午後3時(shí)、青海省の可可西里（フフシル）では、高原に降り注ぐ太陽の光にやや暖かさが感じられ始める。チルー（チベットカモシカ）が餌を探すピークにあたるこの時(shí)間帯に、卓乃湖畔に歩き方がややぎこちない「チルー」が姿を現(xiàn)した。その足取りは軽やかではなく、體つきもややふっくらとしている。新華社が伝えた。

草を食べていたチルーたちは、この新しくやって來た「仲間」に興味津々の様子で、次々と餌探しをやめ、顔を上げてこの少し変わった「新入り」を観察し始めた。警戒心が強(qiáng)く臆病なチルーたちだが、この「新入り」の「扮裝感」に驚いて逃げ出すことはなかった。やがて、この一風(fēng)変わった「チルー」は群れに受け入れられ、卓乃湖畔に集う數(shù)萬頭ものチルーたちの一員となった。

この一幕に登場した一風(fēng)変わった「チルー」は、実は誕生したばかりの「ロボットチルー」だ。

チルーに代表される希少種は、青蔵高原（チベット高原）の生態(tài)系を示す重要な指標(biāo)だ。毎年夏になると、數(shù)萬頭の雌のチルーが、出産と子育てのために可可西里無人地帯の卓乃湖畔などに集まる。

今回のプロジェクトに參加した中國科學(xué)院西北高原生物研究所の連新明研究員は、「この初めて可可西里の奧地に登場した『ロボットチルー』は、人類による野生動(dòng)物観察調(diào)査における従來の距離的制約を突破し、中國におけるチルーの行動(dòng)研究に対し、より正確で信頼性の高い映像とデータを提供することになる。こうすることで、このいわゆる『生命の生存に適さない地域』の希少な野生動(dòng)物と自然環(huán)境を守る力になる」と述べた。

この「ロボットチルー」の技術(shù)ソリューションを擔(dān)當(dāng)した杭州雲(yún)深処科技公司と、外観のリアルな造形を手掛けた蘇州白鹿鳴チームの関係者によれば、今回の任務(wù)では、「ロボットチルー」は可可西里の開けた地域で最大2キロメートルの操縦距離を?qū)g現(xiàn)し、傾斜や段差、ぬかるんだ濕地などの障害を比較的余裕をもってクリアした。さらにチルーの群れにうまく溶け込み、近距離での観察調(diào)査や無干渉撮影を行うことに成功したことにより、車両や人間によるチルーへの干渉や驚かせることを避けられたという。（編集ES）

「人民網(wǎng)日本語版」2025年8月15日