北京市東城區(qū)にある明城壁遺跡公園の京奉鉄道信號(hào)所の隣に今月4日、文沁閣書店がオープンした。同書店ではこれまでに、セミの抜け殻を使ったサルの人形「毛猴」作成やテントに絵を描くイベント、生け花、城壁の寫生といった文化イベントが行われ、人気を集めている。取材を通じて、公園內(nèi)に書店を設(shè)置するというのが現(xiàn)在、中國で一種の文化ファッションになっていることが分かった。例えば、北京と杭州を結(jié)ぶ京杭大運(yùn)河文化をテーマにした書店や、のどかな田舎の雰囲気の中で読書ができる「田園文化」をコンセプトにした書店、中國の長編古典小説「紅樓夢」に登場する庭園「大観園」にオープンした図書施設(shè)などがあり、それぞれの環(huán)境に合わせた書店が次々と登場している。北京青年報(bào)が報(bào)じた。

北京市の溫楡河公園內(nèi)にある新華書店は、人が環(huán)境に融け込める「田園風(fēng)」のデザインになっている。同書店は現(xiàn)在、北京のネット上で人気の読書スペースランキングに名前を連ねている。同書店のコンセプトは、読書と観光の全面的融合を促進(jìn)することで、文化クリエイティブグッズや喫茶、軽食、無形文化遺産といった要素も取り込んでいるという。

2021年9月には、中國の長編古典小説「紅樓夢」に登場する庭園「大観園」をモチーフにした公園である北京市の大観園に図書施設(shè)「大観園更読書社」がオープンした。施設(shè)內(nèi)には中國語の文獻(xiàn)約6000冊(cè)、ジャーナルの合本約300冊(cè)が並んでいる。四大名著や詩詞歌賦、二十四節(jié)気、伝統(tǒng)文化といった文化伝承系の図書がメインで、全體の40％以上を占めている。同施設(shè)の責(zé)任者である隗傑氏は、「『紅樓夢』をテーマにしたコーナーもあり、壁一面にさまざまなバージョンの『紅樓夢』のほか、周汝昌や白先勇、歐麗娟、蔣勳といった紅樓夢研究家の書籍が並んでいる。春の陽気が心地よく、美しい花が咲いている今、大観園で古典『紅樓夢』の世界に浸ってもらいたい」と話す。

北京師範(fàn)大學(xué)の首都文化創(chuàng)新?文化伝播工程研究院の何其聡準(zhǔn)教授は、「美學(xué)的価値からすると、これまで、書店では、內(nèi)部空間の創(chuàng)意性あふれるデザインやその複合機(jī)能が重視されてきた。しかし、公園內(nèi)の書店は、さらにもう一歩進(jìn)み、優(yōu)雅で快適な複合型文化空間を、外部の自然空間に融け込ませている。市民は公園でレクリエーションや休息、運(yùn)動(dòng)を楽しんだ後、書店に入り、素?cái)长蕰铯蛘iむことができるほか、ゆっくりとコーヒーを味わったり、季節(jié)ごとの景色を楽しんだりと、充実した時(shí)間を堪能できる。精神美學(xué)と生活美學(xué)、健康美學(xué)が一つになっていると言えるだろう」との見方を示した。（編集KN）

「人民網(wǎng)日本語版」2023年3月22日