2011年の春ごろ、中國(guó)の小學(xué)生から中國(guó)語で書かれた手紙が會(huì)社に屆いた?！袱ⅳ胜郡悉猡Δ长问坤摔悉い胜い韦猡筏欷蓼护螭?。そんなドキッとする書き出しだった。3月の東日本大震災(zāi)の直後のことだ。続いて「元?dú)荬扦い毪长趣蚱恧盲皮い蓼埂工趣膜扭椁欷皮い俊?/p>

ボランティアで前年訪ねた貴州省の子どもたちからの手紙だった。蝋燭を燈し、祈る子供たちの寫真が添えられていた。遠(yuǎn)く離れた日本の地震が、どの地域で起きたのかわからなかったのは無理もない。安否を気遣ってくれたことに胸が熱くなった。

貴州は中國(guó)で最も貧しい地域の1つだが、貧しくても一生懸命に勉強(qiáng)している姿が目に焼き付いていた?！溉毡兢閬恧郡袱い沥悚蟆工斡洃洡?、両國(guó)の間に流れる長(zhǎng)い時(shí)間の中でいつかプラスに働いてくれればと願(yuàn)う。

當(dāng)社は中華全國(guó)青年連合會(huì)と連攜し、09年から中國(guó)各地でボランティア活動(dòng)を続けている。対象は、親が出稼ぎなどで都市に行ってしまった子どもたちが住む地域の小學(xué)校だ。「七彩小屋」という名のスペースを?qū)W校に設(shè)け、パソコンや教科書、卓球臺(tái)などを送っている。この活動(dòng)で、十?dāng)?shù)カ所を訪問した。

中國(guó)で企業(yè)のイメージを高めるための、CSR（企業(yè)の社會(huì)的責(zé)任）活動(dòng)としてもともとスタートした。だが中國(guó)で生まれた自分にとっては、ライフワークともいうべき取り組みになった。最初に訪ねたのは首都北京の郊外。子どもたちが千羽鶴を折り、首にかけてくれて感動(dòng)した。

現(xiàn)地では、彼らと一緒に卓球をやったりする?！笢厝壳颉钩潭趣瓮笄挨坤?、無邪気な子どもたちと遊ぶのは本當(dāng)に楽しい。リーダーシップのある子、利発な子、笑顔が素?cái)长首?。子どもの魅力はそれぞれ、いいもんです?/p>

この活動(dòng)の一環(huán)で、11年の秋にはふるさとの長(zhǎng)春を訪ねる機(jī)會(huì)に恵まれた。自分が舊満州（現(xiàn)中國(guó)東北部）の出身だと相手方に告げると、「じゃあ、來年は長(zhǎng)春でやりましょう」と提案してくれ、故郷への訪問が実現(xiàn)した。出身地を打ち明けるのをためらった時(shí)期もあるが、わだかまりなく受け入れてくれた。

長(zhǎng)春でまず訪ねたのは、かつて東京海上の支店だった建物を使って開業(yè)した病院だ。建物じたいはそっくり當(dāng)時(shí)のままで、テーブルも昔のものが殘っていた。院長(zhǎng)が東京海上との縁を詳しく説明してくれ、心を打たれた。

その後、車に乗り、生家に向かった。いつか訪ねてみたいと思っていた場(chǎng)所だ。そこで目にしたのは、何回か建て替えられ、ぼろぼろになった建物。父親の撮った寫真で何度も見た、日本人社會(huì)の幸せな暮らしの面影はかけらもない。案の定と言うべきか。古き良き時(shí)代の情緒を確かめることはできなかった。

ちょっと話題がしんみりしてしまったが、満州生まれで戦後に引き揚(yáng)げた日本の経営者たちとの交流は、原點(diǎn)を共有するもの同士の楽しいひとときだ。トヨタ自動(dòng)車の張富士夫さんや全日空の大橋洋治さんたちと、10年以上続けている懇親會(huì)の「大地の會(huì)」がそれだ。財(cái)界人にも満州出身の人がけっこうおられるし、なかにし禮さんをはじめとして、財(cái)界以外にも交流の輪は広がっている。（東京海上日動(dòng)火災(zāi)保険相談役）

「2019年1月29日 日本経済新聞 朝刊」

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