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今なお新たな章を切り開く千年の歴史誇る敦煌の石窟

人民網(wǎng)日本語版 2025年12月09日13:40

中國古代の人々は、敦煌について「大きく、盛ん」と書き記している。西暦366年から造営が始まった敦煌の「莫高窟」には中華民族の知恵が詰まっており、古代シルクロードの多様な文明交流と相互參考を裏付けており、中國國內(nèi)外の數(shù)多くの學(xué)者や蕓術(shù)家が是非行ってみたいと憧れる場所となっている。人民日報(bào)海外版が伝えた。

奧深い歴史を誇る敦煌は今、さらに活気ある姿を見せ、現(xiàn)代においても幅広く共感と反響を集めている。

歴史ある石窟をデジタル化

長い歴史を誇る石窟が、時(shí)を経ても、その姿を美しいまま保ち続けるには、どうすべきか?敦煌研究院は模索を経て、デジタル化と情報(bào)化などの技術(shù)を活用して、莫高窟に「デジタルの命」を吹き込むことによって、恒久的な保存と永続的な利用を?qū)g現(xiàn)するという答えにたどりついた。

數(shù)十年の模索を経て、敦煌研究院は2016年、「デジタル敦煌」資源バンクを開設(shè)し、翌2017年には、英語版も公開。30の洞窟の壁畫の高畫質(zhì)畫像やパノラマ式映像の世界に向けたシェアを?qū)g現(xiàn)している。現(xiàn)時(shí)點(diǎn)までに資源バンクのアクセス回?cái)?shù)は延べ2300萬回を超え、ユーザーは78ヶ國?地域をカバーしている。その後、「デジタル敦煌開放素材ライブラリ」や「デジタル蔵経洞」、「敦煌學(xué)研究文獻(xiàn)ライブラリ」なども相次いで公開された。デジタル化は、保護(hù)と観光の間に存在する矛盾を効果的に改善しているほか、敦煌文化と蕓術(shù)資源の世界に向けたさらに幅広いシェアの実現(xiàn)をバックアップしている。

敦煌研究院の副院長を務(wù)める、文化財(cái)デジタル化研究所の兪天秀所長によると、「現(xiàn)時(shí)點(diǎn)で、同研究院は、300の洞窟のデジタル化に向けたデータ収集、200の洞窟のデータ処理、212の洞窟の空間構(gòu)造、45體の彩塑、16ヶ所の大規(guī)模遺跡の3次元復(fù)元、5萬枚以上の歴史ある公文書のフィルムのデジタル化を完了させた。データ規(guī)模は合わせて500TB以上に達(dá)している」という。

デジタル空間では、敦煌の文化財(cái)を見ることができるだけでなく、インタラクティブな體験も楽しめるようになっている。2023年に公開された「デジタル蔵経洞」では、デジタルツインといった技術(shù)を活用して洞窟と所蔵文化財(cái)が復(fù)元されており、指を動かすだけで、ユーザーは異なる時(shí)代にタイムスリップして、敦煌文化を沒入型で體験できる。

國連教育科學(xué)文化機(jī)関(ユネスコ)東アジア?マルチセクター地域事務(wù)所のシャバズ?カーン所長は、「中國は、文化遺産保護(hù)の面で見事な成果を挙げており、伝統(tǒng)技術(shù)と先端テクノロジーを組み合わせ、デジタル化というスタイルで、莫高窟を含む遺跡を記録し、世界遺産保護(hù)事業(yè)に模範(fàn)を示している」と評価している。

伝統(tǒng)的な図案がオシャレの要素に

中國は禮儀文化の豊かさから「夏」と讃えられ、その衣裝の美しさから「華」と呼ばれる。また「衣冠上國」と稱されたように、中國では古代から、禮儀や衣裝の美が非常に重視されてきた。敦煌の莫高窟の美しい壁畫や彩塑も、多様な文明の服飾蕓術(shù)における「対話」と「融合」を體現(xiàn)しており、今日の服飾デザインにインスピレーションを與えている。

中國伝統(tǒng)文化と近代アートデザインを組み合わせるアプローチ模索に盡力している清華大學(xué)美術(shù)學(xué)院の張寶華教授は、「敦煌は伝統(tǒng)と現(xiàn)代を繋ぐ架け橋」との見方を示す。そんな張教授は2003年、敦煌、西安、洛陽などを巡り、シルクロード関連の大量の歴史資料を集め、「シルクロードの旅」シリーズのシルクスカーフの制作を始めた。

