夏休み期間中、海南省瓊海市中國(guó)（海南）南中國(guó)海博物館は見學(xué)者で賑わい、1日當(dāng)たりの來館者は普段の約5割増に達(dá)した。なかでも、「深藍(lán)寶蔵——南中國(guó)海西北大陸斜面1?2號(hào)沈沒船考古學(xué)成果特別展」が最も人気となっている。人民日?qǐng)?bào)が伝えた。

展示ホールでは、「明琺華貼金鏤空孔雀牡丹紋大罐」と名付けられた壺が靜かに存在感を放っている。華やかなデザインで、その透かし彫りと金箔を張る技術(shù)には驚嘆させられる。実は、この壺は、昨年の時(shí)點(diǎn)では、10萬(wàn)點(diǎn)以上の他の陶磁器や木材と共に、水深約1500メートルの海底に眠っていた。

中國(guó)（海南）南中國(guó)海博物館の辛禮學(xué)館長(zhǎng)は、「深海調(diào)査船のカメラを通して、初めて南中國(guó)海西北大陸斜面1號(hào)、2號(hào)沈沒船遺跡を見た時(shí)、全員が驚きに震えたほどだった。そこは、まるで時(shí)間が止まってしまった『寶石箱』のようで、保存狀態(tài)は非常に良かった。この2022年から始まった考古學(xué)的発見は、中國(guó)の水中考古學(xué)が淺海から深海へ歩みを進(jìn)めたことを示す歴史的なブレイクスルーと言える」とした。

中國(guó)（海南）南中國(guó)海博物館の「深藍(lán)寶蔵——南中國(guó)海西北大陸斜面1?2號(hào)沈沒船考古學(xué)成果特別展」の様子（寫真提供?中國(guó)國(guó)家文化財(cái)局）。

キーテクノロジーのブレイクスルーが実現(xiàn)し、さらに深い海へと進(jìn)む考古學(xué)調(diào)査

晴天に恵まれた2022年10月23日、500回目の潛水任務(wù)を遂行していた有人潛水調(diào)査船「深海勇士號(hào)」の乗組員が突然、「大量の陶製の貯蔵器発見！數(shù)えきれない！」と驚きの聲を上げた。

當(dāng)時(shí)、「深海勇士號(hào)」は、三亜市から約150キロ離れた海南島南東の海域を調(diào)査していた。そこは、「南中國(guó)海西北大陸斜面」と呼ばれており、古代沈沒船2艘が発見され、世界を驚かせた。中國(guó)が水深約1500メートルの深海で明の時(shí)代の沈沒船遺跡を発見したのはそれが初めてのことだった。

水深1500メートルとは、何を意味するのだろうか？そこは、常に暗闇に包まれた「深海の無人地域」で、水圧は潛水士が耐えることのできる限界をはるかに上回っている。辛館長(zhǎng)は「2018年より前は、中國(guó)の水中考古學(xué)調(diào)査は、基本的に水深40メートルまでの淺海に限られていた。深海の考古學(xué)調(diào)査と淺海の考古學(xué)調(diào)査は異なり、テクノロジーの下支えがなければ、深海は考古學(xué)にとって調(diào)査対象範(fàn)囲外だった」と説明する。

極端な環(huán)境下では乗り越えなければならない試練も大きい。南中國(guó)海西北大陸斜面沈沒船遺跡考古學(xué)調(diào)査プロジェクトのリーダー?宋建忠氏は、「この発見は非常に珍しい。このような深?？脊艑W(xué)調(diào)査は、參考にできる前例がなかった。この挑戦が成功したのは、10年以上かけて開発したテクノロジーのおかげだ」とする。

