人民網(wǎng)が展開(kāi)している中國(guó)各地の貧困脫卻支援の現(xiàn)狀を紹介するプロジェクト「大道康莊」。山東省東南部に位置する地級(jí)市の臨沂市では農(nóng)作物の品種改良やECプラットフォームによる販売、観光事業(yè)など様々な方法で貧困脫卻が進(jìn)められてきた。一部の地域ではすでに村全體の生活環(huán)境の改善だけでなく、産業(yè)の多元化や高齢者向け住居の建設(shè)など、より一歩進(jìn)んだ取り組みを展開(kāi)している。人民網(wǎng)が伝えた。

貧困脫卻支援対象者のための掲示板--臨沂市費(fèi)県新劉莊村

取材に答える94歳の宋伝栄さん（撮影?栗翹楚）。

新劉莊村では月季花やブドウなどの生産のほか、農(nóng)業(yè)體験などの観光事業(yè)による貧困脫卻を進(jìn)めている。村の広場(chǎng)でおしゃべりを楽しんでいた高齢者たちは現(xiàn)在、いずれも村が建設(shè)した新しい家屋に移り住んでおり、その生活環(huán)境は以前よりも格段に改善されているという。そこで、広場(chǎng)にいた高齢者たちの中で最高齢だった宋伝栄さん（94）の自宅を取材させてもらった。一軒家の住まいでは、庭でヤギや鶏を飼っており、亂雑としてはいたが、宋さんは以前の家屋よりも雨風(fēng)がしっかり防げるので満足しているとしていた。長(zhǎng)男がまだ12歳の時(shí)に夫を亡くした宋さんは女手ひとつで息子たちを育てあげ、今は次男と二人でこの家に暮らしている。家の壁に貼られている掲示板には貧困脫卻支援政策の対象である宋さん一家に関する電子化された記録をQRコードから確認(rèn)することができる。また支援対策のため訪問(wèn)した村の擔(dān)當(dāng)者たちはQRコードから訪問(wèn)日や支援內(nèi)容を?qū)懻娓钉怯涘hすることができ、支援側(cè)の監(jiān)督管理もできるようになっている。

高齢者向け集合住宅--臨沂市蘭陵県代村

代村では野菜や果物などの栽培のほか、養(yǎng)殖や観光など産業(yè)の多元化が進(jìn)められてきた。そして60歳以上の村民は、村の敷地內(nèi)に建設(shè)された高齢者向け集合住宅に無(wú)料で入居することができる。光熱費(fèi)と食費(fèi)は自己負(fù)擔(dān)となるが、1週間に1回はボランティアなどが清掃サービスを提供しているほか、月々年齢に応じた高齢者手當(dāng)も支給されるため、基本的にその手當(dāng)だけでも十分に暮らすことができる。現(xiàn)在、この団地には合計(jì)192世帯が暮らしており、この団地に入居せず、家族と同居する場(chǎng)合は、村からその分の手當(dāng)てが支給されるという。

高齢者向け集合住宅に夫婦で入居して8年目になるという79歳の李學(xué)全さん（撮影?栗翹楚）。

親の介護(hù)に関しては、日本のみならず、中國(guó)でも子供の義務(wù)ととらえられているが、こうした高齢者向け集合住宅に両親を入居させることについて、子供たちはどのように感じているのだろうか？この集合住宅に夫婦で入居して8年目になるという李學(xué)全さん（79）は、「子供たちもこうしたスタイルに理解を示している。また住人は高齢者たちばかりなので、どの家の子供たちが両親に會(huì)いに來(lái)たり、世話しに來(lái)ているか一目瞭然。これまであまり親孝行ではなかった子供たちも外聞を気にして、親孝行するようになっている」とユーモアを交えて語(yǔ)ってくれた。

集合住宅近くの木陰でトランプ遊びに興じる高齢者たち（撮影?栗翹楚）。

集合住宅近くの木陰では、高齢者たちが集まり、トランプ遊びに興じていた。いずれも長(zhǎng)年の農(nóng)作業(yè)で真っ黒に日焼けし、顔には深い皺が刻まれていたが、その顔には心からの笑みが浮かんでいた。

こうした住宅の構(gòu)造や內(nèi)部の設(shè)備を細(xì)かく見(jiàn)てみると、まだまだ高齢者向けの配慮が足りないと感じる點(diǎn)も少なくない。しかし、その住宅環(huán)境は格段に改善されており、高齢者向けの文化活動(dòng)など精神的な幸福感の向上にも次第に目が向けられている。今後ますます中國(guó)の高齢化が進(jìn)行していくにつれて、そのポテンシャルも拡大していくことは間違いないだろう。（文?玄番登史江）

村のそこかしこではおしゃべりを楽しむ高齢者たちの姿が見(jiàn)られる（撮影?栗翹楚）。

「人民網(wǎng)日本語(yǔ)版」2020年10月28日