10月、雲(yún)南省のコーヒー収穫期が間もなく到來する。中國とミャンマーの國境に位置する瑞麗市の雲(yún)南省徳宏熱帯農(nóng)業(yè)科學(xué)研究所（以下、「雲(yún)南省徳宏熱科所」）は、中國コーヒーの「半導(dǎo)體工場」と稱され、58年にわたる研究開発を経て、コーヒーの遺伝資源を1100點(diǎn)余り保存している。これにより、中國のコーヒー産業(yè)は「遺伝資源の依存」から「種源の自立」へと移行するための堅(jiān)固な支えを得た。中國新聞網(wǎng)が伝えた。

10月1日、雲(yún)南省徳宏熱科所で育てられたコーヒーの枝には実が鈴なりになっていた。撮影?羅婕

徳宏傣（タイ）族景頗（チンポー）族自治州は北回帰線の南側(cè)に位置し、「冬は暖かく夏は涼しく霜が降りない」という気候に恵まれ、コーヒーの栽培に理想的な環(huán)境として「中國のコーヒーの里」と呼ばれている。早くも18世紀(jì)初めにはすでに中國とミャンマーの國境を行き來する商人や婚姻をする人々によってコーヒーの種が徳宏に持ち込まれ、1980年代には雲(yún)南省の主要なコーヒー産地の一つとなった。

雲(yún)南省徳宏熱科所は1967年から中國內(nèi)外のコーヒー遺伝資源の収集と保存に取り組み、2009年には同研究所の「コーヒー遺伝子バンク」が農(nóng)業(yè)農(nóng)村部（?。─摔瑜辍弗畅`ヒー遺伝資源圃」として認(rèn)定された。さらに19年には「國家熱帯植物遺伝資源バンクコーヒー遺伝資源サブバンク」として登録され、中國國內(nèi)で最も種類が多く、數(shù)も豊富なコーヒー遺伝資源を保有する資源圃となった。

雲(yún)南省徳宏熱科所副所長の白學(xué)慧氏は、「私たちは遺伝資源の革新、品種育成、技術(shù)體系という三大ボトルネックを突破し、コーヒー種子産業(yè)の獨(dú)自イノベーション體系を構(gòu)築した。當(dāng)所が育成した優(yōu)良品種數(shù)は全國1位で、これまでに推進(jìn)面積は約6.7萬ヘクタールを超え、中國全土のコーヒー栽培面積の約8割を占めている。その栽培範(fàn)囲は広西壯（チワン）族自治區(qū)、広東省、海南省などの地域にも拡大している」と説明。

10月1日、コーヒーの生育狀況を確認(rèn)する雲(yún)南省徳宏熱科所副所長の白學(xué)慧氏。撮影?羅婕

特筆すべきは、近年、同研究所が組織培養(yǎng)および接ぎ木技術(shù)の研究で成果を上げ、小粒種コーヒーの雑種F1系統(tǒng)における高効率な組織培養(yǎng)體系を確立したことだ。これにより、優(yōu)良な新品種の大規(guī)模普及に向けた技術(shù)的基盤が整った。

國慶節(jié)（10月1日）の連休中も、研究者たちは畑に足を運(yùn)び、抗さび病性コーヒーの苗を一本一本観察し、水やりや管理に勵(lì)んでいる。白氏は、「コーヒー自體が國際交流の特性を持っている。1990年代以降、當(dāng)所は國際協(xié)力を展開。ケニアコーヒー研究所との交流で遺伝資源を?qū)毪贰ⅴ荪毳去毪违畅`ヒーさび病研究センターと協(xié)力し、複數(shù)回の相互訪問と技術(shù)研修を?qū)g施。さらに、ベトナム、ミャンマー、タイなど東南アジア諸國の研究機(jī)関とも協(xié)力関係を築き、同地域におけるコーヒー育種技術(shù)の向上を推進(jìn)している」と話す。

雲(yún)南省徳宏熱科所が育成したコーヒー品種の展示。撮影?羅婕

現(xiàn)在、「中國の半導(dǎo)體」を搭載したコーヒーは、國境地帯の農(nóng)家に増収の恩恵をもたらしている。白氏は、「24年の雲(yún)南産コーヒーの生豆の平均買い取り価格は1キログラム當(dāng)たり約10元（1元は約21.3円）で、1ムー（約6.7アール）當(dāng)たりの収入は約8000元に達(dá)する。過去3年間近くで、當(dāng)所が育成した良種を栽培する地元の農(nóng)家は、コーヒー豆販売によって計(jì)31億8500萬元の収入を達(dá)成した」と説明。（編集YF）

「人民網(wǎng)日本語版」2025年10月13日