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大英博物館から中國の文化財「玉壺」が脫出するミニドラマが話題に

人民網(wǎng)日本語版 2023年09月05日10:52

「私を中國に連れ帰ってくれる?」。中國で最近、「大英博物館からの脫出(ESCAPE FROM THE BRITISH MUSEUM)」というタイトルのミニドラマが各オンライン動畫プラットフォームで話題になっている。これまでに予告編と第1話、第2話が公開され、その長さは合わせて10分未満であるものの、瞬く間に話題をさらった。多くの人が、「この動畫を見ると、心を揺さぶられ、強(qiáng)い共感を覚える。寄せられているコメントを見るだけでも、涙が出てくる」との聲を寄せている。文匯報が報じた。

ミニドラマは文化財を擬人化したストーリー。文化財?玉壺の化身であるヒロイン「小玉壺」は黃緑色の漢服を著て、頭には黃緑色の髪飾りを付けている。冒頭部分では、汚れた顔でカバンを背負(fù)った彼女がロンドンの街中で男性主人公である中國人記者に遭遇する。黃色人種で、中國語を話すこの男性を見て、彼女は、「自分と同郷の人間だ」と気付く。そして「同郷の人間に會えたなら、もう安全だ」と感じ、どんな困難があっても必ず生まれ故郷に帰ろうと決意する「小玉壺」を見た中國人視聴者たちは、心を大きく揺さぶられている。

「大英博物館からの脫出」を製作したのは90後(1990年代生まれ)のうp主「煎餅果仔」と「夏天妹妹」。彼らによると、ちょっとしたきっかけでこのミニドラマを製作することにしたという。今年初め、ネット上で、「大英博物館の中國の文化財を擬人化して帰國する物語を見たい」という書き込みを見た「煎餅果仔」は、「待ってて」とコメントした。始めは冗談や思い付きのアイデアと思っていたものの、思いがけず、情熱的な若者が集まり、ミニドラマを製作することになった。そして、「煎餅果仔」と「夏天妹妹」は、資料をチェックするなど、約半年かけて準(zhǔn)備し、3ヶ月間にわたり動畫の更新を休止して、さらに、業(yè)務(wù)提攜を解消し、わざわざ英國まで足を運(yùn)び、中國から流失した「玉壺」が大英博物館から脫出するミニドラマを製作した。

數(shù)日前、大英博物館の大量の所蔵品が所在不明になっているというニュースが流れ、世界を騒然とさせた。同時に多くの國が大英博物館に対して、文化財返還を求めている。そのため、ミニドラマ「大英博物館からの脫出」の公開はまさにタイムリーで、海外に流出した中國の文化財の1日も早い返還を願う中國の人々の気持ちを代弁している。あるネットユーザーが、「穏やかな気持ちで大英博物館を出ることができない」との聲を寄せているように、「大英博物館からの脫出」を見るとまさに穏やかな気持ちでいることはできない。雰囲気こそコミカルなミニドラマが、一夜のうちに大きな話題となったのは、海外に流出した中國の文化財返還を強(qiáng)く願う中國人の心を揺さぶる內(nèi)容だったからだ。

若者からなるグループが自分たちで製作し、商業(yè)的な利益もなければ、巨額の投資もないものの、このミニドラマの各所には「匠の心」や「工夫」を目にすることができる。その細(xì)部までこだわった內(nèi)容を、同じ思いを抱くネットユーザーも一つ一つ見つけている。例えば、ヒロインの「小玉壺」について、あるネットユーザーは、「大英博物館において、『中華纏枝紋薄胎玉壺』は、『一番若い子供』であるため、彼女はずっと同じく大英博物館にいる『お兄ちゃんやお姉ちゃん、おじさん、おばさん、おじいちゃん、おばあちゃん』の文化財たちへの思いを口にしている」との聲を寄せている。また、男性主人公の名前は「張永安」で、弾幕を見ると、「大英博物館に展示されている陶磁器の枕には、『家國永安』と書かれている?!杭覈腊病护趣い?文字を枕にデザインする意味を理解できるのは中國人だけだろう」との聲が寄せられている。さらには買い物かごに茶葉をたくさん入れる「小玉壺」についても、ネットユーザーは、専門家の分析を引用し、「昔、はるか海のかなたに渡る時、波で船が揺れて、割れることがないよう、陶磁器の中にも、外にも茶葉が詰められた」と説明している。

元故宮博物院院長の単霽翔氏が、「文化財は、それが生まれた場所で展示されてこそ、尊厳が守られる。孤獨(dú)に海外に流出してしまうと、尊厳が損なわれてしまう」としているように、文化財は、文明の目印となるものであり、生まれ故郷に戻すのが一番良い選択となるはずだ?!讣屣灩小工?、「今回の製作は決意表明であり、セルフメディア関係者の熱意がこもっている。それは、中國人の心の奧にある意地でもある!」と話す。 「大英博物館からの脫出」が大きな話題となり、多くの人が共感を覚えていることは、今の若者も、中國の民族が代々変わることなく受け継いできた文化を通して己を知る心、國、故郷を愛する心を抱いていることを物語っている。(編集KN)

「人民網(wǎng)日本語版」2023年9月5日

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