中國の東北地域にこんな小さな都市がある。50萬人に満たない人口のうち、水著の生産に従事する人が3分の1に達する。ここから販売された水著は世界で販売された水著の4分の1を占め、水著の年間付加価値額は約150億元（1元は約21.4円）に上り、販売先は世界の140を超える國と地域に広がる。その都市とは、中國最大の水著生産拠點である遼寧省葫蘆島市管轄下の興城市だ。

2023年北東アジア（興城）國際スイムウェア博覧會の會場の様子。（寫真提供は興城市文化観光?ラジオテレビ局）

興城市水著業(yè)界協(xié)會の柳菁副事務(wù)局長は、「世界で売られている水著の4枚に1枚は興城産だ。ロシアでは水著が100枚あれば99枚が興城で作られたものだ。興城には水著メーカーが4000社以上あり、年間付加価値額は150億元を超え、國際市場で25％以上のシェアを占める」と説明した。

大きな産業(yè)を育てた小さな作業(yè)場

興城の水著産業(yè)発展史は1980年代までさかのぼる。當時の興城にはレジャー?リゾート地や療養(yǎng)所がたくさん建設(shè)されて、観光客が続々と訪れるようになり、水著のニーズも日増しに高まった。

興城にひっそりとたたずむ錦西水著加工工場はネットで人気のスポットだ。（撮影?李晛）

興城水著産業(yè)に従事した最初の人々は、観光客が著ている水著のデザインを模倣し、手作業(yè)で製品を作る家族経営の小規(guī)模作業(yè)場で、販売も自分たちで行っていた。資本とノウハウが十分に蓄積された後、自分たちのブランドと産業(yè)體系の構(gòu)築を開始して、グローバル市場にも徐々に進出するようになった。

興城で水著を最初に作ったのは誰か。一言で話すには多少複雑な話にはなるが、柳さんによると、1986年に興城南関にある胡同（伝統(tǒng)的な民家が建ち並ぶ細い路地）で、劉家の三姉妹（劉雪瑩さん、劉雪娟さん、劉雪艶さん）が女性用のシアサッカー水著を作り始め、萬元戸（年収が1萬元を超える農(nóng)家?自営業(yè)者）がまだ珍しかった當時、一家で一夏に3000元余りの売り上げを達成した。90年代初めに、劉家の三姉妹が共同出資による経営スタイルに移行し、興城初の水著企業(yè)となる興城遠航泳衣廠を設(shè)立した。

水著ファッションショー。（撮影?于海洋）

2002年には、後に水著産業(yè)の一大拠點となった斯達威水著スーパー産業(yè)パークの張東元會長が、興城にある小規(guī)模作業(yè)場で水著を作り始めた。創(chuàng)業(yè)當時は中國內(nèi)外の有名ブランド向けの相手先ブランド名製造（OEM）を手がけ、製品は歐州や南米などに売られていた。張さんは、「會社の経営はますます順調(diào)になっていったが、自分たちのブランドがないので、企業(yè)としての発展はますます難しくなった」と振り返る。そこで2009年、企業(yè)のさらなる発展を求め、海外で事業(yè)を展開することを決定。約490萬ドル（1ドルは約154.7円）で米INGEAR社を買収し、同社の複數(shù)のブランドのフランチャイズ権を手に入れた。主な市場は米國で、メキシコ、ジャマイカ、スペインなどでの代理販売業(yè)務(wù)も手がけるようになった。

當時、興城の複數(shù)の水著メーカーも海外企業(yè)の買収に乗り出し、國際合併?買収（M&A）により、生地の開発、パターン?デザイン、ブランド運営、優(yōu)良顧客、市場ルート?ネットワーク、影響力?知名度などの強力なコアコンピタンスを獲得し、中國內(nèi)外の市場でより大きく安定したシェアを勝ち取った。

統(tǒng)計によれば、現(xiàn)在まで、興城の水著メーカーの80％が獨自ブランドを持ち、イタリアやフランスなどの國で20件を超える商標登録を行ったという。

95後（1995年から1999年生まれ）の水泳産業(yè)の従事者?張嘉鋭さんが働く様子。（撮影?李晛）

95後（1995年から1999年生まれ）の水泳産業(yè)の従事者?張嘉鋭さんは、父親の張東元さんの企業(yè)管理を手伝うため、英國に留學(xué)した。修士號を取った後、父親の會社で越境EC業(yè)務(wù)を擔當している。張さんによると、以前、同社はロシアからの注文が80-90％を占めていたが、市場の変化や越境ECの発展にともなって、今では注文の內(nèi)訳は基本的に歐州と米國が半々だという。

水著の生産?販売規(guī)模が拡大を続けるのにともない、常住人口約50萬人の興城では水著産業(yè)に従事する人が16萬人近くになった。

興城市のある水著企業(yè)の生産現(xiàn)場。（撮影?李晛）

現(xiàn)在、興城には安定?成熟した職人陣が形成されており、水著の開発能力を備えた技術(shù)者は従業(yè)員全體の5％以上を占める。多くの企業(yè)が北京、瀋陽、大連、上海などの繊維?アパレル関連の大學(xué)と提攜関係を結(jié)び、専門の人材を雇用するとともに、技術(shù)者も育てている。（編集KS）

「人民網(wǎng)日本語版」2024年4月24日