日本政府がこのほど発表した2016年の経済データには、確かに目を見張る點がたくさんあった。たとえば名目國內総生産(GDP)が537兆円を突破して、1997年以降の新記録を達成した。また経済成長率は1.0%を達成し、名目経済成長率も1.3%に達して、市場の予想を大幅に上回った。
日本経済はひそかに復活を遂げたのだろうか。実は日本経済の大幅な「振興ぶり」には秘密があり、それは國際連合の「國民経済計算」の新基準にある。昨年12月、日本政府はこの新基準を導入して國民経済を算定し直した。すると統(tǒng)計の結果は大いに様相を改めることになり、15年の経済規(guī)模は500兆円から532兆円に変わり、いきなり6.4%も増加した。新基準は「アベノミクス」の有力な援軍でもあり、13~15年の名目GDP成長率の平均値を約0.7ポイント引き上げ、各年の成長率も13年は1.7%から2.6%に、14年は1.5%から2.1%に、15年は2.3%から2.8%に変わり、成長率の目標値3%まであと少しに迫った。
新基準による統(tǒng)計の目立った特徴は「研究開発費(R&D)の資本化」だ。これまで研究開発、特許、版権などに関わる支出は投資の範囲に組み込まれ、GDP統(tǒng)計には計上されなかった。日本の研究開発規(guī)模はかねてより世界トップクラスで、GDPに占める割合は3%前後を保ってきた。特に民間企業(yè)は、研究開発投資をとりわけ重視し、00年以降に投入されたR&Dは累計10兆円を超える。15年のGDPの32兆円の「増量」のうち、R&Dの資本化によって生じた分が19兆2千億元に上り、貢獻度は60%を超えた。
統(tǒng)計基準の変化は、日本経済が真に転機を迎えたことを意味しない。失業(yè)率は低下し、大企業(yè)は黒字になるなどの好材料が日本の経済環(huán)境をある程度改善させはしたが、インフレ脫卻にはほど遠く、それどころか改革の成果とエネルギーは減退し始めており、抵抗力やリスクが上昇を続けている。
第一に、経済の自律的成長は徐々に遠のき、金融リスクが増大している。緩和によっと長期的なデフレを終わらせ、日本経済を自律的成長の道に進ませるというのが、アベノミクスの初めの計畫だった。日本のマネタリーベースの供給量は13年の132兆円から今では432兆円にふくらみ、対GDP比は80%を超えた。しかしコアインフレ率は1%に屆かず、2%の目標値を大きく下回る。日本銀行(中央銀行)はやむなくマイナス金利政策を導入し、「イールドカーブ?コントロール」という金融の冒険に踏み切った。日本政府は続けて大規(guī)模な財政出動を行い、「國の借金」は1066兆円に拡大し、金融リスクが一觸即発の狀態(tài)となった。
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