畫面の中では、イケメンと美女がいつまでも互いの気持ちを打ち明け合っている。悪いけど、畫面のこちら側(cè)で見ているほうはもうじれったくて見ていられないので、「2倍速」を選択。シーンがどんどん変わり、俳優(yōu)はまるで操り人形のような動(dòng)きとなり、セリフもロボットが話すような口調(diào)になってしまう。でもストーリーを追うにはこれで十分だ。

今や、ほとんどの動(dòng)畫プラットフォームには「倍速再生」の機(jī)能があるだけでなく、0.5倍スロー再生から通常再生、2倍速再生まで提供されており、さらには「この人だけ見る」といった多様化した再生モードが選べるようになっている。

タブレットPCで倍速再生し、一晩で10話や20話をイッキ見すれば、翌日には「見終わった」と言える。ドラマのストーリーについてあれこれ話すのは、若者の生活にとっていわば「標(biāo)準(zhǔn)裝備」になっているからだ。

倍速再生の「常連」は中國(guó)國(guó)産ドラマとバラエティー

インターネットがまだそれほど普及していなかった時(shí)代、視聴者がいつどんな番組を見られるかはテレビ局が決めていた。好きな番組でなければ、チャンネルを変えるか、テレビを消して見ないかのどちらかだった。だが動(dòng)畫プラットフォームが出現(xiàn)したことで、ユーザーのこの面での決定権はますます大きくなり、さらには自分でどんな速さで內(nèi)容を再生するかまで決められるようになった?，F(xiàn)在、騰訊（テンセント）、愛(ài)奇蕓、優(yōu)酷（Youku）などの動(dòng)畫プラットフォームは、ユーザーにさまざまな再生スタイルを提供している。通常再生のほかにも、0.5倍スロー再生、0.75倍スロー再生、1.25倍速、1.5倍速、2倍速、さらには特定のファン層向けにカスタムメイドされた「この人だけ見る」モードなどが選べるようになっている。

調(diào)査によると、18-40歳の調(diào)査対象者のうち、7割近く（67.38％）が動(dòng)畫を見る時(shí)に倍速再生の機(jī)能を使用している。うち、使用頻度が最も多いのはスピード再生（1.25倍、1.5倍、2倍）と通常再生の2項(xiàng)目で、次が「この人だけ見る」となっており、スロー再生（0.5倍、0.75倍）の使用が最も少なかった?！副端僭偕且姢郡ぅ偿螗匹螗摹工扦?、中國(guó)國(guó)産ドラマがトップで、僅差でバラエティー番組、そしてその後ろに韓國(guó)ドラマ、日本ドラマ、米國(guó)ドラマが続く。

「この人だけ見る」は動(dòng)畫プラットフォームがファンのためにカスタムメイドした機(jī)能だ。見る側(cè)は自分の好みやニーズに合わせて、番組の中であるスターが登場(chǎng)するところだけ見ることができ、興味のないところは飛ばせる。この機(jī)能は効率が高く時(shí)間も節(jié)約できる「スターの追っかけ」ツールで、特定スターのファンたちの人気を得ている。

80-90話もあるドラマを見る時(shí)間がない若者たち

「この一言で君がどれだけヒマか分かるよ。ドラマを倍速で見ないなんて！」というのはネット上のジョークだが、現(xiàn)在のドラマの內(nèi)容が水増しされ、ストーリー展開が間延びしていることを側(cè)面から物語(yǔ)っている?，F(xiàn)在のテレビドラマはともすると40話以上で、70話というのもよくあるし、90話も夢(mèng)の中での話ではない。30話など短編ドラマの域に入る。

事実、ドラマの長(zhǎng)さが質(zhì)の高い作品を生み出すための必要條件だったことはない。あるテレビドラマ制作會(huì)社関係者が明かしたところによると、多くの「大型ドラマ」は実のところそれほど長(zhǎng)くしなくてもストーリーを完結(jié)できる。ただ、制作に加わっている各方面が収益面の都合で長(zhǎng)さを引き延ばしているにすぎない。ドラマを作る段階では、腳本家にどうでもいいつなぎのシーンを入れさせ、ストーリー展開を遅くさせている。放送時(shí)には、それまでの內(nèi)容の振り返りを入れて、1話分の実質(zhì)的な長(zhǎng)さを縮め、全體の放送回?cái)?shù)を増やしている。なぜなら、テレビドラマはほとんどが1話単位で販売価格が決まり、俳優(yōu)も１話単位でギャラを計(jì)算しているため、放送回が増えれば制作者側(cè)と俳優(yōu)にとって利益になるからだ。テレビ局にとっては、放送回の増加は広告を挾む機(jī)會(huì)が増えることを意味し、同じように利益が増える。各方面にメリットがあり、利益が損なわれるのは視聴者だけというわけだ。

視聴者と制作者は相互に尊重し合うべき

「倍速で番組やドラマを見る主な二つの理由」についてのアンケート調(diào)査では、「內(nèi)容のテンポが遅すぎて、倍速でも理解できるから」がダントツで、2位の「暇な時(shí)間が少ないので、倍速で効率良く見たいから」のほぼ2倍、3位の「自分が好きな蕓能人の內(nèi)容だけを見たいから」の4倍近くだった。この結(jié)果から分かるのは、視聴者が倍速（スピード）再生で動(dòng)畫を見る理由のうち、客観的な理由としては「內(nèi)容が水増しされ、質(zhì)が低い」ことであり、主観的な理由としては「プライベートな時(shí)間が少なくなり、娯楽でも効率をまず追求するようになった」ということだ。

「倍速で番組やドラマを見る機(jī)能をどう思うか」についての調(diào)査結(jié)果によると、この機(jī)能は「ユーザーの選択肢が増えて、とても良いことだ」と考えている人が過(guò)半數(shù)（57.45％）を占めた?！袱いい珢櫎い悉趣猡ⅳ长螜C(jī)能があるのは理に適っている」とした人が38.3％、「倍速再生はコンテンツの創(chuàng)作者を尊重していない」と回答した人は4.26％だった。

事実、「コンテンツの創(chuàng)作者を尊重していない」や「若者の辛抱が足りなくなる」というのは、ここ數(shù)年ネット上で繰り広げられている「倍速再生」批判の主な論調(diào)だ。しかし、すでに倍速再生機(jī)能を使い慣れた若者にとって、このような批判は成り立たない?！缸鹬丐匣イい摔工毪猡巍?chuàng)作者が十分に視聴者を尊重しているのであれば、視聴者が倍速再生で見るにはもったいないと思うようなレベルの高い作品を作るべき」ということになる。

ある動(dòng)畫プラットフォームで技術(shù)系の仕事をしていた呉迪さんは、「技術(shù)自體にはいいも悪いもない。視聴者の辛抱が足りないと思うのであれば、內(nèi)容に問(wèn)題がないかを反省するべきで、問(wèn)題を技術(shù)になすりつけるべきではない」と語(yǔ)る。

呉さんは、「インターネット時(shí)代の視聴者の自由度と主導(dǎo)権は10年前より何倍も大きくなっている。実のところは、視聴者側(cè)のほうが倍速再生を手放せないのであって、倍速再生が見る側(cè)に悪影響をもたらしたわけではない」と語(yǔ)っている。（編集AK）

「人民網(wǎng)日本語(yǔ)版」2019年9月25日