ニコンのデジタル一眼レフカメラ「D600」で寫真を撮ると黒い點(diǎn)のようなものが現(xiàn)れる問題をめぐり、上海市の蔡さんはニコンが虛偽の宣伝で消費(fèi)者の権利を侵害したとして中國法人の尼康映像儀器銷售（中國）有限公司を訴え、商品の返品と返金、および代金の3倍にあたる賠償金の支払いを求めた。上海市黃浦區(qū)人民法院（地裁に相當(dāng)）はこのほど一審判決を下し、返品の要求は支持したが、3倍の賠償金については要求を退けた。「京華時(shí)報(bào)」が伝えた。

蔡さんは2013年5月にD600を1萬2999元（約25萬4千円）で購入した。使用してみると、撮影した寫真のあちこちに黒い點(diǎn)が現(xiàn)れるのに気付いた。14年3月にはメディアが黒點(diǎn)問題を報(bào)道。蔡さんは、「ニコンの虛偽の宣伝は詐欺にあたる」として裁判所に訴え、返品と返金および3倍の賠償金支払いを求めた。

裁判所は審議の結(jié)果、ニコンが虛偽の宣伝を行って権利を侵害したとする十分な証拠がないため、蔡さんの3倍の賠償金の要求を支持することはできないとしたが、蔡さんが購入したD600には黒點(diǎn)が現(xiàn)れるという瑕疵があり使用に差し支えることは確かであり、蔡さんの保管方法が適切でなかったためにこうした問題が生じたと示す証拠もないとの見方を示した。蔡さんは交換を望まなかったため、裁判所はニコンに返品と返金に応じるよう命じた。

D600の黒點(diǎn)問題は中國中央テレビ（CCTV）の番組「3?15晩會(huì)」で明らかにされた。その後、ニコンは対応を発表し、無料で修理とクリーニングに応じるほか、機(jī)種変更にも応じるとした。またD600の販売を停止した。だがニコンの対応に納得しない購入者もおり、昨年には數(shù)百人が集団で抗議する事態(tài)も起きた。集団抗議の代理人を務(wù)めるオンライン法律プラットフォームの北京盈科律雲(yún)科技有限公司に交渉の結(jié)果をたずねたが、現(xiàn)時(shí)點(diǎn)ではまだ回答はない。このほど明らかになった情報(bào)によると、同法院の今回の裁判は、ニコンが黒點(diǎn)問題で消費(fèi)者から訴えられた初めてのケースだという。（編集KS）

「人民網(wǎng)日本語版」2015年5月21日