カウンター席のもう一つの絶対的優(yōu)位性は、客の上下関係を打ち破ったことだ。

中國式円卓や歐米式の長方形テーブルはいずれも、客の上下関係によって座る席が決まり、彼らの地位が直接食卓に反映され、自分の身分に合わせた振る舞いをしなければならない。一方、カウンター席の場合、そのような制限は一切ない。隣の席に座った人は大富豪や有名人かもしれないし、フリーターや大學(xué)生かもしれない。偶然隣同士になった縁ですぐに打ち解け、ほろ酔い気分がそれを増長する。

2014年、當(dāng)時(shí)のオバマ米大統(tǒng)領(lǐng)が日本を訪問した際、日本側(cè)は、ある有名な壽司屋のカウンターで安倍総理と、肩と肩を並べて酒を酌み交わしお喋りができるよう手配した。

だが、カウンター席であったことから、料理人にも極めて高度な要求を出した。まるで舞臺(tái)役者が臺(tái)詞なしの即興芝居を演じるようなもので、客席のすぐ內(nèi)側(cè)にある廚房で、半分即興で料理を作ることは、長年の経験を積んだベテラン料理人ではないとできない蕓當(dāng)だった。

廚房の清潔度、食材の新鮮度、料理の繊細(xì)な味など、料理人の腕の見せ所が試される細(xì)かな部分の全てが客の「監(jiān)視」下にあるだけではなく、料理人は視覚や聴覚を含む全ての感覚を研ぎ澄ませた狀態(tài)で料理することが求められる。初めての客か、常連客か？初めて客だとしたら、勤めているのはどの業(yè)界だろう？どんな特徴や好みを持っているのだろうか？常連客ならば、今日の気分はどうなのだろう？たくさん話をした方が良いのか否か？たとえ親しい仲でも、時(shí)に応じて適切な距離を保つ必要がある。

日本の高級(jí)料理店の多くが夜間だけの営業(yè)である理由は、晝間に最も新鮮な食材を調(diào)達(dá)に出かける必要があること以外に、料理人が十分な休息をとり、開店後に最高のコンディションで客を迎えられるよう準(zhǔn)備をする必要があるからだ。

このように、毎日毎日が真剣勝負(fù)の日本料理は、絶えず改善を続け、日本はミシュランガイド掲載店がアジアで最も多い國となった。また、「料理人」も日本社會(huì)でとりわけ尊敬される職業(yè)となった。日本の小學(xué)生を?qū)澫螭趣筏俊笇恧嗓螭事殬I(yè)につきたいか」という調(diào)査では、「料理人」は常に上位にランクインしている。

結(jié)局のところ、カウンター席と廚房は、日本の職人文化の縮図といえるだろう。（編集KM）

「人民網(wǎng)日本語版」2017年3月10日