春節(jié)（舊正月、今年は1月25日）前後から急速に感染が広がった新型コロナウイルス。中國各地で春節(jié)休暇が延長され、學(xué)校は新學(xué)期開始を遅らせたり、オンライン授業(yè)に切り替えるといった対策がとられている。企業(yè)や工場も営業(yè)や操業(yè)開始時期の延期やテレワークへの切り替えを行い、2月下旬からは段階的に出勤や操業(yè)も始まっている。人民網(wǎng)ではこうした狀況の中、中國で生活や仕事を続けている日本人を取材し、彼らの目を通して新型コロナウイルス影響下での日々を紹介していく。

大學(xué)の日本語教師 田中恵子さん

「ネット上とはいえ、授業(yè)ができることのありがたさを感じている」

北京にある大學(xué)で日本語教師をしている田中恵子先生（仮名）は、大學(xué)の授業(yè)がある學(xué)期中は北京に単身赴任しているが、新型コロナウイルス感染の発生と流行の影響を受け、現(xiàn)在は自宅のある天津市で學(xué)生たちにオンライン授業(yè)をする毎日を送っている。

初のオンライン授業(yè)に挑戦

田中先生の勤める大學(xué)では新學(xué)期開始の延期は行われずに、オンライン授業(yè)に切り替えて授業(yè)を始めることになったため、教師たちは2月上旬からその準(zhǔn)備に追われた。大學(xué)側(cè)は大學(xué)ネットワーク內(nèi)にあるオンライン授業(yè)用のソフトを使用して授業(yè)を行うという方針だったが、田中先生はまず大學(xué)ネットワークの「大海原」で迷ってしまい、ソフトと大學(xué)ネットワークとの「繋がり」をなかなか見いだせず、そしてソフトの使い方も習(xí)得が必要と、その準(zhǔn)備作業(yè)は困難を極めたという。さらにいざ授業(yè)は始まったものの、サーバーの容量が十分でなかったせいか、最初の2日間は、3回ほど停止してしまい、授業(yè)が続行不可能になるトラブルにも見舞われた。

四苦八苦の教師 授業(yè)再開喜ぶ學(xué)生

田中先生自身は普段からパワーポイントや動畫を使った授業(yè)を行っていたこともあり、パソコンを使った教材作りは比較的手慣れていたとはいえ、オンライン授業(yè)用のソフトに合わせた教材づくりにはかなり時間を要しているという。當(dāng)然ながら使い慣れていない教師はさらに苦戦を強(qiáng)いられているそうで、結(jié)局オンライン授業(yè)用のソフトを使いこなせず、微信（WeChat）やビデオ會議アプリなどを利用し、授業(yè)を進(jìn)めている教師も少なくないという。

一方學(xué)生たちは、勉強(qiáng)熱心な學(xué)生が多く、オンラインでも授業(yè)が受けられて嬉しい様子だという田中先生。ただネット環(huán)境が十分ではない狀況の學(xué)生たちはなかなか大変なようだ。なかにはスマホしか持たずにネット環(huán)境が整っていない地方の親戚を訪ねていたところ、そのまま足止めされてしまった學(xué)生もおり、ネット環(huán)境や學(xué)習(xí)環(huán)境に格差が生じているため、田中先生は授業(yè)開始前にアンケートを行い、そうした環(huán)境の格差にも配慮しながら授業(yè)を進(jìn)めている。

オンライン授業(yè)のキャプチャ畫面（寫真提供?田中先生）

オンライン授業(yè)なりの素晴らしさも発見

このように教師も學(xué)生も一定の不便さを強(qiáng)いられているオンライン授業(yè)ではあるが、「ネット上とはいえ、授業(yè)ができることのありがたさを感じている」と田中先生。そして実際、オンライン授業(yè)を経験したことで初めて、「オンライン授業(yè)は語學(xué)の授業(yè)には向かないのではないか」というこれまでの考えが変わったという。田中先生はこれまで授業(yè)で學(xué)習(xí)者同士が學(xué)び合う「協(xié)働學(xué)習(xí)活動」や「アクティブ?ラーニング」などの教室活動を?qū)g踐しており、それらをオンライン授業(yè)で実踐するためには更なる工夫も必要だが、學(xué)習(xí)者が異なる場所にいるからこそ、「インフォメーションギャップ（情報格差）」を利用した教室活動や「SHOW＆TELL（何かを見せながら話す）」といった活動がより行いやすいことを今回発見できたという。

家族や愛貓と一緒で得られた安心感

普段は北京に単身赴任のため、田中先生の生活は不規(guī)則になりがち。そのため今回、天津に滯在中の長期休暇中に自宅待機(jī)になったことを、「不幸中の幸いだった。夫やすでに高齢な義理の両親を心配せずにすみ、何か起きてもそばにいることができるから」とした。また自宅には愛貓もおり、外出できない日々でも精神的な安心感を得られているという。

田中先生から武漢と中國の皆さんへの応援メッセージ

お亡くなりになった皆様のご冥福をお祈りします。醫(yī)療関係者でお亡くなりになった皆様、私たちを助けるために申し訳なかったと思います。ご家族の皆様の悲しみが癒えますように。発癥されて今も病床にいる方の1日も早い快復(fù)を望みます（文?玄番登史江）。

「人民網(wǎng)日本語版」2020年3月2日