「藻井(裝飾を施された天井)」の図案や飛天(天女)、植物、建物の裝飾、及び物語仕立てのシーンなどは、どれもデザインのモチーフにしている敦煌の要素」と話す張教授は、敦煌の要素の特徴を殘しながら、近代的なデザインの構(gòu)成スタイルを採用し、脫構(gòu)築と再構(gòu)築を進(jìn)め、歴史を感じさせる雰囲気を漂わせながらも、現(xiàn)代の美的センスにもマッチした作品を作り上げている。張教授は、「シルクは、中華文明の重要な媒體で、敦煌蕓術(shù)をシルクスカーフで表現(xiàn)すると、伝統(tǒng)文化がさらに身近な存在になり、中國國內(nèi)外の人々がより理解しやすくなり、さらに愛される存在となる」との見方を示している。

そして、「優(yōu)れた伝統(tǒng)文化の良さを守りながら、時(shí)代に合った新しい表現(xiàn)方法も生み出さなければならない」としている。

北京服裝學(xué)院?敦煌服飾文化研究?革新的設(shè)計(jì)センターの崔巖?執(zhí)行主任は、「敦煌文化は、創(chuàng)作する上でアートの寶庫となっている。當(dāng)センターは、學(xué)術(shù)研究をベースとして、敦煌の要素を、小中高校の制服や絨毯などのデザインに取り入れている。2022年、當(dāng)センターのチームは、敦煌の飛天をモチーフにして、中國の伝統(tǒng)文化を取り入れた中國風(fēng)スタイルのバーチャルヒューマン?デジタルヒューマンをデザインした。また、今年初め、人気オンラインゲームの巳年をテーマにしたアイテムを開発し、1千年以上の歴史を誇る敦煌文化を現(xiàn)代の人が受け入れられるファッショナブルなコンテンツに仕上げた。當(dāng)センターは今後も、學(xué)術(shù)を深く研究することをベースに、敦煌文化が現(xiàn)代の人々の生活に溶け込むよう取り組んでいく」とした。

文化遺産と現(xiàn)代文明の調(diào)和?共生

1981年、敦煌の莫高窟の第257窟に描かれた壁畫「鹿王本生図」を題材にしたアニメーション映畫「九色鹿」が公開され、多くの70後(1970年代生まれ)の子供の頃の思い出となっている。そして、今では、実際に洞窟に行って、「九色鹿」と記念寫真を撮影することが、10後(2010年以降生まれ)の間で人気となっている。

九色鹿や飛天、藻井といった敦煌文化のたくさんの要素が近年、イラストや文化クリエイティブグッズ、イベントなどを通して、人々の日常生活に溶け込むようになっている。

「人気となっている敦煌の要素は非常に多い。要素をどのように発見するかが鍵だ」と話す西北工業(yè)大學(xué)文化遺産研究院の趙暁星教授は以前、敦煌研究院に10年以上勤務(wù)し、若者の間で人気となった「天龍八部」の盲盒(ブラインドボックス)や敦煌がテーマの日めくりカレンダーといった文化クリエイティブグッズのデザインと開発に関わった。そんな趙教授は、「文化クリエイティブグッズを開発するためには、まず、敦煌文化を深く研究して、それを理解しなければならない。次に、ユニークなスピリッツを探し、多くの人が好む革新的な方法でそれを表現(xiàn)して、敦煌の要素を『リノベーション』しなければならない」と説明する。

そして、「敦煌の歴史は長いものの、現(xiàn)代にも通じている。敦煌の壁畫には、麥を収穫して脫穀したり、楽しく泳いだり、山の中を散策したり、ピクニックに出かけて景色を楽しんだりといった、多種多彩な生活のシーンが描かれている。それらは、現(xiàn)代の人々に、しっかりとした感情的繋がりを感じさせる」とする。

沒入型公演「楽動敦煌」は、莫高窟の壁畫に描かれている楽しく踴るシーンを生き生きと再現(xiàn)している。また、ミュージカル「受到召喚?敦煌」は、若々しいスタイルで、敦煌の物語を表現(xiàn)し、書籍及びショート動畫の「敦煌歳時(shí)節(jié)令」は、二十四節(jié)気の文化の鼓動を描いている。このように、敦煌文化は現(xiàn)在、今の時(shí)代の中で育まれて新しい花を咲かせている。

ユネスコのChair on Cultural Heritage Lawの責(zé)任者?Stavros Katsio氏は、敦煌の文化遺産保護(hù)研究における成果について、「敦煌では、文化遺産と現(xiàn)代文明の本當(dāng)の意味での調(diào)和と共生が実現(xiàn)している」と高く評価している。

西北師範(fàn)大學(xué)の特任教授を務(wù)める、敦煌研究院の研究者?趙聲良氏は、「敦煌は、保護(hù)や研究、発揚(yáng)といった面で模索を続けている。最終的には、私たちが今いるこの時(shí)代の文化と文明を生み出さなければならない」との見方を示す。

天衣を翻しながら舞う飛天がスマホの畫面に現(xiàn)れ、アンティークな模様が生活空間に花を添えるなど、砂漠で「輝く寶石」と稱される敦煌は今、時(shí)空を超えたバイタリティを発揮している。(編集KN)

「人民網(wǎng)日本語版」2025年12月9日

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