2025年11月、日本政府が運(yùn)営する「領(lǐng)土?主権展示館」に、いわゆる3つの「新証拠」が追加された。しかし、これらの「証拠」は、筆者が2016年に発表した著書(shū)『釣魚(yú)島列島帰屬考：事実と法理』および関連論文において、すでに詳細(xì)に分析し、論理的に反駁したものである。このことから、日本側(cè)はもはや學(xué)術(shù)的価値のある実証的資料を提示することができないことが分かる。（文：劉江永?清華大學(xué)國(guó)際関係學(xué)部教授）

3つの「新証拠」の1つは、1950年5月の中國(guó)外交部（外務(wù)?。─挝臅?shū)に記録されている『対日講和條約における領(lǐng)土関連問(wèn)題と主張に関する要綱草案』（署名なし）である。日本側(cè)は展示パネルで、「同資料では、尖閣諸島（筆者注：釣魚(yú)島列島、以下同）は『尖頭諸嶼』という名稱で琉球、特に八重山の一部とされている。同じ文書(shū)の『琉球の境界畫(huà)定問(wèn)題』と稱する節(jié)で距離を理由に尖閣諸島を臺(tái)灣に組み込むか検討すべきとしている。これは、中國(guó)側(cè)が尖閣諸島がこれまで琉球（沖縄）に屬してきたと認(rèn)識(shí)してきたことを前提とした記述である。したがって、現(xiàn)在の中國(guó)の主張とは異なり、中國(guó)は、1950年當(dāng)時(shí)、尖閣諸島が古來(lái)から臺(tái)灣に屬してきた島々であるとは考えていなかったことを示す証拠になる」と解説している。しかし、これは完全に日本側(cè)の一方的で斷片的な解釈で、事実を歪曲した虛偽の內(nèi)容であり、徹底的に正さなければならない。

中華人民共和國(guó)成立初期において、『対日講和條約における領(lǐng)土関連問(wèn)題と主張に関する要綱草案』では、中國(guó)が「サンフランシスコ講和會(huì)議」に出席した場(chǎng)合を想定し、領(lǐng)土分割問(wèn)題において採(cǎi)り得る二つの研究案が示された。

第一の案は、1879年に日本が琉球を強(qiáng)制併合する際、中國(guó)側(cè)の同意を得るために、日本が八重山および宮古群島を中國(guó)に帰屬させることを提案したことを基に、これらの島々を臺(tái)灣に編入して中國(guó)に返還することを検討すべきであるというものである。第二の案は、清朝の冊(cè)封使である張學(xué)禮などの記録に基づき、琉球の範(fàn)囲が三十六の島（釣魚(yú)島を含まない）として畫(huà)定されていることから、當(dāng)時(shí)の日本の概況に記載された「尖閣諸島」（すなわち釣魚(yú)島、黃尾島、南小島、北小島）および赤尾島を臺(tái)灣と共に中國(guó)に返還することを検討すべきであるというものである。

この草案の全文から見(jiàn)ると、主に第二次世界大戦終了前の日本の領(lǐng)土概況を基に、戦後の日本領(lǐng)土分割案を策定することを中國(guó)政府に提案するものである。その中には、赤尾島以西の釣魚(yú)島および附屬島嶼を臺(tái)灣の一部として中國(guó)に返還する提案が含まれている。したがって、この草案の起草者は、釣魚(yú)島及び付屬諸島が日本または古代琉球國(guó)に屬さないことを明確に認(rèn)識(shí)しており、戦後に釣魚(yú)島およびその附屬島嶼を臺(tái)灣と共に中國(guó)に返還すべきと主張していたことは明白である。

また、この草案では、八重山列島が臺(tái)灣に含まれるべきかどうかを研究すべきだとも提案している。これは、1879年に日本の明治政府が「琉球藩」を「沖縄県」に改編した際、中國(guó)から反対を受けたためである。當(dāng)時(shí)、日本の外務(wù)省は中國(guó)側(cè)に対して「琉球二分割案」を提案した。すなわち、日本は八重山群島と宮古群島を中國(guó)に帰屬させることに同意し（この中に釣魚(yú)島は含まれておらず、日本側(cè)は釣魚(yú)島が中國(guó)に屬し、琉球に屬さないことを認(rèn)識(shí)していたことを示す）、その代わりに那覇およびその北方區(qū)域は日本に帰屬させるという取引提案であった。しかし、中國(guó)政府は日本の力による非合法な琉球併合を認(rèn)めなかったものの、是正する力はなく、後に甲午戦爭(zhēng)（日清戦爭(zhēng)）が勃発したため、この問(wèn)題はうやむやになった。

この草案資料には、當(dāng)時(shí)の琉球の「概況」の部分に「八重山（尖頭諸島）」または「尖閣諸島」という記載があるものの、これは1930年代の日本統(tǒng)治下の琉球の概況および島々の呼稱を引用したものにすぎない。したがって、これをもって中國(guó)が釣魚(yú)島を「琉球（沖縄）の一部」と認(rèn)めた、または中國(guó)政府が釣魚(yú)島を琉球または日本に屬すると認(rèn)めたと解釈するのは無(wú)理がある。同様に、1943年12月に発表された『カイロ宣言』においても「満州」という日本による占領(lǐng)時(shí)の中國(guó)東北地域の呼稱が使用されたが、これをもって米國(guó)、英國(guó)、中國(guó)の三國(guó)政府が中國(guó)東北部を「満州國(guó)」と認(rèn)めたと解釈することはできない。もし誰(shuí)かが斷片的な解釈により『カイロ宣言』が「満州國(guó)」を認(rèn)めたと虛偽の主張をするのであれば、まさに荒唐無(wú)稽なことであり、笑い者にされるのは避けられないだろう。

この草案が最終的に中國(guó)政府に採(cǎi)択?提出されなかった理由は、戦後初期に米國(guó)が中國(guó)に対して冷戦政策を?qū)g施し、中華人民共和國(guó)政府が「サンフランシスコ講和會(huì)議」に中國(guó)を代表して出席することを拒否したためである。しかし、日本政府が受諾した『ポツダム宣言』および『カイロ宣言』に基づき、日本は中國(guó)から盜取したすべての領(lǐng)土を中國(guó)に返還しなければならないことは明かである。無(wú)論、その中に釣魚(yú)島列島が含まれていることは疑うまでもない。

「人民網(wǎng)日本語(yǔ)版」2025年12月17日