中國人作家の閻連科氏は27日に2014年度のチェコの文學(xué)賞「フランツ?カフカ賞」を受賞した。中國人作家としては初めてで、2006年に日本の作家、村上春樹氏が受賞したのに続き、アジアで2人目となる。閻連科氏は、10月末にチェコのプラハに赴き、同賞および1萬ドルの奨金を受け取る。新華社が伝えた。

　中國青年政治學(xué)院の梁鴻教授は、「閻連科氏は中國読者の間でも評価は非常に高く、今回の受賞は名実相応のものといえる。閻連科氏は豊かな想像力を駆使した文學(xué)スタイルで、中國の暮らしの複雑さや不條理さを描いている」と語る。

　■閻連科氏、文學(xué)賞受賞より読者から好まれるほうが大切

　北京で長年暮らしている閻連科氏だが、いまだに故郷のなまりが抜けない。英文學(xué)賞ブッカー賞の國際版で翻訳作品も対象とした2013年度「國際ブッカー賞（Man Booker International Prize）」にノミネートされた際にも、メディアの取材に強(qiáng)い河南省なまりの中國語で応えていた。當(dāng)時、閻連科氏は取材に対し、「もっと多くの読者に作品が読まれ、もっと多くの人が作品を好きになってくれることが、どんな文學(xué)賞を受賞することよりもずっと大切だ。重要なのは、中國語で創(chuàng)作活動を行う中國人作家の存在を、世界中のもっと多くの人々が知り、作品を読むことだ」と語った。

　閻連科氏は自身を「反逆」の作家だと自認(rèn)している。その第一の理由に、自分自身への反逆をあげる。創(chuàng)作過程においても、絶えず自分自身に反逆していく。補(bǔ)足すると、それは人々が生活の中の現(xiàn)実や社會、環(huán)境、生存狀態(tài)の中で暮らす中で、反逆すべきものだと感じるものだ。評論家は閻連科氏の作品は往々にして、一突きで急所を狙うような鋭さがあり、文學(xué)的な手法で「精神の真実」や「現(xiàn)実の本質(zhì)」を切り取っていると指摘する。

　中國における他の多くの小説家と比較すると、閻連科氏は、「自分の作品のうち比較的多くの作品の翻訳版が海外で出版されており、創(chuàng)作という視點(diǎn)から見ると、これは非常に幸運(yùn)だ」という見方を示している。閻連科氏は以前、「近年、自分の作品は一般的にフランスで毎年1冊出版され、これまでに計(jì)7、8冊出版されている。そこから英文に翻訳されて別の地域で出版される。たとえば、『四書』はフランスで出版された後、英語版が米國、英國、オーストラリアで出版された」と語っている。

　中國語で執(zhí)筆する中國人作家が世界的な文壇でますます多くの人や、幅広い読者に知られ、受け入れられ、好まれれることは、中國の文壇にどんな影響を與えるだろうか？この質(zhì)問に対し、閻連科氏は、「少なくとも、私個人の創(chuàng)作活動には何の影響も與えない。自分は荷車を引くのに沒頭して、前を見ないタイプだから、自分が書きたいものを書くべきだと考えているし、風(fēng)向きに合わせて題材やスタイルを決めることはしない」と語っている。

　作家プロフィール：閻連科　1958年、河南省嵩県に生まれる。中國の文壇で、莫言氏の次にノーベル文學(xué)賞を受賞する可能性が最も高い作家の一人と目されており、「シュルレアリスム(超現(xiàn)実主義)の大家」と稱されている。1985年に河南大學(xué)政治?教化學(xué)部を卒業(yè)後、解放軍蕓術(shù)學(xué)院文學(xué)部に入學(xué)し1991年に卒業(yè)。1978年に軍に入隊(duì)後、済南軍區(qū)兵士、小隊(duì)長、幹事、秘書、創(chuàng)作員を経た後、第二砲兵電視蕓術(shù)センターの腳本、専門作家となる?，F(xiàn)在、中國人民大學(xué)文學(xué)部の教授を務(wù)める。代表作には『日光流年』、『受活』、『丁莊夢』、『風(fēng)雅頌』、『四書』などがあり、魯迅文學(xué)賞、老舍文學(xué)賞など20以上の中國の文學(xué)賞を受賞。（編集MZ）

　「人民網(wǎng)日本語版」2014年5月29日