米商務(wù)省が先日発表した2022年度第1四半期の米國(guó)の國(guó)內(nèi)総生産（GDP）速報(bào)値は、年率換算で1.4％低下し、2020年第2四半期以降、初の景気後退となった。これと同時(shí)に、そのインフレ率も高水準(zhǔn)で推移している。米労働省の統(tǒng)計(jì)によると、米國(guó)の3月の消費(fèi)者物価指數(shù)は、過(guò)去40年で最大の上げ幅となる、前年同月比8.5％の上昇を示した。しかもインフレはモノからサービスへと拡大し、広範(fàn)な物価上昇をもたらしている。（文：謝卉?中國(guó)國(guó)際問(wèn)題研究院美國(guó)研究所研究補(bǔ)助員）

新型コロナウイルスのパンデミック以降、米國(guó)政府の講じてきた金融市場(chǎng)への資金大量供給という景気刺激策が、現(xiàn)在のインフレ激化の主因だ。一部のエコノミストが早くからインフレリスクを警告していたにもかかわらず、米國(guó)政府の政策決定者は「一時(shí)的インフレ論」を堅(jiān)持し、高インフレ率が大きな問(wèn)題となるまで緩和政策を維持してきた。

米國(guó)の発動(dòng)した対露制裁は、世界のサプライチェーンの本來(lái)のバランスを崩し、経済的困難を激化させた。米國(guó)のインフレ問(wèn)題は、すでにロシア?ウクライナ紛爭(zhēng)の前から著しく悪化していた。ロシア?ウクライナ紛爭(zhēng)の勃発後、米國(guó)が同盟國(guó)を抱き込んで発動(dòng)した一方的な対露制裁は、世界のエネルギー、金融、食糧、産業(yè)チェーンに多大な打撃を與え、サプライチェーンをさらに混亂させ、米國(guó)自身を含む國(guó)際社會(huì)全體がその代償を払わざるを得なくなった。

米國(guó)は利上げモードに入っており、世界経済はそれによってより大きく影響を受ける可能性がある。4日、米連邦準(zhǔn)備制度理事會(huì)（FRB）は、過(guò)剰なインフレとロシア?ウクライナ紛爭(zhēng)による不確実性に対処するため、2000年以降最大となる0.5％幅の利上げを発表した。だが歴史上の経験から見ると、急進(jìn)的な金融政策は自國(guó)を傷つけ、世界にも波及する恐れがある。アメリカン?エンタープライズ研究所（AEI）のエコノミストであるデズモンド?ラックマン氏は、FRBによる大幅な利上げによって、米國(guó)の株式、住宅、クレジット市場(chǎng)のバブルが崩壊した場(chǎng)合、深刻な不況を引き起こす可能性があると指摘する。世界最大の経済大國(guó)であり、主要國(guó)際準(zhǔn)備通貨発行國(guó)である米國(guó)の経済政策は、全世界に大きな波及効果をもたらす。FRBの利上げサイクルの開始は、世界経済にさらに大きな変動(dòng)リスクをもたらしており、世界的なデフォルト?リスクの上昇を招く恐れがある。

金融市場(chǎng)に資金を大量に供給する量的緩和政策、再三にわたるウクライナ危機(jī)の煽動(dòng)、そして対露制裁の発動(dòng)による世界のサプライチェーンの混亂と、米國(guó)が地政學(xué)的危機(jī)と世界経済の難局の原因を作り出してきたことに疑いはない。

問(wèn)題の原因を作ったものが、問(wèn)題を解決するべきだ。國(guó)際的?地域的紛爭(zhēng)問(wèn)題に対処するには、対話と交渉こそが根本的な解決の道であり、各方面の利益に最もかなう正しい道でもある。制裁の亂用は、新たな取り返しのつかない損害をもたらすだけでなく、既存の世界経済システムに打撃を與え、世界中の人々の生活を脅かす恐れもある。世界の大國(guó)として、米國(guó)は世界経済システムの安定性を維持する責(zé)任があり、自らの無(wú)責(zé)任な外交?経済政策の代償を世界各國(guó)に払わせるべきではない。（編集NA）

「人民網(wǎng)日本語(yǔ)版」2022年5月6日