「材料を投入し、炒めて、味付けをし、鍋から出して、皿に盛り、テーブルに運(yùn)ぶ」。この一連の料理プロセスを聞いて、この動(dòng)作を慣れた手つきでこなしているのがロボットだとあなたは思いいたるだろうか。中國(guó)新聞網(wǎng)が伝えた。

2022年北京冬季五輪?パラリンピックメインメディアセンター（MMC）のスマートレストランでは、これらはすべて現(xiàn)実に起きていることであり、さらには「空からおいしい料理が降ってくる」のだ。

料理人に「弟子入り」した料理ロボット

北京五輪のスマートレストランで働くこの「料理ロボット」は、麻辣燙（ピリ辛スープ煮込み）、宮保鶏?。嵢猡去圣氓膜纬搐嵛铮?、煲仔飯（土鍋の炊き込みご飯）などの中國(guó)料理はもちろん、ハンバーグ、スパゲティミートソースなどの西洋料理も作ることができ、さらに餃子やワンタンをゆでることも、カクテルを調(diào)合することもできる。最も優(yōu)れた點(diǎn)は24時(shí)間待機(jī)が可能で、疲れを知らず、すぐに料理を出せることだ。人同士の接觸の機(jī)會(huì)を減らすこともでき、「スマートレストラン」の名に恥じない活躍をする。

この北京五輪のメディア関係者のために食事を作るロボットは、正式名稱を「スマート飲食デバイス」という。スマートレストランでは、スマートハンバーガーロボット、スマート土鍋炊き込みご飯ロボット、スマート軽食?揚(yáng)げ物ロボット、スマートフライパン、スマート餃子?ワンタンロボット、スマートピリ辛スープ煮込みロボット、スマートカクテル調(diào)合ロボットなどのスマート飲食デバイスや、自動(dòng)的に料理を運(yùn)ぶクラウドレール運(yùn)搬システムなどを目にすることができる。

スマート飲食デバイスは従來の人型ロボットとは様子が異なり、たとえば自動(dòng)的に炒め物を作るスマートフライパンは主體部分が丸い鍋だ。スマートフライパンは「世界のグルメ都市」と言われる順徳（広東?。─?0本の指に入る有名料理人に「弟子入り」し、名人から火加減、調(diào)理のテクニック、味付けの順番などの秘訣を伝授され、それをプログラムに変換し、ロボットというハードウェアで再現(xiàn)できるようにしている。

スマートカクテル調(diào)合ロボットは太くて白いロボットアームで、この腕で器用にグラスを取り出し、氷で冷やし、臺(tái)にセットし、人間のバーテンダーのように複雑な調(diào)合をこなす。同時(shí)に自動(dòng)的にシェイクの動(dòng)作を行い、わずか3-5分で「顔面偏差値が高い」カクテルを完成させる。

カクテルを作るスマートカクテル調(diào)合ロボット。（畫像提供はMMC）

1月4日から22日までのテスト運(yùn)営期間だけで、世界各國(guó)のメディア関係者と放映権を取得した放送局の関係者およそ1千人あまりがここで食事をした。競(jìng)技が始まれば、１日あたり約5千-6千人の登録記者?カメラマンや放送局関係者が利用する見込みだ。

その場(chǎng)で注文を受けて調(diào)理 「調(diào)理済み食品を加熱するだけ」ではない

ロボット廚房から作り出される料理はどんな材料を使っているのだろうか。新鮮な食材なのか、それとも最近流行の「調(diào)理済み食品キット」なのか。

MMCスマートレストランプロジェクト主管の鍾展鵬氏は、「スマートレストランのスマート調(diào)理體験ゾーンではすべての食品を注文を受けてからその場(chǎng)で調(diào)理する。スマートデバイスごとに調(diào)理する食品はやや異なり、スマートフライパンで調(diào)理するのはすべて新鮮な野菜や肉類で、例えば蒜蓉西蘭花（ブロッコリーのニンニク炒め）や小炒黃牛肉（唐辛子と牛肉の炒め）などだ。スマート土鍋炊き込みご飯ロボットは注文を受けてその場(chǎng)で2種類の炊き込みご飯を作ることができ、骨付き肉の土鍋ご飯なら、水、米、油、骨付き肉を土鍋に入れる。骨付き肉はセントラルキッチンで塩漬けにしたものを使う。一方で、スマート餃子?ワンタンロボットは包んである餃子?ワンタンをその場(chǎng)でゆでる」と説明した。

従來の外食モデルでは、調(diào)理する人が変わると、技能に差があるので、同じメニューでも毎回同じ味になるとは限らなかったが、これらの感情を持たない料理ロボットは、調(diào)理の動(dòng)作が正確で、完成した料理の水準(zhǔn)が安定するという優(yōu)位性をもつ。

スマート土鍋炊き込みご飯ロボットを例にすると、同機(jī)械は同時(shí)に36個(gè)のコンロの火加減を正確に操作することができ、すべての土鍋に必ずおいしいおこげができる。スマート軽食?揚(yáng)げ物ロボットは注文に基づいてさまざまな材料を識(shí)別し、食材や調(diào)理工程別に揚(yáng)げ油の溫度や揚(yáng)げる時(shí)間をそれぞれコントロールする。

「空からおいしい料理が降ってきた」が現(xiàn)実に

料理ロボット以外には、北京五輪のスマートレストランには料理を運(yùn)ぶ「空中クラウドレール」もある。スマートレストラン中華料理ゾーンは上方に透明のガラスのレールがはりめぐらされ、レールを走る小さなタイヤ付きトレーが常にスタンバイ狀態(tài)で、指示を受けると迅速に動(dòng)き回る。これがスマート運(yùn)搬システムのデバイスだ。

このレールはスマートフライパンと連動(dòng)しており、フライパンが皿に料理を盛ると、料理が上方のレールまで持ち上げられ、クラウドレール上のタイヤ付きトレーが受け取り、計(jì)算で導(dǎo)き出された最良のルートをたどり、料理を注文した人のいるテーブルの上方まで自動(dòng)的に料理を運(yùn)び、料理を降ろす裝置が料理をテーブルに屆ける。こうして「空からおいしい料理が降ってくる」を?qū)g現(xiàn)した。

料理を下に降ろす裝置により「空からおいしい料理が降ってくる」を?qū)g現(xiàn)。（畫像提供はMMC）

このシステムの優(yōu)位性は料理を運(yùn)ぶ効率を高めること、防塵と保溫の効果、人同士の接觸を回避することにある。前出の鍾さんは、「スマート土鍋炊き込みご飯ゾーンには土鍋が18個(gè)あり、同時(shí)に18種類の料理を作ることが可能で、どの料理も大體4-6分で完成する。さらに空中のクラウドレールと料理を降ろす裝置が料理を運(yùn)ぶので、座席の位置やそのときの混雑狀況によって2-4分の差はあるが、人間が調(diào)理して運(yùn)ぶのに比べて料理が出てくるまでの時(shí)間が大いに短縮される」と説明した。

ロボットは調(diào)理のほかに何が出來るだろうか。第13次五カ年計(jì)畫（2016－20年）以來、中國(guó)ロボット産業(yè)の複合年間成長(zhǎng)率は約15％で、2020年の売上高は1千億元（約1兆8千億円）を突破した。掃除ロボットと窓拭きロボットは今や一般家庭に浸透している。ロボットはこのほか、宅配便?物流、手術(shù)支援、教育?娯楽など多くの分野で活躍中だ。（編集KS）

「人民網(wǎng)日本語版」2022年1月27日