2009年、深海有人潛水調(diào)査船「深海勇士號(hào)」の建造プロジェクトが立ち上げられ、2017年10月に海上試験運(yùn)転に成功し、中國(guó)科學(xué)院深?？茖W(xué)與工程研究所に引き渡された。中國(guó)が獨(dú)自に研究開発した國(guó)産化率95％以上のこの有人潛水調(diào)査船は、8年かけて技術(shù)の難関を攻略し、チタン合金の耐圧殻、深海用浮力材、低ノイズプロペラなどのキーテクノロジーのブレイクスルーを次々に実現(xiàn)し、作業(yè)能力は水深4500メートルに達(dá)した。これにより、中國(guó)の考古學(xué)者は初めて、水深1千メートル以上の海底の世界を調(diào)査できるようになった。

明琺華貼金鏤空孔雀牡丹紋大罐（寫真提供?中國(guó)國(guó)家文化財(cái)局）。

63回の潛水を通じて海底に數(shù)百年眠っていた文化財(cái)引き上げ

2023年10月1日、中國(guó)南中國(guó)海西北大陸斜面沈沒船第二段階考古學(xué)調(diào)査が行われ、平均風(fēng)速約13ノット、水深約1500メートルまで潛水した。

張凝灝氏は、その任務(wù)で潛水した科學(xué)者で、今回の沈沒船遺跡考古學(xué)調(diào)査プロジェクトの副リーダーだ。

深海潛水調(diào)査船支援母船 「探索2號(hào)」から海中に降ろされた「深海勇士號(hào)」は毎分35メートルの速さで、海底へと潛っていった。太陽(yáng)の光が屆かない深海は暗闇に包まれており、コックピット內(nèi)の気溫も少しずつ下がっていく。約40分後、潛水船が海底に到達(dá)すると同時(shí)に、潛水船のライトが付き、南中國(guó)海西北大陸斜面2號(hào)沈沒船遺跡が目の前に広がった。遺跡の大きさは長(zhǎng)さ約21メートル、幅最大8メートルで、黒くなった木材が南北に整然と並んでいた。

1號(hào)沈沒船には、江西省景徳鎮(zhèn)市から輸出された陶磁器が、2號(hào)沈沒船には、海外から輸送されてきた木材が満載されていた。宋氏は、「1艘は輸出、もう1艘は輸入ということは、古代海上シルクロードにおいて、雙方向の貿(mào)易が繁栄していたことを裏付けている。これにより南中國(guó)海の航路の歴史が繋がった」とした。

潛水士の操作で、「深海勇士號(hào)」はゆっくりと文化財(cái)に近づいていく。潛水前に、考古學(xué)調(diào)査の専門家はどの文化財(cái)を引き上げるかを決めていた。張氏がその文化財(cái)を確認(rèn)すると、潛水士がロボットアームを操作してそれを摑んでいく。

潛水士が乗るコックピットの外には、ロボットアーム2本が備え付けられており、その先にはロボットハンドが取り付けられている。そのうち1つのハンド部分は柔らかい素材で覆われており、海底に數(shù)百年眠っていた文化財(cái)を細(xì)心の注意を払って摑む。その動(dòng)きはまるでUFOキャッチャーのようで、高い技術(shù)力が求められる。船外に搭載されている高畫質(zhì)カメラはこの有人潛水調(diào)査船が作業(yè)する様子を撮影している。位置測(cè)定の高い精度、高解像度の映像データ、3Dスキャンデータ、物理探査海底測(cè)量データの収集と結(jié)合、レンダリングは、考古學(xué)者が沈沒船遺跡の平面図を描き出す助けとなる。

2023年から2024年にかけて、3段階にわけて考古學(xué)調(diào)査が実施され、海上作業(yè)日數(shù)は70日、潛水回?cái)?shù)は63回に及んだ。海底に眠っている貴重な文化財(cái)928點(diǎn)(セット)は、こうして引き上げられた。それらは膨大な數(shù)の海底の遺物の一部分に過ぎず、さらに多くの文化財(cái)が近い將來引き上げられるのを靜かに待っている。（編集KN）

「人民網(wǎng)日本語(yǔ)版」2025年9月1日