美しく、上品なメロディーで、歌詞からは伝統(tǒng)文化の情緒があふれている一方で、そのリズムからはさわやかな現(xiàn)代の息吹を感じることができる。そんな中國伝統(tǒng)文化の要素をふんだんに取り入れた「國風(fēng)音楽」が近年、オンラインだけでなく、オフラインでも次第に人気を集め始め、ますます多くの若者がこうした音楽を視聴するようになっている。音楽配信プラットホーム?酷狗(KuGou)が発表した「2020國風(fēng)音楽報告」によると、2020年、「國風(fēng)」というタグが付いた歌曲の再生回數(shù)は延べ565億6000萬回だった。また、「國風(fēng)ファン」は1108萬4000人で、その70.1%が90後(1990年代生まれ)と00後(2000年以降生まれ)だった。光明日報が報じた。
伝統(tǒng)文化の扉を開ける新たな方法
いわゆる「國風(fēng)音楽」というのは、モダン?ミュージックとクラシック?ミュージックを融合させた音楽の新たなジャンルで、作詞、編曲、メロディー、楽器などの面で、中國伝統(tǒng)文化の要素をふんだんに取り入れている。
そして、多くの「國風(fēng)音楽」が漢詩をモチーフにして作詞されたり、漢詩を巧みに歌詞の中に取り入れていたりしている。ドラマ「甄嬛伝(宮廷の諍い女)」の音楽を例にみてみると、「采蓮」の歌詞には楽府詩「江南」の詩句がたくさん使われている。また驚鴻舞」の歌詞のほとんどは文學(xué)者として有名な曹植の文學(xué)作品「洛神賦」が使われている。
そして「國風(fēng)音楽」のメロディーはとても美しく、物悲しさを感じさせる曲や、流れる雲(yún)や川のように滑らかで抑揚に富む曲もあれば、味わい深く、しみじみとした曲もある。歌手?銀臨(インリン)の「錦鯉抄」や河図(ホー?トゥー)の「傾盡天下」、李玉剛(リー?ユーガン)の「清明上河図」などがこうした國風(fēng)音楽の代表作と言えるだろう。また、メロディーに京劇の「京腔」という節(jié)回しの要素を取り入れた「國風(fēng)音楽」もある。例えば、李玉剛の「新貴妃醉酒」は、京劇の音楽の特徴をモチーフにし、伝統(tǒng)文化の情緒を色濃く漂わせている。
さらに音楽は、「聴覚アート」と言われるが、「國風(fēng)音楽」は、耳で楽しむことができるだけでなく、歌詞を聞いて頭に浮かび上がってくる映像を楽しむこともできる。中國語の表意の特徴を生かし、「國風(fēng)音楽」の歌詞には、小さな橋や流れる水、冷たい月明り、赤いろうそくの光、緑の山などが出てくる?!竾L(fēng)音楽」に登場するものを全て描き出したなら、生き生きとした「絵畫」が出來上がるだろう。音楽を聴きながら、人々はイメージを膨らませ、情緒あふれる世界に自分の身を置いているかのような気分に浸ることができるのだ。
詩詞の韻律を生かした歌詞にしても、伝統(tǒng)演劇の要素を取り入れたメロディーにしても、「國風(fēng)音楽」のベースとなっているのは優(yōu)れた中華伝統(tǒng)文化だ?!竾L(fēng)音楽」を聴いたり、口ずさんだりしたりするというのは、伝統(tǒng)文化の扉を開ける新たな方法なのだ。ファンがますます増加していくにつれて、「國風(fēng)音楽」の影響力もますます拡大し続けている。モダン?ミュージックとクラシック?ミュージックを融合させた「國風(fēng)音楽」は現(xiàn)在、青少年と伝統(tǒng)文化を結(jié)ぶ架け橋となっている。
若者好みのポップな要素も取り入れた「電子國風(fēng)」
歌詞は漢詩をモチーフにしているものの、書き言葉のように難解ではない。そしてそのメロディーは伝統(tǒng)演劇の要素を取り入れているものの、演劇のようなマニアックなメロディーではない。伝統(tǒng)を継承すると同時に、今の時代の要素も大膽に取り入れた「國風(fēng)音楽」は、フレッシュなジャンルとなり、ますます多くの若者の間で人気を集めるようになっている。
2017年、女性アイドルグループ?SING女団が「電子國風(fēng)」というジャンルを開拓して、「寄明月」や「如夢令」といった大ヒット曲が生まれた?!鸽娮訃L(fēng)」は、ポップミュージックやロックンロール、リズム?アンド?ブルース(R&B)、スローミュージックなどのスタイルをベースに、民族的要素を加え、中國の伝統(tǒng)的な音楽の要素と、近代的でオシャレな特徴を兼ね備えた新たな音楽のジャンルとなっている。
「國風(fēng)音楽」は當(dāng)初、「クラシックな楽曲」と呼ばれるマニアックなジャンルで、琵琶や古箏といった民族楽器を使うのがその特徴だった。しかし、その後、ポップミュージックや民謡、ワールドミュージックといったジャンルの特徴の一部も取り入れ、そのスタイルやテーマは一層バラエティに富むようになった。古典の故事や神話などをテーマにしたり、西洋のアコースティックギターやドラム、エレクトリックベースと、中國の伝統(tǒng)楽器の大鼓や二胡、古箏などを、臨機応変に組み合わせたりして使用している。例えば、歌手?戴荃(ダイ?チュエン)の「悟空」は、ポップミュージックのメロディーに伝統(tǒng)演劇の節(jié)回しを組み合わせ、ピアノや二胡、ドラムといった中國と海外の楽器をコラボさせている。そしてクラシック、伝統(tǒng)、ポップカルチャーの要素が見事に一つになっている。このように「國風(fēng)音楽」は全く新しいジャンルでありながら、伝統(tǒng)の「種」も人々の心にまいている。
音楽の垣根を超えた分野とのコラボも、「國風(fēng)音楽」がポップで、包摂?shù)膜扦ⅳ毪长趣蚴兢筏皮い搿@à?、「國風(fēng)音楽」は映畫?ドラマとコラボし、「涼涼」や「不可説」といった、大ヒット作品を生んでいる。また、オンラインゲームとコラボし、「琉璃月」や「浮生未歇」、「仙剣問情」、「月光」といった人気作品が生まれた?!竾L(fēng)音楽」の歌手は現(xiàn)在、各種アニメフェスティバルの「常連客」とさえなっている。(編集KN)
「人民網(wǎng)日本語版」2021年9月30日
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