日本映畫「リトル?フォレスト」は、大都市を離れ、生まれ故郷の大自然に囲まれた小さな集落?小森に住むいち子を主人公とした物語だ。同作品はほとんどが畑か臺所のシーンで、戀愛をめぐる葛藤もなければ、複雑な恩讐や人間関係もない。このような文蕓作品が、中國では公開されていないにもかかわれらず、ネット上で大人気になっている。（文：陳沐。文匯報掲載）

「リトル?フォレスト」を中國の人気グルメドキュメンタリー「舌の上で味わう中國（原題：舌尖上的中國）」にかけて、「舌の上で味わう日本」だという聲もあり、「いち子が料理を通して、母親との溝を埋めていく」姿に注目している人もいる。筆者が注目したのは、日本の農(nóng)村の人々が畑や食卓で表す、生態(tài)環(huán)境に対する敬意だ。

同作品では、入念に耕作する伝統(tǒng)的な農(nóng)業(yè)の仕方が崇められている。作品全體はいち子が作る美食を中心にしているものの、その食材を栽培したり収穫したりする過程は、単なる「料理」の領(lǐng)域を完全に超えている。春に田植えをし、夏には田んぼの世話や畑仕事をし、秋にそれらを収穫して、冬に備えるという過程が詳しく描かれており、農(nóng)業(yè)関連のチャンネルのノンフィクション番組を見ているかのように感じた。

中國と同じで、日本の農(nóng)村も高齢化や過疎化などの問題に直面している。多くの若者が生まれ故郷を離れて大都市に向かっている。そして、伝統(tǒng)の農(nóng)家の生活や食習(xí)慣などが大きく変化している。そのような変化が、人々が身心のバランスを崩す原因になっていることに気付いている人々もいる。そのような人は、食べ物という観點からその傾向を見つめ直し、「マクロビオティック」という観念を宣伝している。日本の正食協(xié)會の代表取締役の岡田恒周氏は以前中國で「マクロビオティック」に関する講演を行ったことがある?！弗蕙恁鹰匹％氓工趣いΔ韦?、食育で著名な明治時代の薬剤監(jiān)であり醫(yī)者であった石塚左玄の食物に関する陰陽論を基盤にし、その體系に、桜沢如一が陰陽の理論を交えた概念で、大自然と一體になることを目指した食物療法である。「マクロビオティック」は、「健康による長壽」、「偉大な生命」などといった意味で、同概念が歐米に伝わった後、ドイツのクリストフ?ヴィルヘルム?フーフェラントが「長壽法」という意味合いで使いはじめた言葉だ。大自然の規(guī)律の中で、自分らしさを十分に発揮する一種のライフアートだといえる。