「見てください。ニワトリたちはここで放し飼いされています。生餌を食べて育つので、産んだ卵はおいしくて栄養(yǎng)たっぷり。殻まで緑色なんですよ」。貴州省長順県鼓揚(yáng)鎮(zhèn)巖上村の林の中で、呉小夢さん（24）は手に卵を1個持ち、スマホの畫面に向かって語りかけ続けていた。呉さんはネットのライブ配信で、故郷の特産品である緑色の殻の卵を紹介している。（文/人民日報道?楊文明）

呉さんの家は地元の貧困登録世帯だ。もともとは春節(jié)（舊正月、今年は1月25日）が過ぎたら地元から離れて働きに出ようと思っていたが、新型コロナウイルス感染癥の影響で予定が狂ってしまった。呉さんが仕事をどうするか悩んでいた時、村駐在第一書記を務(wù)める韋健さんが彼女を訪ねてきて、「スマホとコンピューターを使いこなせるのだから、ネットで村の商品を売ってもらえないか」と頼んだ。

2月初旬、呉さんは村の山で採れる特産品を扱う會社のライブコマース?パーソナリティーになった。その任務(wù)は地元特産の緑色の殻の卵を売ること。初めの頃、呉さんは毎日快手や淘寶などのライブ配信プラットフォームを通じて、この卵の栄養(yǎng)価値を繰り返し紹介していたが、聲が枯れるほどやっても數(shù)パックしか売れなかった。

最初に思うような販売実績が殘せなかった呉さんは、ライブ配信をする場所を変えることにした。毎回農(nóng)家で卵を仕入れる時に、呉さんはいつも撮影機(jī)材を持參し、ニワトリたちが普段どんなものを食べているか、どんなところで飼われているかなどの映像を重點的に撮影した。

しばらく続けてみたところ、呉さんは注文が少しずつ増えていることに気がついた。一番売れた時には、20分で3000元（1元は約15.6円）以上売り上げたこともあった?！杆饯闻湫扭蛲à袱啤⑵焚|(zhì)を直に感じてもらえるようになり、自然とお金を出して買いたいという人が出てきた」と呉さんは言う。

「毎月の基本給は1800元。會社から歩合給も支給される。出稼ぎに行くのと変わらない」と呉さん。ここ數(shù)年、呉さんの家では家族が大病を患い、呉さんと妹はまだ學(xué)校に通っていたため、両親が農(nóng)業(yè)や臨時雇いの仕事で得る?yún)毪扦铣证沥长郡à椁欷胜胜盲郡郡帷⒇毨缼·蔚清hをすることになった。今では、自分が稼いだお金で家族に恩返しができるようになり、呉さんはそれを心の底からうれしく思い、暮らしはますます良くなってきていると感じている。

卵の販売はスタートにすぎない。呉さんは今後も村に殘り、EC一本でやっていくことを決意。故郷のカルシウム豊富なリンゴや天然ハチミツ、菜種油など地元の特産品を販売して、山間に暮らす同郷の人々と一緒に小康（ややゆとりのある）生活へと羽ばたいていこうとしている。（編集AK）

「人民網(wǎng)日本語版」2020年11月9日