病院も博物館も月餅 業(yè)者とのコラボやブラインドボックスタイプも

「一夜明けたら、上海中の人が宛平南路600號(hào)に月餅を買いに來たようだった」。上海市徐匯區(qū)の宛平南路600號(hào)とは上海市精神衛(wèi)生センターの所在地だ。今年の中秋節(jié)に同センターが打ち出した月餅が「ネットの人気商品」になった。

同センターは上海精神病院などと呼ばれ、話題性があり注目も集める存在で、この月餅には「自虐的な気持ち」が込められていた。皮には「上海精神衛(wèi)生センター」と「SMHC 1935」の文字が入り、ミルクチーズ味、青リンゴ青梅味、モカチョコレート味など多くの味をそろえた。メディアの伝えたところでは、同センターの月餅は本來は外部には販売せず、定価78元で関係者向けに內(nèi)部販売されるだけで、購入するには同センターのミールカードを使って食堂で購入しなければならなかった。しかしそれでも注目を集める人気者になる妨げにはならなかった。今月11日に動(dòng)畫ニュース「看看新聞」が伝えたところでは、この月餅は中古品取引プラットフォームで599元、699元といった高値で取引されており、ネットユーザーによれば定価の16.5倍に當(dāng)たる1288元の価格がついたものさえあったという。

パッケージのクリエイティビティと文化的內(nèi)容という點(diǎn)では、各大手博物館に相當(dāng)の優(yōu)位性があることは間違いない——たとえば文化クリエイティブ分野でトップを走る故宮博物院は、今年は「朕の気持ち」と銘打った化粧箱入りシリーズ、「故宮建築」シリーズ、故宮の技術(shù)伝承シリーズなどを一気に打ち出し、どの月餅にも華麗で上品な雰囲気がある。中國國家博物館、陝西歴史博物館、上海博物館、成都金沙遺跡博物館なども遅れを取るまいと、それぞれに特色ある文化的でクリエイティビティにあふれた月餅を次々に打ち出し、アイディアと味を競(jìng)った。

今年は月餅業(yè)者がさらにたくさんの新アイディアを打ち出した。月餅×スカーフ、月餅×お酒、月餅×たこ（凧）など、業(yè)界の枠を超えたさまざまなコラボが登場(chǎng)した。

さまざまなマーケティングの中で、一部のメーカーの月餅は価格が高騰した。ハーゲンダッツは天貓（Tmall）旗艦店で、フランスのルーブル美術(shù)館とコラボした月餅ギフトパッケージを打ち出し、価格はなんと998元だった。割引券を使っても798元と高額だが、今回のコラボではまだ最も高い商品ではなかったという。

調(diào)査會(huì)社の艾媒諮詢（iiMedia Research）のデータでは、中國の月餅売上高は2015年の131億8千萬元から20年の205億2千萬元に増加し、上昇傾向が続いている。新型コロナウイルス感染癥対策が常態(tài)化する中で、國民が伝統(tǒng)的祝日をより重視するようになり、親族や友人を訪ねる時(shí)の手土産としてのニーズがこれから回復(fù)する見込みで、21年の月餅売上高は218億元に達(dá)すると予測(cè)される。218億元規(guī)模の月餅産業(yè)には、さまざまな「流派」のそれぞれに特色ある企業(yè)を受け入れる懐の深さがある。（編集KS）

「人民網(wǎng)日本語版」2021年9月22日