賑わいを見(jiàn)守ってきた。木々が青々と茂る森では歴史の趣を感じることができ、ゲレンデではさまざまな國(guó)の言葉が飛び交っている。歴史の趣と人々の暮らしの活力が互いに影響を與え、多元的に融合し、無(wú)限のポテンシャルを備えた未來(lái)が、この地でさらなる輝きを放とうとしている。（編集KN）

「人民網(wǎng)日本語(yǔ)版」2025年7月10日