「中國の酪農(nóng)の都」と呼ばれる內(nèi)蒙古（內(nèi)モンゴル）自治區(qū)呼和浩特（フフホト）市では、その多くの市民の低炭素な一日が1パックの「カーボンニュートラル牛乳」から始まる。新華社が伝えた。

「活力中國調(diào)査行」をテーマとした取材チームはこのほど、同市にある乳製品大手の伊利集団を訪れ、乳業(yè)企業(yè)の産業(yè)チェーン全體における低炭素の実踐を取材した。

呼和浩特市伊利敕勒川エコ?スマート牧場にある搾乳工場（7月28日撮影?李志鵬）。

乳業(yè)は第1次産業(yè)、第2次産業(yè)、第3次産業(yè)全てに関わり、飼育や加工、消費などの各段階にも関わるため、炭素排出削減の難易度が極めて高い。

十?dāng)?shù)年前、伊利は産業(yè)チェーン全體のカーボンフットプリント調(diào)査を始め、川上となる牧場などの生産の前段階における炭素排出が全體の8～9割を占めていることを発見した。乳牛1頭が1日あたり排出するガスには250～500リットルのメタンが含まれ、その溫室効果は二酸化炭素の數(shù)十倍にも達していた。

中國乳業(yè)協(xié)會が発表した「中國乳業(yè)品質(zhì)報告（2025）」によると、2024年には、中國の一定規(guī)模以上の乳製品加工企業(yè)の主要事業(yè)収入は5104億8000萬元(1元は約20.6円)に達し、中國全土の牛乳生産量は4079萬4000トンに達した。産業(yè)の質(zhì)が急速に向上し、國産乳業(yè)の競爭力は持続的に強化されている。同時に、世界的にも気候変動対策が重視されている中、中國の乳業(yè)はグリーンで低炭素な発展へと歩みを進めている。

伊利敕勒川エコ?スマート牧場では、乳牛1萬2000頭が「低炭素な暮らし」をしている。それを支えているのは一連の低炭素のノウハウだ。具體的には海藻粉末を加えた飼料やプロバイオティクスを配合して牛の胃の中を「環(huán)境に優(yōu)しく」するほか、遺伝子選別による「低炭素?！工蛴嗓工毪长趣恰⑴￥违播氓驻摔瑜昱懦訾丹欷毳幞骏螗工驕pらし、牛糞を回収し、肥料や牛舎の敷料として再利用することなどが挙げられる。

さらに削減が難しい炭素排出に関しては、牧場周辺に草を多く植えることなどで相殺している。この方法は炭素クレジットの置き換えになるだけでなく、飼料としても活用でき、農(nóng)業(yè)と畜産業(yè)が相互に支援し合い、増産と同時に炭素削減を?qū)g現(xiàn)している。

牧場から數(shù)キロメートル離れた場所には、伊利現(xiàn)代スマート健康バレーのメインビルがある。その姿は巨大な蝶が陽光の下で羽ばたこうとしているかのようで、「ゼロカーボン」への変革を進めている。

液體ミルクの生産工場では、1パックの牛乳が殺菌、配合、包裝といった高度に自動化とスマート化された數(shù)十もの工程を経て、生産されている。生産ライン18本を上から見下ろすと、充填機が平均で毎秒11パックの牛乳を充填し、ベルトコンベアで次々と運ばれていく。

伊利現(xiàn)代スマート健康バレー液體ミルク世界製造モデル拠點で、ロボットアームが牛乳製品を箱詰めする様子（7月28日撮影?李志鵬）。

伊利集団安全生産管理部の環(huán)境保護専門家である董暁玲氏は、「生産効率とエネルギー利用効率を高めることこそが、資源の浪費とエネルギー消費を減らす最大の炭素削減策だ。同時に、乳業(yè)企業(yè)は産業(yè)チェーンの現(xiàn)代化水準(zhǔn)を向上させ、スマート乳業(yè)エコシステムを構(gòu)築し、高品質(zhì)な製品で消費者の需要に応えている」としている。

中國の乳業(yè)が質(zhì)の高い発展を目指す過程においては、牧場から店舗の棚に至るまで、あらゆる細部で品質(zhì)を追求し、炭素排出との「闘い」が続けられている。

そして熱エネルギー回収技術(shù)で冷熱の循環(huán)利用を?qū)g現(xiàn)し、年間5000トン以上の標(biāo)準(zhǔn)炭を節(jié)約し、殺菌工程の改良によって、4人家族の900世帯以上が1年間に消費する電力に匹敵する電気を節(jié)約。また低炭素な包裝資材を?qū)毪工毪长趣?、環(huán)境に優(yōu)しい牛乳パックを作り上げて、炭素排出を20％削減するといったような努力が積み重ねられている。

董暁玲氏は牛乳のパックを手に取り、「この『カーボンニュートラル牛乳』を例にすると、10パック入りの1ケースで約8.5キログラムの炭素排出を削減でき、それはほぼ1本の木が1年間に吸収する炭素量に相當(dāng)する」とする。

1パックの牛乳による「カーボンニュートラル」の旅は、呼和浩特市の乳業(yè)企業(yè)が進めるグリーン?低炭素トランスフォーメーションの縮図となっている。

現(xiàn)在、呼和浩特市には中國で大きな影響力を持つ乳業(yè)全體のサプライチェーンがあり、伊利と蒙牛という2つの1000億元規(guī)模の乳製品加工企業(yè)が育つとともに、200社近い一定規(guī)模以上の乳製品関連企業(yè)が集まっている。

健康バレーの産業(yè)観光エリアの棚には、「カーボンニュートラル牛乳」や「カーボンニュートラル粉ミルク」、「カーボンニュートラルチーズスティック」などの商品が所狹しと並び、消費者に多様で豊富な商品を提供している。（編集KN）

「人民網(wǎng)日本語版」2025年8月26日