中國初の海上二酸化炭素（CO2）回収?利用?貯留（CCUS）プロジェクトが、珠江口盆地の恩平15-1プラットフォームで稼働開始したことが、中國海洋石油集団有限公司（中國海油）への取材で分かった。これは中國の海上CCUS技術(shù)分野における重要なブレイクスルーを示している。中央テレビニュースが伝えた。

恩平15-1油田CCUSプロジェクトは、広東省深セン市から南西に約200キロメートル離れており、作業(yè)水深は約90メートル。プロジェクトは「回収?精製?加圧?注入」の一連の技術(shù)プロセスを通じ、油田開発に伴って発生するCO2を超臨界狀態(tài)に変換し、1時(shí)間當(dāng)たり8トンの速度で地中1200?1600メートルの油層に注入する。原油採取率を高めるとともに、CO2の永久貯留も実現(xiàn)する。

中國海油深セン分公司恩平油田作業(yè)エリアチーフエンジニアの熊書権氏は、「同プロジェクトの稼働開始は、中國の海上CCUS設(shè)備技術(shù)の全面的な高度化を?qū)g現(xiàn)した。今後10年で累計(jì)100萬トン以上のCO2を大規(guī)模に注入し、20萬トンの原油増産を?qū)g現(xiàn)する見込みだ」と述べた。

プロジェクト所在地の恩平15-1プラットフォームは、アジア最大の海上原油掘削プラットフォームだ。油井掘削、無人化遠(yuǎn)隔操作、自家発電?電力網(wǎng)構(gòu)築、石油?ガス?水の統(tǒng)合処理などの多機(jī)能モジュールを備える。CO2貯留と原油の回収増進(jìn)の二重目的を達(dá)成するため、プラットフォームはCO2圧縮機(jī)、ガス処理、冷卻システムなどの重要設(shè)備を新たに導(dǎo)入している。中國初の海上CCUS設(shè)備システムが構(gòu)築され、設(shè)備の國産化率は100％に達(dá)している。

中國、海上CO2貯留?利用の推進(jìn)を加速

海洋はCO2貯留の「天然の寶庫」として、人口密集地から遠(yuǎn)く離れ、貯留容量が大きいことから、世界のCCUS技術(shù)の「ブルーオーシャン」になっている。中國では近年CCUS技術(shù)が急速に発展し、一連のモデルプロジェクトが次々と実施され、試験段階から 大規(guī)模応用へと進(jìn)展している。

渤海の渤中26-6油田回収?利用モデルプロジェクトが今年2月に稼働開始した。ライフサイクル全體で150萬トンのCO2を貯蔵する見込みだ。珠江口の白雲(yún)ガス田群におけるガス田7カ所のCO2回収プロジェクトが昨年8月、広東省珠海市で稼働開始した。食品レベル液體二酸化炭素の年間生産量は20萬トンで、資源のリサイクルを?qū)g現(xiàn)。このほか、恵州32-5プラットフォームの隨伴ガス回収?脫炭素プロジェクトは毎年700萬立方メートル以上の隨伴ガスを回収できる。

中國海油深セン分公司恩平油田作業(yè)エリアの油層マネージャーの程佳氏は、「世界には現(xiàn)在65のCCUS商業(yè)化プロジェクトがあるが、その大半が陸上に集中し、海上プロジェクトはごくわずかだ。中國海油は現(xiàn)在4つのCCS（CO2回収?貯留）およびCCUSプロジェクトを完成させている。また渤中19-6ガス田を中心とする北方CO2原油採取センターと、南中國海1兆立方メートル大規(guī)模ガスエリアによる南方CO2ガス採取センターの建設(shè)を計(jì)畫中だ」と述べた。

中國の海上CO2貯留のポテンシャルは2兆5800億トンに達(dá)し、大規(guī)模応用の大きな可能性を秘めている。技術(shù)の進(jìn)化と政策支援により、中國の海上CCUS産業(yè)は単一の実証から集約型発展へと移行している。中國海油は現(xiàn)在、広東省恵州市で中國初の1000萬トンクラスCO2回収?貯留クラスタープロジェクトの建設(shè)を開始した。將來的には大亜灣エリアの各企業(yè)が排出するCO2を回収し、珠江口盆地海域に輸送?貯留することにより、國際的な競(jìng)爭(zhēng)力を持つ海上CCUS産業(yè)チェーンを構(gòu)築する。（編集YF）

「人民網(wǎng)日本語版」2025年5月23日