中國(guó)科學(xué)院吐魯番（トルファン）砂漠植物園は、世界で唯一の海面より低い位置にある植物園だ。ここはかつて不毛の砂漠地帯で、科學(xué)研究者が40年以上かけて努力を重ねた結(jié)果、現(xiàn)在のように耐塩性と耐乾性を備えた乾生植物500種類(lèi)以上が茂る場(chǎng)所となっている。人民日?qǐng)?bào)が報(bào)じた。

現(xiàn)在、砂漠植物園となっている場(chǎng)所は、20世紀(jì)は砂漠で、風(fēng)食によって砂漠化した約6000ヘクタールの土地が周辺の生産や生活エリアを脅かす砂嵐の発生源となっていた。中國(guó)科學(xué)院新疆維吾爾（ウイグル）自治區(qū)生態(tài)?地理研究所の研究員?潘伯栄氏によると、毎年春になると、トルファンは砂嵐に襲われ、農(nóng)業(yè)に深刻な被害をもたらしていた。「初めは、植物園を作るためにトルファンに來(lái)たわけではない。當(dāng)時(shí)は、地元政府の要請(qǐng)を受けて、砂漠緑化のために來(lái)た。砂漠緑化の成果が出始めてから、植物園にする計(jì)畫(huà)が次第に形になり始めた」という。

実地調(diào)査や國(guó)內(nèi)の調(diào)査研究を通して、現(xiàn)地の気候や土壌、飛砂の特徴に合わせて、科學(xué)研究者は中國(guó)西北エリアの各砂漠地帯から砂丘を固定するための植物を?qū)毪肥激幛?。そして、沙拐棗（タデ科植物）、ハロキシロ?アンモデンドロン、タマリクス?ラモシッシマ、コトカケヤナギといった、強(qiáng)風(fēng)に強(qiáng)く、砂丘を固定する作用があり、耐乾性を備えた?jī)?yōu)良植物10種類(lèi)以上の育成に少しずつ成功していった。計(jì)畫(huà)と設(shè)計(jì)を経て、科學(xué)研究者は1975年に、広範(fàn)囲に設(shè)置した砂丘を固定する人工低木林の中の土地を選んで、新疆ウイグル自治區(qū)で初の植物園としてトルファン砂漠植物園を設(shè)置し、乾燥した砂漠地帯の各種植物をさらに良い狀態(tài)で導(dǎo)入、収集し、その繁殖と育成に取り組むことにした。

劣悪な環(huán)境における試行錯(cuò)誤を経て、植物園の中の動(dòng)植物も次第に豊かになっていった。砂漠化が防止されたことで、土地は少しずつ生活に適した場(chǎng)所へと変わり、植物園にあるテラスに立つと、周?chē)欷窃耘啶丹欷皮い毳芝丧Δ?、移転してきてそこで暮らしている住民たちの姿を?jiàn)ることができるようになった。中科院新疆ウイグル自治區(qū)生態(tài)?地理研究所の補(bǔ)佐研究員?王喜勇博士は、「それら全ては、數(shù)十年かけて砂丘を固定してきた成果だ」と胸を張る。

王博士によると、植物園では現(xiàn)在、500種類(lèi)以上の植物が導(dǎo)入、栽培されており、そのうち砂漠地帯特有の希少?絶滅危懼植物が約60種類(lèi)となっている。そして、常溫?低溫生殖質(zhì)資源バンクが構(gòu)築され、乾生植物の生殖質(zhì)資源600種類(lèi)以上、3500點(diǎn)が長(zhǎng)期にわたって効果的に保存されている。また植物園は、砂漠地帯でも育つ特用果樹(shù)ガーデンや砂漠地帯の野生観賞用植物ガーデン、タマリクス?ラモシッシマガーデンなど、特殊な植物を種類(lèi)分けした12ガーデン（エリア）を設(shè)置している?！弗去毳榨ˉ笊澳参飯@は、中國(guó)において域外保全されている乾生植物資源が最も多い植物園だと言える。砂丘を固定する植物のほか、薬用植物もある。人工栽培技術(shù)を開(kāi)発し、野生の植物を掘り起こす必要はなくなったので、薬草を掘り起こしたことが原因で砂漠化してしまうということも少なくなる」という。

トルファン砂漠植物園は、設(shè)置當(dāng)初から「科學(xué)研究により植物園発展を促進(jìn)する」というスタイルを採(cǎi)用してきた。砂漠地帯で育つ植物數(shù)百種類(lèi)が中國(guó)科學(xué)院トルファン砂漠植物園に運(yùn)ばれると、まず科學(xué)研究者が優(yōu)良品種を選んで育成し、それがまた中國(guó)北方エリアの砂漠緑化や砂漠化防止の第一線の現(xiàn)場(chǎng)へと運(yùn)ばれていく。

中國(guó)最大の砂漠「タクラマカン砂漠」を見(jiàn)ると、タマリクス?ラモシッシマやハロキシロン?アンモデンドロン、沙拐棗（タデ科植物）といった砂丘を固定する植物が、砂漠を南北に縦斷する道路の沿線に茂っており、飛砂により道路に砂が堆積するという問(wèn)題を効果的に防止している。砂漠を貫く道路としては世界最長(zhǎng)のこの道路では、2005年に436キロ全線で緑化が完了し、防砂林が砂漠に命の息吹を與えている。それらは全てトルファン砂漠植物園で厳選された植物だ。

トルファン砂漠植物園は、導(dǎo)入と栽培に成功した乾生植物資源を開(kāi)発し、「三北」防護(hù)林プロジェクトや砂漠化防止?砂漠緑化プロジェクト、農(nóng)地における耕作を放棄し、植林、植樹(shù)する退耕還林?還草プロジェクト、砂漠道路防護(hù)林プロジェクト、乾燥帯都市防護(hù)緑地建設(shè)プロジェクトなどに、乾生植物の苗木百萬(wàn)株以上、種50トン以上を提供し、砂漠化防止?緑化促進(jìn)、砂産業(yè)の発展に多大な貢獻(xiàn)を果たしてきた。

科學(xué)研究者は現(xiàn)在、その目を遺伝子研究に向けるようになっている。トルファン砂漠植物園の張道遠(yuǎn)園長(zhǎng)は、「乾生植物の耐乾性、耐塩性遺伝子を抽出し、ゲノム編集を通して、農(nóng)作物栽培に活用している。綿花栽培研究の面ですでに成果を挙げており、実験畑での応用がかなり進(jìn)んでいる」と説明する。（編集KN）

「人民網(wǎng)日本語(yǔ)版」2022年5月20日