羅珠さんの家は標(biāo)高約4300メートルの西蔵（チベット）自治區(qū)當(dāng)雄県にある。公益映畫映寫係として、羅珠さんは1985年から農(nóng)民と牧民向けに映畫を上映しており、蔵北草原の約200村を訪れた。以前はハンドトラクターにスクリーン、映寫機(jī)、フィルム、発電機(jī)、食料、布団を積み、當(dāng)雄県の村々をめぐり上映していた。村々を一周するには3ヶ月以上かかることもあった。チベットでは羅珠さんのような映寫係は今も少なくない。彼らは雪の高原を移動し続け、映畫を通じて同地の文化的な生活の移り変わりを見守ってきた。

80、90年代は村には道路がなく、電気も通っておらず、農(nóng)民と牧民の精神的、文化的な生活は貧しかった。映畫鑑賞は彼らが世界を知るための重要な窓であり、文化的な生活の需要を満たす重要な手段だった。ある村人は映畫を見るため、家族を連れて約十キロも離れた隣村まで歩いてやってきた?！干嫌偿俩`ムがいる所ならばどこでも行く」とばかり、風(fēng)が吹き雪が降ろうとも、人々が集まって、興味津々といった様子で映畫を楽しんだ。農(nóng)民と牧民の映畫に対するこうした関心の高さは、苦労もいとわず駆けずり回る映寫係たちを鼓舞した。チベットでは昨年、約500チームの末端映畫上映チームが公益映畫を6萬6000回以上上映し、幸福な生活に文化のエネルギーを注いだ。

フィルム映寫機(jī)からデジタル映寫機(jī)へ、畫質(zhì)の悪い古いフィルムからカラフルなデジタル映畫へ、「上映されるなら何でも見る」から「見たい作品を選ぶ」へ。今や農(nóng)民と牧民はより豊富な映畫鑑賞の選択肢を手にしているが、これは公共文化サービスの質(zhì)の向上と高度化を反映している。1998年から始まった農(nóng)村での映畫上映「2131プロジェクト」は、「1つの村で毎月映畫を1回上映」を?qū)g現(xiàn)した。2000年に始まった「西新プロジェクト」（チベットや新疆などの辺境少數(shù)民族地域のラジオ?テレビ普及プロジェクト）は20數(shù)年にわたり、映畫のチベット語吹き替え版を2400本以上作成された。これらの公共文化サービスプロジェクトは、農(nóng)民と牧民により多くの文化資源、より優(yōu)れたインフラをもたらし、人々の文化活動を展開するための基礎(chǔ)を固めた。

今や農(nóng)民と牧民はスマホやテレビでさまざまな文化番組を視聴できる。7年間の電気通信普及サービスにより、チベット自治區(qū)のすべての行政村でブロードバンドが利用できるようになった。99％以上の行政村で光回線と4G信號が普及した。すべての村のブロードバンド普及により、人々はいつでも興味ある文化的アーチファクトを検索できるようになったのだ。出かけなくても映畫やネットドラマを鑑賞し、オンライン授業(yè)を受け、ニュースを見られるようになった。多くの農(nóng)民と牧民はさらに短編動畫プラットフォームで生活を共有し、才能をアピールし、自ら文化活動に參加している。娯楽は映畫だけの時(shí)代から、スマホやパソコンなどにより生活を豊かにできる時(shí)代になった。遠(yuǎn)くに屆くネットワーク信號が山を越え谷を越え、情報(bào)の受け取り方と文化への參加のルートを変え、住民の生活水準(zhǔn)と幸福度を高めている。

時(shí)代の移り変わりと共に、露天映畫を見る人が徐々に減っている。一部の地方はモデル転換の模索を開始している。拉薩（ラサ）市では露天映畫が屋內(nèi)に移り、人々がより快適に鑑賞できるようになった。多くの映寫係は人々の需要の理解をいっそう重視し、人々が喜ぶ劇映畫や、生産の問題を解消する牧畜業(yè)科學(xué)教育作品などを上映している。スクリーンの裏側(cè)で変わっているのは需要で、変わっていないのは美しい生活への憧れだ。（人民日報(bào)記者 徐馭堯）（編集YF）

「人民網(wǎng)日本語版」2022年8月16日