莆田市湄洲島にある媽祖像（寫真提供?湄洲島國家観光レジャー區(qū)）。

福建省莆田市は沿海地域中部にあり、北は省都の福州市、南は「世界遺産の都市」泉州市に接し、南東は臺灣海峽を挾んで臺灣地區(qū)を望み、臺中市からはわずか72海里（約133キロメートル、1海里は1852メートル）ほどの距離となる。

この山を背にし、海に面した「國家歴史文化名都市」の莆田は、「立徳、行善、大愛」を敬う媽祖の精神を千年にわたり伝承してきた。世界媽祖文化フォーラムがここで開催されるようになって今年で10年目を迎える。

媽祖は本名を林黙といい、西暦960年に莆田で生まれた。西暦987年に漁民を助けるために命を落とし、後世はその「立徳、行善、大愛」の精神を敬い、尊敬の気持ちを込めて「媽祖」と呼ばれるようになった。

毎年中國內(nèi)外から莆田市湄洲島に媽祖像の參詣に訪れる媽祖を信仰する人々（撮影?林盈）。

科學(xué)技術(shù)が発達(dá)していなかった古代社會において、船員たちは出航に先だって神仏に祈りを捧げ、航海中の安全を祈願していた。媽祖は船員たちが祈りを捧げる東方の「海上の女神」だった。

西へ東へ、そして南へ北へ、莆田発祥の媽祖文化は急速に四方へ広がり、「海のあるところには中國人がおり、中國人がいるところには媽祖文化がある」ようになった。

こうして次第に多くの中國人が媽祖文化を世界各地へ広めていった。統(tǒng)計(jì)によると現(xiàn)在、世界50ヶ國?地域にさまざまな時(shí)代の媽祖廟が約1萬1000ヶ所あり、媽祖を敬う人の數(shù)は中國內(nèi)外で3億人を超えるという。2009年には媽祖信仰がユネスコの世界無形文化遺産に登録された。

2016年、中央政府の承認(rèn)を受け、文化?観光部（?。?、自然資源部、中國社會科學(xué)院、澳門（マカオ）特別行政區(qū)政府、福建省人民政府が共催する世界媽祖文化フォーラムが開催され、媽祖文化を伝え、広める重要な國際的プラットフォームになった。

前回の世界媽祖文化フォーラムの會場の様子（撮影?林盈）。

現(xiàn)在、莆田は同フォーラムをよりどころとして「媽祖の輪」を中國內(nèi)外で持続的に拡大し、媽祖文化の世界への発信?伝達(dá)をさらに推し進(jìn)め、民心の通じ合いと文明の相互參考を促進(jìn)し、人類運(yùn)命共同體の構(gòu)築をサポートしている。

「運(yùn)命を共に?和合共生」をテーマとする今回の第10回媽祖文化フォーラムは、10月31日から11月2日まで行われ、メイン會場は莆田市の湄洲島に設(shè)置され、サブ會場が中國國內(nèi)外に設(shè)置される。會期中、第27回湄洲媽祖文化観光フェスティバルも同時(shí)開催され、媽祖文化をめぐる交流と民俗を體験する旅を融合させる。

今年7月に行われた2025世界人工知能大會では、中國気象局が発表した國民向け早期防災(zāi)警報(bào)システムの中國の案「媽祖（MAZU）」が國際社會で広く共感を呼び、「海上の女神」媽祖は世界の気候変動を大きな背景として、國の枠を超えて自然災(zāi)害を防ぐ新たな使命を帯びるようになった。

媽祖文化が提唱する慈愛、平和、包摂といった理念は、平和と発展、社會の調(diào)和の促進(jìn)において深い意義を持つ。これは衆(zhòng)目の一致するところだ。（編集KS）

「人民網(wǎng)日本語版」2025年10月21日