米紙ウォール?ストリート?ジャーナルはこのほど、日本政府が昨年12月に在米公館を通じて、教科書の慰安婦関連の記述を改めるよう米出版社に申し入れていたことを明らかにした。出版社側(cè)はこの要求を拒否したという。（文：華益聲?國際問題専門家。人民日報(bào)海外版コラム「望海樓」掲載）

　このニュースは大きな関心を引き起こした。日本政府が教科書改訂を通じて侵略の歴史を覆い隠そうとするのは初めてではなく、今年初めには、東京の教科書會社が文部科學(xué)省の承認(rèn)を得て、今年4月に発行される高校教科書から「慰安婦」や「強(qiáng)制連行」の內(nèi)容を削除することを日本メディアが明らかにしている。だが、日本政府側(cè)が歴史問題について外國の出版社に申し入れを行うのは異例だ。

　日本政府は今回の行動について入念に計(jì)畫を練ったはずだ。日本による侵略戦爭発動と慰安婦の強(qiáng)制連行の問題は少なからぬ國々の教科書に記されているのに、なぜ日本は米出版社への申し入れを選択したのか？中韓および?xùn)|南アジアの近隣國は侵略の被害國で、慰安婦など歴史問題に対して大変敏感であり、この問題に觸れると相手國の強(qiáng)い反発を招くのは必至だが、米國は直接の関係國でないことを安倍政権はよく分っていた。さらに重要なことに、日本は現(xiàn)在の狀況下では米國に影響を與える力があると考えていた。

　近年日米同盟が強(qiáng)化され続け、米國は戦略面で対日重視の姿勢を強(qiáng)めている。様々な要因の制約を受けて「唯一の超大國」としての地位が揺らぎ、世界に対する掌握力が弱まっている米國が世界戦略を推し進(jìn)めるには、同盟國の責(zé)任分擔(dān)に頼らなければならない。米國にとって日本はアジア太平洋における重要な同盟國であり、「リバランス」戦略を?qū)g施するうえでの支えだ。米側(cè)は日本側(cè)に相応の返禮をし、多くの重要な問題において支持している。中日間の島嶼紛爭において、米側(cè)は釣魚島（日本名?尖閣諸島）が米日安保條約の適用対象であることを様々な場で、様々な方法で重ねて表明している。歴史問題においても日本の「平和」イメージ作りに助勢し、集団的自衛(wèi)権の行使容認(rèn)を歓迎している。

　日本外務(wù)省は聲明で、米國の教科書の記述には「重大な誤りがあり、日本側(cè)の立場と食い違う」と堂々と宣言したが、どこが誤りなのかは明示しなかった。日本が有力な証拠を示せず、政府として記述に不満であることを強(qiáng)調(diào)し、言うことを聞くよう米出版社に強(qiáng)いることしかできなかったのは明らかだ。