葉梓頤さんは以前、シンガポールのある広告會社のクリエイティブ? コンサルタントをしていたものの、5年前に、その高収入の仕事を辭めて、星景専門の寫真家になり、家族や友人らを驚かせた。こうした決定を下したことについて、葉さん自身は、「私たち90後(1990年代生まれ)は良い時代に生きていて、自分のしたいことができる」と説明する。中央テレビニュースが報じた。

葉さんは15歳の時に星空に魅了され、今までずっと夢中になっているという。星景専門の寫真家になってからの5年間、葉さんは、高原や砂漠、人がほとんどない場所など、あちらこちらに足を運び、現(xiàn)れてはすぐに消える美しい星空の景色を追いかけてきた。
2016年、葉さんが砂漠にある星空保護區(qū)に撮影に行った時、気溫は零下30度まで下がり、ちょうど風邪をひいていたため、出てきた鼻水が顔の上で凍り、それを剝がすと肌までめくれて、顔中がしもやけになったという。それでも、「辛さというものは相対的なもので、自分が何かしたいと思っている時は、やる気に満ちている」と葉さん。
葉さんはシンガポールで仕事をしていたある時、新聞の一面で煙霧に覆われた北京の故宮が紹介されているのを偶然見かけた。そのニュースの見出しは「非常に深刻な北京の大気汚染」で、「その時、とても嫌な気分になった」という。

その後、帰國して仕事をするようになった葉さんは、中國國內、特に北京の大気の質に注目するようになった。そして、毎年、北京のシンボル的建築物を地上の景色にして星空を撮影している。そのような寫真を通して、北京の大気の質が少しずつ改善していることを多くの人に伝えたいという。

葉さんの星空を撮影する場所は2017年から大きく変化した。以前はよく海外に行って撮影していたものの、その年から中國國內での撮影が多くなったといい、その理由について、「中國の大気の質が改善していることと密接な関係がある」と説明する。
2020年初め、葉さんは、星空をテーマにした動畫コンテンツをもっとたくさん製作したいと思い、チームを立ち上げた。しかし、新型コロナウイルス感染拡大が突如発生し、チームの計畫も大きく崩れ、いろんな所へ行って撮影することができなくなり、家の前や団地の中で工夫して撮影するしかなくなった。それでも、葉さんは都市の中でどのように星を見ることができるかをテーマにした一連の動畫を製作した。
20年12月13日、ふたご座流星群がピークを迎え、観測の絶好のチャンスとなった。そこで、葉さんは英國人の友人?ショーンさんと一緒に、北京市延慶區(qū)に流れ星を見に行った。

ショーンさんは中國で活動するミュージシャンだが、約1年前から、視力が低下し始め、視野がどんどん狹くなっているという。そのため、できるだけ色々な世界を見ておきたいというのが、ショーンさんのこの一年の最大の願いとなっている。
「失明が避けられないのなら、この世界で素晴らしい思い出をできるだけ作っておくことが唯一できること。失明した時、そのような思い出が、自分が生き続けるのを支えてくれる原動力となるだろう」とショーンさん。
葉さんは、ショーンさんの目が見えなくなっても、夜空に輝く美しい星を忘れることはないと信じている。(編集KN)
「人民網日本語版」2021年4月8日
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