
中國の獨自開発した4500メートル級の有人潛水艇「深海勇士號」は11月30日、正式な検収と引き渡しの作業(yè)を行う。世界をリードする制御システムを備えた同艇は今後30年にわたって海洋科學調査に用いられることになる。
新制御システムの正式版が発表
深海勇士號には、世界で最先端の制御システムが備えられている。しばらく前にはこの制御システムの正式版が発表された。同システムは今後、各種の潛水艇にも応用され、中國が建造中の1萬メートル級潛水艇にも土臺を築くものともなる。制御システムとは、有人潛水艇が知性を備えた生物であるとすれば、大脳や神経系にあたる部分である。さてこのシステムはどれほど「頭が良い」のだろうか。
深海勇士號の制御システムの開発責任者である祝普強氏によると、この潛水艇は、水中でいかなる姿勢を取っていようと前進でき、どのような作業(yè)やホバリングも良好に制御できる。自動車では無人運転や自動運転の発展が話題だが、中國の潛水艇はすでにこの自動操縦能力を備えている。
中國の自主開発する全海域を覆う1萬メートル級深海潛水艇は、2020年には、世界で最も深いマリアナ海溝に潛航することになっている。深海1萬メートルは一面の闇で、溫度は急速に下がり、潛水艇には1平方センチメートルに対して1.1トンの圧力がかかる。3人の乗組員の安全をいかに確保するかが、潛水艇の制御システムの最も重要な課題となる。
まず先進的な衝突防止システムは、潛水艇が深海航行している最中に障害物にぶつかった際の急ブレーキを確保する。さらに潛水艇で水漏れが生じても、油圧システムをシャットダウンすることで潛水艇の主體を守ることができる。

「大海で針をすくう」測位精度
自動操縦や緊急制動、水漏れ防止のほか、新世代潛水艇の制御システムで最も人目を引くのは、「大海から針」をもすくえるというナビゲーションが搭載されていることである。
祝普強氏によると、例えば、海底の熱水地域や冷水湧出域で作業(yè)したり、深海底での栽培を行う際には、設備を現(xiàn)場に設置し、再度または繰り返しこの位置を訪れる必要がある。大海においてその難度はまさに「針をすくう」ほどのものとなる。
3世代の技術革新を経て、新型潛水艇の制御システムは現(xiàn)在、水中でのナビゲーションと測位を実現(xiàn)するまでに発展している。試験潛航を行った乗組員の趙兵氏によると、深海勇士號の22回目の海中潛航では、第19回潛航で設置されたマーカーを見つけることが任務の一つとなった。
潛水艇で最強の「大脳」を開発
有人潛水艇?深海勇士號は開発?建造のすべてを中國人が獨自に行った。制御システムの設計は最も複雑で、國産化の道は険しかった。ある科學者は、川底の石を探りながら川を渡るようなものだったと振り返っている。簡単な操作だけが可能な初代の潛水艇から、最強の「大脳」を持つ現(xiàn)在の潛水艇ができるまで、16年を要した。
祝普強氏によると、第一世代の潛水艇は、プロジェクトの必要を満たすだけのものにすぎなかった。潛水艇の最も簡単な制御だけが必要とされ、移動や作業(yè)、潛航ができれば十分だった。
科學的なニーズを満たすため、第2世代では制御システムに深海地形図が加えられ、潛水艇が深海でも方向を判斷できるようにした。最新世代では、多くの高度な指令や機能が実現(xiàn)され、世界でもトップクラスの潛水艇の「大脳」と「神経」が形成されている。(編集MA)
「人民網(wǎng)日本語版」2017年12月1日
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