北京から2千キロメートル以上離れた福建省廈門(アモイ)市鼓浪嶼(コロンス島)に13日、故宮博物院の新たな「分館」となる故宮外國文物館が正式にオープンした。同館の専有面積は1萬1千平方メートル、建築面積は5180平方メートルで、故宮の清宮に所蔵されていた諸外國の文化財219點(diǎn)がすでに展示されている。広州日報が報じた。
故宮博物院がアモイに分館をオープンしたことは、アモイ市民にとってはいい知らせとなった。自宅からそう離れていない場所で、故宮に秘蔵されていた極めて珍しい寶物を鑑賞することができるからだ。故宮を訪れたことがある人の多くは、「文化財の精巧さと美しさのほか、來場者の多さにも感嘆した」と、故宮の印象を語っている。來場者の多さとは、どの程度なのだろうか?流行語にもなった「故宮■」(■は足へんに包)とは、來場者が多すぎるため、故宮に入場するやいなや小走りしてお目當(dāng)ての展示物に向かわないと參観することができない、という意味だ。2015年6月から、1日延べ8萬人の入場制限が設(shè)けられたものの、2016年の故宮見學(xué)者総數(shù)は、2015年比6.19%増の延べ1600萬人を上回った。
故宮のみならず、パリのルーブル美術(shù)館やニューヨークのメトロポリタンミュージアムなど世界各地の著名博物館の多くは、「多すぎる來場者」という問題に頭を抱えている。博物館はもはや、「靜かな港」ではなくなった。2011年、ロンドンのある批評家は、「ギャラリーの怒り(gallery rage)」という新語を造り、ある展覧會を訪れた時の不満な気持ちを表現(xiàn)した。蕓術(shù)作品を鑑賞するために博物館に入場した後、小走りで展示作品のところに駆けつけなければならず、「ここに來た」ことを確認(rèn)するだけのような見學(xué)スタイルは価値が高いといえるものではなく、不満を感じてしまっても仕方ない。このように來場者は「激怒」しており、博物館側(cè)も決して「気分が良い」わけではない。「超満員」?fàn)顟B(tài)は、古代建築物など移動させることができない文化財にとって脅威となり得る。この點(diǎn)において、世界で來場者が極めて多く、年間來場者數(shù)が延べ1千萬人を上回る博物館で故宮を訪れる人は、ひときわ深い感慨を受けるため、入場制限は止むを得ない措置となった。
故宮の悩みは、來場者の多さだけではない。奧深い場所で眠っている文化財も同様に多すぎるのだ。故宮博物院の單霽翔院長は、次の通りコメントした。
「故宮に所蔵されている180數(shù)萬點(diǎn)の文化財のうち、展示されているものは1%にも満たない。未展示品の保管には、多額の経費(fèi)を必要とする。経済効果だけではなく社會的効果から見ても、保管のための費(fèi)用は一種の『浪費(fèi)』だと言わざるを得ない。『ギャラリーの怒り』という狀況に直面し、世界各地の多くの著名博物館が、その解決方法を模索している。入場制限はあまり賢い方法とは言えない。そのため、分館を開設(shè)することは前向きな解決方法だといえる。ギリシアでは十?dāng)?shù)年前、ある壯大な計(jì)畫を始動した。アテネの博物館にあった所蔵品を他の地域の博物館に振り分けたのだ。これにより、美術(shù)品をもともとあった地理環(huán)境に戻しただけではなく、それらの地方の観光業(yè)の発展もけん引した。一挙両得以上の効果があるこのような措置を進(jìn)んでやらない理由はない」。(編集KM)
「人民網(wǎng)日本語版」2017年5月16日
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