庭の水道で手を洗う伊米提?艾山さん（撮影?李亜楠）。

伊米提さんは今年すでに80歳になる。物心ついてから、その暮らしには常に「溜池」が欠かせなかった。至るところに作られた溜池には、出水期に水路の水や雪解け水、雨水が引き入れられ、人と家畜の水源となってきた?！高h(yuǎn)いところだと2キロ以上、近いところでも1キロ近い距離があった。そこから水桶で水を汲んで家まで帰らなければならなかった」と伊米提さんは言う。

溜池の水は滯留水で、人も家畜も飲み、さまざまな物が浮かんでいるため、苦労して汲んできた水もすぐに飲むことはできず、まずはろ過(guò)して不純物を沈殿させなければならない。水の色はまさに千変萬(wàn)化で、赤褐色のこともあれば、緑色になっていることもあった。

そんな水はどんな味がするのだろうか？伊米提さんは眉根を寄せ、「苦いんだよ！青々とした木の葉を噛んだ時(shí)のように苦い。それに飲むとお腹が痛くなる。でも腹痛を繰り返すうちに慣れてしまったよ」と言う。1974年、伊米提さんは溜池の水を飲みすぎて病気になってしまい、70日以上も入院したこともあった。

新疆?ファイザバード県で、村のレストランが設(shè)置した自動(dòng)センサー付きの蛇口（撮影?単坤）。

不衛(wèi)生な溜池の水を長(zhǎng)年飲んでいたため、水系伝染病や風(fēng)土病が頻繁に発生した。そんな溜池の水を、伊米提さんは57年間も飲んできた。ファイザバード県の都市?農(nóng)村飲用水安全管理総合ステーション長(zhǎng)の韓慧傑氏は、「これまで何年も連続で、自治區(qū)の疾病予防管理センターのスタッフがファイザバード県に駐在して活動(dòng)を展開(kāi)してきた」と話す。

1997年、隣の疏勒（ケシケル?イェンギシェヘル）県にある動(dòng)力付きポンプ井戸7本から、伊米提さんの家まで水道管が引かれた。2005年頃、ファイザバード県でもポンプ井戸が30本掘られ、県全域の人々が溜池の水と完全に別れを告げた。

しかし、地下から汲み上げた水道水を飲み始めて何年も経たないうちに、伊米提さんは水がしょっぱくなったことに気づいた。