ちょっとお茶目でリアルな獅子頭に、京劇の女形の華麗で美しい髪飾り、上品で高級(jí)感あるバッグには実はある共通點(diǎn)がある。それは、これらはどれも食べられるという點(diǎn)だ。中國(guó)の伝統(tǒng)要素を取り入れたおしゃれな國(guó)産品のトレンド「國(guó)潮」スタイルの中國(guó)菓子がSNSで話題を集めており、獅子舞からインスピレーションを得た獅子頭の形をした中國(guó)菓子に、ネットユーザーからは、「すごすぎる！」といったコメントが寄せられている。

武楊さんが製作した中國(guó)菓子。

遼寧省瀋陽(yáng)市の80後（1980年代生まれ）の「麺塑（しん粉細(xì)工）」職人である武楊さんはここ10年ほど、しん粉細(xì)工を中國(guó)の伝統(tǒng)的な菓子とコラボさせているほか、中國(guó)の伝統(tǒng)文化と組み合わせることで、見(jiàn)た目と美味しさを兼ね備えた新しいタイプの菓子作りに力を注いできた。武さんによると、「獅子頭の形をした菓子は、清末民初の武術(shù)家?黃飛鴻を描いた映畫(huà)を見(jiàn)て、インスピレーションを得た。特に獅子舞の一つ『醒獅』の文化に魅了された」という。

そしてネットユーザーが様々な「失敗作」を披露しているのを目にした武さんは、ショート動(dòng)畫(huà)共有アプリ「抖音（中國(guó)版TikTok）」に獅子頭の形をした菓子の詳しい作り方をアップ。生地の捏ね方から、パイ生地のカットの仕方、揚(yáng)げ方まで、かわいい獅子頭の形に仕上げるまでの過(guò)程をネットユーザーに分かりやすく丁寧に紹介している。

「獅子の頭の形をした菓子」を見(jiàn)せる武楊さん。

獅子頭の形をした菓子の各パーツは、水と粉で別々に生地を作った後、卵白でそれぞれのパーツをくっつけている。獅子の毛のフワフワとした感じを出すのは特に難しく、武さんは、油で揚(yáng)げる前に、生地に切れ目を160ヶ所も入れているという。

10年前にしん粉細(xì)工の研究を始めた武さんは、生地の捏ね方や伸ばし方、カットの仕方、彫刻の仕方といったしん粉細(xì)工の各種スキルを、長(zhǎng)い時(shí)間をかけて獨(dú)學(xué)した。

140度まで熱した油で揚(yáng)げると、毛がフサフサとした獅子の形をした菓子に出來(lái)上がる。

當(dāng)初、蕓術(shù)面での専門的な訓(xùn)練を受けていなかったことが原因で、しん粉細(xì)工の各パーツのバランスや特徴をつかみ切れていないと感じた武さんは、ひたすら周囲の人々を観察し続け、そのバランスや特徴を?qū)Wび続けた。そしてそうした努力を重ねたことで、彼の作るしん粉細(xì)工作品も次第にリアルな仕上がりになっていったという。

作る過(guò)程で少しでもミスがあると、揚(yáng)げた時(shí)にきれいに仕上がらない。

獅子の頭の形をした菓子がネット上で話題を集めるにつれ、中國(guó)各地の菓子作り好きな人々から、そのスキルを?qū)Wびたいと武さんに連絡(luò)がくるようになったという。武さんはこれまですでに1000人以上の生徒に教えてきた。そして、自分のスキルやアイデアが反映された生徒たちの作品を見(jiàn)ると、武さんも充実感を感じるのだという。

武楊さんが製作した中國(guó)菓子。

武さんは、「中國(guó)の伝統(tǒng)文化は、私が中國(guó)菓子を作る時(shí)のインスピレーションの源。今後は一人でも多くの若者がその文化に觸れ、この技術(shù)がどんどん発展し、進(jìn)歩していくことを願(yuàn)っている」と語(yǔ)った。（編集KN）

武楊さんが製作した中國(guó)菓子。

「人民網(wǎng)日本語(yǔ)版」2023年2月2日