前半はやや淡々と進(jìn)み、殺人事件を捜査する松宮と、その従兄で日本橋署の刑事である加賀恭一郎がタッグを組む姿も機(jī)械的にすら見(jiàn)える。しかし、捜査が行き詰った時(shí)に、あることをきっかけに、加賀は突然その事件と失蹤した母に関する謎とを直結(jié)させることになる。そして、少しずつ真相が明らかになるにつれて、ストーリーは、事件の解決から家族愛(ài)へとその中心が移っていく。加賀恭一郎の運(yùn)命と知り合いの淺居博美の運(yùn)命が、一歩ずつ交錯(cuò)し、その真相が少しずつ暴かれていく。世界は小さいもので、実際には運(yùn)命で繋がっていた二人をめぐる、30年間暴かれることのなかった「謎」が解き明かされていく。

一見(jiàn)、淺居博美と加賀は親に愛(ài)されず孤獨(dú)を抱えて育ったように見(jiàn)えるストーリーだ。淺居の母親は、父親の印鑑を使って巨額の借金をし、博美と父親はやくざから逃げる生活を強(qiáng)いられた。一方で、加賀の母親も彼が10歳の時(shí)に突然失蹤し、遺影と遺灰との対面というかたちで再會(huì)を果たす。身勝手な二人の母親が、子供がさみしさを感じて生きる根本的な原因だ。二人の父親も子供との関係が複雑で、博美の父親は自殺し、加賀の父親は彼と険悪な関係のまま死んでしまった。

二人の家庭から、人間のずるさと溫かさ両方を感じることができる。博美の母親は金品や忠雄名義の口座の金を持ち逃げし、浮気相手に金をつぎ込み、さらに、夫名義で巨額の借金をし、夫と子供を苦しい生活に追い込む。一方の加賀の父親は、仕事だけに沒(méi)頭して家族を顧みず、親戚からいじめられている妻を守ることもしない。自己中心的な親が、その2つの家庭の「?jìng)工胃镜膜试颏?、子供の人生に決して消えることのない後遺癥を殘してしまう。しかし一方で、子供を守るために、一人で家を出て、孤獨(dú)でつらい生活を耐え忍んだ母親の姿や、子供のために罪を犯し、自殺しようとする父親の姿を見(jiàn)ることもできる。それぞれの親が、そのように子供のために「無(wú)私」の気持ちで犠牲を払い、傷つけた子供に少しでもできることをしようとする。

複數(shù)の殺人事件を調(diào)査し、関連のあるその真相に、主人公が推理しながら少しずつ近づくにつれて見(jiàn)えてくるものは、「殺人」という行為の冷淡さ、無(wú)情さではなく、親としての責(zé)任や犠牲で、法律上の殺人犯というのは、家族愛(ài)という倫理上の古い道徳を守る人なのかもしれないという點(diǎn)だ。2つの家庭、2世代の人をめぐる謎が解明されるにつれ、「自己中心的な精神は、家族の崩壊、殺人にさえつながり、幸福のためには無(wú)私の気持ちが必要である」というテーマ、さらに、愛(ài)を守るための犠牲、代価、そしてそれらの偉大さが浮かび上がってくる。

加賀恭一郎を演じている俳優(yōu)の阿部寛は、2010年4月に連続ドラマとしてスタートした東野圭吾原作の「新參者」の時(shí)からその役を演じていることが興味深い。米國(guó)では、映畫(huà)とドラマは全く別業(yè)界扱いで、中國(guó)でも、同じシリーズの映畫(huà)版とドラマ版の両方に出演するというのは非常に珍しい。一方、日本では、ドラマ版と映畫(huà)版の両方で、同じ役者が出演するというケースがよくある。メガホンを取った福沢克雄監(jiān)督がもともとドラマをメインにしているためか、「祈りの幕が下りる時(shí)」の映像だけを見(jiàn)るとドラマのような映像で、特に高く評(píng)価できる部分はないものの、全體的にリズムが良く、よくコントロールされており、加えて各役者の演技もうまく、このミステリー作品が深みがあり、おもしろい作品に仕上がっている。（編集KN）

「人民網(wǎng)日本語(yǔ)版」2019年4月28日