50年代と60年代の「硬券切符」（資料寫真、撮影?潘越）。

中國の春運(yùn)（春節(jié)＜舊正月、今年は2月10日＞期間の帰省?Uターンラッシュに伴う特別輸送體制）は、その利用者が70年前の延べ2300萬人から延べ4億8000萬人にまで増え、車両は「緑皮車」（従來の普通列車）から高速列車に、切符は「硬券切符」から電子版切符へと大きな変化を遂げてきた。また、今では高速鉄道網(wǎng)が整備されたことで、多くの人がスピーディーに帰省できるようになったほか、公益性を備えた鈍行列車が山間部まで運(yùn)行されるなど、劇的な変化を見せている。

「春運(yùn)」の鉄道利用者は、1954年の延べ2300萬人から、2012年には延べ2億2100萬人にまで増え、今年はその2倍以上に當(dāng)たる延べ4億8000萬人に達(dá)すると見込まれている。

故郷までの道のりを便利にしてくれた高速鉄道

9つの資格を有し、35車種の列車を運(yùn)転したことがあり、春運(yùn)を32回経験してきたという中國鉄路北京局集団の高速列車の運(yùn)転士?韓軍甲さんは、「中國の鉄道車両を完全制覇した運(yùn)転士」と呼ばれている。

韓さんは、「一番初めに運(yùn)転していたのは蒸気機(jī)関車で、時(shí)速はわずか50キロだったため、北京から上海に行くのに1日半もかかっていた。その後、ディーゼル機(jī)関車になって時(shí)速は120キロになり、さらに電気機(jī)関車が登場して、時(shí)速は160キロになった」と振り返る。

その後、最大の変化が起きたのは2010年のことだ。その年、北京と上海を結(jié)ぶ「京滬高速鉄道」の運(yùn)転士の募集が始まり、韓さんも応募した。そして、同鉄道が2011年に開通すると、北京と上海間の日帰りが可能になり、それを運(yùn)転するようになった韓さんは、「2012年の春運(yùn)には、1日に2往復(fù)して、1千人以上の帰省客を運(yùn)んだ」と振り返る。

しかし、韓さんはそれで満足することなく、「生きているうちに、中國が獨(dú)自に研究開発した高速列車を運(yùn)転できたなら本望だ」とひそかに思っていたのだという。

ただ思いもよらなかったのは、そんな韓さんの夢がわずか數(shù)年後に葉ったことだ。2017年9月、韓さんは中國の第一陣の高速列車「復(fù)興號」の運(yùn)転士となり、中國で最も速い列車を運(yùn)転するようになったのだった。

今年の春運(yùn)期間中も韓さんは引き続き第一線で活躍している。四季が変化し、時(shí)が経ち、中國の鉄道網(wǎng)がスピーディに建設(shè)されていったように、韓さんが運(yùn)転する列車もますますスピードアップしている。

2023年末の時(shí)點(diǎn)で、中國の高速鉄道の総延長距離は世界一長い4萬5000キロに達(dá)し、世界の高速鉄道の70％以上を占めるようになった。中國で建設(shè)中の高速鉄道の規(guī)模も世界最大で、商業(yè)運(yùn)営速度も最速。高速鉄道の技術(shù)は最も網(wǎng)羅的で、運(yùn)営シーンも最も豊富になっている。

窓口に長蛇の列を作っていた切符購入は今やオンラインに

1990年代より以前、列車の切符は、小さくて分厚い紙で作られた「硬券切符」で、座席番號は切符販売員が手で貼り付けていた。その後、1997年に、コンピューターでプリントされる赤い薄手の紙が正式に使われるようになり、切符の販売にかかる時(shí)間は數(shù)分から數(shù)十秒にまで短縮され、切符の販売狀況を全ての窓口で共有できるようになり、初めて「切符がある場合なら、どの窓口でも購入することができる」を?qū)g現(xiàn)した。その後、2007年、磁気切符が登場し、乗客は自動(dòng)改札機(jī)を使って駅構(gòu)內(nèi)に入ることができるようになった。さらに、2020年6月20日からは、電子版切符が中國全土の鉄道で導(dǎo)入され、切符のペーパーレス化時(shí)代へと突入し、身分証明書をかざすだけで、駅構(gòu)內(nèi)に入り、乗車できるようになった。

そして切符が変わったことで、その購入方法も変化した。

北京で働いて20年以上になるという劉錦さんは、「15年前、春節(jié)に帰省するための切符を買うのに、駅で二日二晩並ばなければならなかった。インターネットで購入できるようになる前は、折りたたみ椅子や掛け布団を手に、販売窓口の前に並んでいた。そしてその列は何キロも続いていた」と振り返る。

2012年の春運(yùn)に、初めてオンラインでの切符販売が導(dǎo)入された。それから約10年の間に、オンライン購入と電子版切符が主流となり、今では鉄道アプリ12306で販売される切符の數(shù)は年間30億枚に達(dá)している。

販売される切符の數(shù)は1秒當(dāng)たり300－500枚で、最も多い時(shí)には1000枚ほどに達(dá)する。購入者が必要な情報(bào)を入力してから切符が発行されるまでにかかる時(shí)間はわずか約2.8秒だ。鉄道アプリ12306はすでに便利でスピーディーなスマートシステムを構(gòu)築し、世界最大規(guī)模の切符購入システムになっている。

利用者が殺到する祝祭日や人気路線、輸送能力の限界といった要素が重なると、今でも「切符の爭奪戦」が繰り広げられることになるものの、移動(dòng)が以前に比べると非常に便利になったことは紛れもない事実だ。登場して約10年になる鉄道アプリ12306もますます整ってきている。

鉄道アプリ12306のテクノロジーイノベーションセンターの単杏花副主任は、「オンラインでの切符購入というのは、數(shù)多くの旅客が中國鉄道に出してくれた宿題だった。まだ、至らない點(diǎn)もあるものの、固い決意を抱いて前進(jìn)し続ける」とした。（編集KN）

「人民網(wǎng)日本語版」2024年2月23日