モバイルインターネット時(shí)代には、スマホがなければほとんど何もできなくなっている。スマート化とデジタル化によって社會(huì)の効率は良くなったが、多くの高齢者にとっては越えることのできない「デジタルデバイド」ができてしまった。高齢者はどうやってこの狀況に適応すればいいのか、誰(shuí)が高齢者をサポートできるのかが、解決しなければならないテーマとして社會(huì)につきつけられている。

「中國(guó)インターネット発展?fàn)顩r統(tǒng)計(jì)報(bào)告」によると、2020年3月の時(shí)點(diǎn)で、中國(guó)のネットユーザー規(guī)模は9億400萬(wàn)人で、インターネット普及率は64.5％に達(dá)しているが、60歳以上のネットユーザーは6.7％に過(guò)ぎない。國(guó)家統(tǒng)計(jì)局が発表したデータによると、2019年末の時(shí)點(diǎn)で、60歳以上の人口が占める割合は約18.1％だった。この2つのデータから推算すると、およそ1億人の高齢者が情報(bào)化に追いついていないことになる。

モバイルインターネット社會(huì)において、発言権と學(xué)習(xí)能力に欠ける高齢者はある意味において弱者だと言えるだろう。家庭においても、主流から追いやられてしまうリスクをはらんでいる。北京大學(xué)社會(huì)學(xué)部の陸傑華教授は、「モバイルインターネットの発達(dá)はある程度社會(huì)の人づき合いの方法に変化をもたらし、面と向かってつき合う機(jī)會(huì)が減少している。こうしたことが高齢者の精神面にマイナスの影響を與えるとみられている」と指摘する。

上手くモバイルインターネット時(shí)代に追いついていけたとしても、暇な時(shí)間が多く、判別能力が低く、ネット上のセキュリティについての知識(shí)が不足している高齢者は、インターネット詐欺の対象になりやすい。特に経済能力のある高齢者にとっては、インターネット詐欺に遭った場(chǎng)合の影響はより深刻なものとなる。

デバイドを乗り越えるために多方面が努力

しかし、スマホを使いこなし、モバイルインターネットの世界を自由に「泳ぎ回る」高齢者も少なくない。動(dòng)畫(huà)プラットフォームのビリビリ（bilibili）で37萬(wàn)人のフォロワーを抱える江敏慈さん、ショート動(dòng)畫(huà)共有アプリの抖音でわずか15秒の動(dòng)畫(huà)で260萬(wàn)もの「いいね」と10萬(wàn)近いコメントを集める「時(shí)尚奶奶団」、さらには音聲チャットやモバイル決済を使いこなす多くの高齢者たちは、スマホのディスプレイの中で自在に楽しんでいる。

2018年9月の時(shí)點(diǎn)で、「國(guó)民クラス」のアプリとも言える微信（WeChat）の55歳から70歳のユーザーは6100萬(wàn)に達(dá)した。「子供が戀しくなったら微信でメッセージを送る。そうすると暇が出來(lái)た時(shí)に返事をくれる。電話だと仕事の邪魔にならないか心配だから」。こんな風(fēng)に、年老いた父親や母親は若者の考え方や行動(dòng)習(xí)慣についていこうとし、新たなコミュニケーションの方法を身に著けようと努力している。

しかし、それは容易なことではない。南京師範(fàn)大學(xué)発展教育心理研究所の譚頂良所長(zhǎng)は、「公共サービスの高齢者への配慮のほかにも、家庭における世代間サポートや、子供から親に新しい文化やスキルを教える『文化の面での親孝行』も極めて重要だ。若者にとっては簡(jiǎn)単な操作も、高齢者にとっては高いハードルのように思えるかもしれない。両親にモバイルインターネット時(shí)代についていってほしいと思うのであれば、高齢者向けの電子製品を買うほかにも、辛抱強(qiáng)さが必要になる」と指摘する。

北京順義老年大學(xué)石園西區(qū)分校では、2016年には生徒の要望に応えてスマホの使い方を教えるクラスを開(kāi)講。たちまち最も人気のカリキュラムとなり、多くの高齢者が苦労をいとわず受講しにやって來(lái)ている。アプリのインストールからQRコードでの料理注文、ネットでのチケット購(gòu)入、さらにはネット詐欺防止まで、一通りの內(nèi)容がそろっており、高齢者たちもすっかり夢(mèng)中になって勉強(qiáng)していた。

しかし、エレベーターが修理中の時(shí)には階段が必要だし、電球を付け替える時(shí)に備えてロウソクを準(zhǔn)備しておくことも必要だ。陸教授は、「高齢者がモバイルインターネット時(shí)代の生活に適応できるようサポートし、技術(shù)開(kāi)発でもそうしたニーズと習(xí)慣をさらに重視するほかに、公共政策の決定や公共サービスの面でも、スマホを使えない高齢者向けに多元的な選択肢と代替プランを提供すべきだ」と指摘する。

2025年には、中國(guó)の60歳以上の高齢者は約3億人に達(dá)するとみられている。急速に発展するモバイルインターネット時(shí)代においても、足取りのおぼつかない高齢者には「ゆっくりと」取り組む権利がある。高齢者がモバイルインターネットの世界に溶け込むことをサポートするほかにも、彼らが年老いているという事実を受け入れ、モバイルインターネットという方式のほかにも、選択可能なプランを提供する必要があるだろう。（編集AK）

「人民網(wǎng)日本語(yǔ)版」2020年9月23日