飛行機(jī)の「皮膚」はどれほどの厚さだろうか？ 答えは、最も薄い部分でわずか1ミリ余りだ。人民網(wǎng)が伝えた。

フライスカッターとサポート裝置が機(jī)體の外板の同じ一點(diǎn)を両側(cè)から正確に狙うと、瞬く間に銀色の切りくずが水しぶきとともに舞い上がり、外板に鮮明な模様が浮かび上がり、正確な厚さに仕上がる。先日、四川省成都市新都區(qū)にある成都辰飛智匠科技有限公司の工場(chǎng)で、筆者は飛行機(jī)外板の製造現(xiàn)場(chǎng)を目にした。それはまるで飛行機(jī)の「皮膚」に0.1ミリ単位の精密な「ピーリング」を施すような光景だった。

飛行機(jī)の外板。撮影?王波

同社の石璟社長(zhǎng)は、「外板とは、飛行機(jī)の『骨格』を覆う金屬の殻で、飛行機(jī)の『皮膚』に當(dāng)たるものだ。外板の厚さは通常3ミリから6ミリ、最も薄い部分は1ミリ余りにすぎない。一見(jiàn)、普通の金屬板と変わらないが、強(qiáng)度?精度?重量?荷重に極めて厳しい要求が課される。當(dāng)社の仕事は、原材料を研磨?彫刻などで加工し、所定の厚さと模様を持つ外板を仕上げることだ」と語(yǔ)る。

1枚の『皮膚』の大きさはどれほどか？

石氏は、「客室ドアは小さい方で、後部胴體の外板はもっと大きい。薄く、大きく、しかも高強(qiáng)度――これが外板の特徴であり、加工上の最大の難點(diǎn)でもある。刃物で力を加えると、荷重點(diǎn)の周?chē)欷瑝湫韦筏浃工?、精度を正確にコントロールできなくなる」と説明。

石氏はさらに、「そのため、従來(lái)は外板加工に化學(xué)フライス加工を多用してきた?；瘜W(xué)腐食作用で金屬表面を除去することで、力による変形を避けていた。しかし化學(xué)フライスは時(shí)間がかかり、工程も複雑で、使用済みの廃液処理という環(huán)境問(wèn)題も抱える。また、精度も0.3ミリ程度にとどまっていた」と言う。

2022年、同社は13億8千萬(wàn)元（1元は約20.6円）を投資して上海拓璞のミラーフライス加工技術(shù)を?qū)毪贰?臺(tái)のミラーフライス加工設(shè)備を備えた生産ラインを構(gòu)築。當(dāng)時(shí)中國(guó)最大規(guī)模のミラーフライス加工クラスターを形成し、大型外板のミラーフライス加工技術(shù)のライン生産と実用化に成功した。

石氏は、「ミラーフライス加工とは、外板の両側(cè)に同時(shí)にフライスカッター裝置とサポート裝置を當(dāng)てる加工方法だ。両裝置は『針』と『指ぬき』のような関係で、この仕組みにより力による変形で精度が落ちるという問(wèn)題を解決できる。従來(lái)の化學(xué)フライス加工に比べ、ミラーフライス加工は外板を一度で成形でき、工程を省き、時(shí)間を大幅に節(jié)約できる。デジタル技術(shù)によって、加工精度は0.1ミリレベルにまで高まり、物理加工方式であるため環(huán)境負(fù)荷も少ない」と述べた。

0.3ミリから0.1ミリへ――この0.2ミリの精度差にはどんな意味があるのか？

石氏は、「機(jī)體全體の外板は數(shù)百から數(shù)千平方メートルに及ぶ。見(jiàn)た目には0.2ミリの差にすぎないが、1機(jī)の飛行機(jī)全體で換算すると100キロ超の重量差になることもある。グラム単位で重量を管理する航空機(jī)にとって、これは小さな數(shù)字ではない?，F(xiàn)在、ミラーフライス加工は柔軟で薄い外板部品の精密製造に対応する最新技術(shù)であり、世界でもこの裝置を生産できる企業(yè)はわずか3社、その一つが中國(guó)のものだ」と語(yǔ)る。

石氏は最後に、「國(guó)産大型旅客機(jī)の量産時(shí)代が到來(lái)しており、當(dāng)社は國(guó)産機(jī)胴體外板をターゲットに、現(xiàn)段階でC919をはじめとする旅客機(jī)の量産需要に応えられる。すでに當(dāng)社の國(guó)産旅客機(jī)用外板初號(hào)品が納入され、検収に合格した」と説明。

四川省の経済業(yè)績(jī)によれば、今年上半期、航空宇宙機(jī)器製造業(yè)は14.7％の成長(zhǎng)を遂げ、力強(qiáng)い成長(zhǎng)の原動(dòng)力を示している。（編集ES）

「人民網(wǎng)日本語(yǔ)版」2025年8月19日