中國(guó)公演のポスター

「尺八の今と無(wú)限の可能性」を追求する

しかし現(xiàn)代社會(huì)においては、尺八のような伝統(tǒng)楽器は身近な存在とは言えない。そんな中、黒田さんは「奧州薩慈」のような伝統(tǒng)的な楽曲を演奏し続けるほかにも、自分たちの世代が新たに音楽を生み出していくことにも力を注いでいる?！袱猡沥恧蠊诺浃蚓@承していくことは何よりも大事なことだが、誰(shuí)かが今新しく曲を作らないと新しい『本曲』（尺八の伝統(tǒng)曲）が生まれない。同じ今の時(shí)代の空気を吸っている作曲者とコラボレーションし、相談しながら新曲を作っていくことをもう一つのライフワークと思っている」と黒田さんは語(yǔ)る。今回の中國(guó)公演でも、古典的な曲と新作を同時(shí)に披露した。

また、伝統(tǒng)楽器にとっては継承者問(wèn)題も深刻だ。黒田さんも、日本ではそもそも少子高齢化の問(wèn)題に直面しており、習(xí)う人が少なくなりつつあることを認(rèn)めている。それだけに、演奏者としての使命感も大きい?！肝摇─激い猡韦蛱崾兢扦皮胜盲郡榱?xí)う人も少なくなってしまう。我々當(dāng)事者がアピールして、少しでも知ってもらうように、好きになってもらえるように努力するしかない」と黒田さんは言う。

そうした努力の一環(huán)が、さまざまな音楽や楽器とのコラボレーションだ。オーケストラとの共演、西洋楽器や日本の伝統(tǒng)楽器とのアンサンブル結(jié)成など、意欲的な活動(dòng)を続けている。今回の中國(guó)公演では、電子音楽とのコラボレーションや、中國(guó)の伝統(tǒng)楽器との共演も行った。これについて黒田さんは、「尺八は伝統(tǒng)的な楽器である前に、一つのとてもユニークで大きな魅力を持った管楽器。この楽器の音を使って、どうやって面白い音楽、自分が好きな音楽をやれるのか、というところにフォーカスしている。だから特に西洋楽器とやりたいとか、電子音楽器とやりたいという意味ではなく、こういう音楽をやるには、誰(shuí)とやったらいいのか、という思考回路で動(dòng)いている」と語(yǔ)った。黒田さんは「尺八の今と無(wú)限の可能性」を追求し続けている。

「中國(guó)の人と一緒に尺八の音楽を盛り上げていきたい」

黒田さんが中國(guó)を訪れるのは今回が4回目。中國(guó)での公演回?cái)?shù)は7回を數(shù)える。公演では、中國(guó)の聴衆(zhòng)との間で通い合うものを感じたという。黒田さんは、「尺八は音が始まる前と終わってからの間もすごく大事。その部分もお客さんと一緒に味わい、共有できたという実感があった。幸せな経験だった」と中國(guó)での公演を振り返った。

黒田さんはチェロ奏者のヨーヨー?マさんから強(qiáng)い影響を受けており、中國(guó)出身の音楽家としての哲學(xué)を感じさせる演奏に強(qiáng)い憧れを抱いているという。さらに今回の中國(guó)公演では、簫や古箏、琵琶などを演奏する中國(guó)の音楽家たちとの共演を果たした。特に、琵琶との即興演奏共演は黒田さんに強(qiáng)い印象を殘した。一つ音を出しただけでたちまち中國(guó)らしさを感じさせる琵琶の音色、奏者の情熱、音のクリアさや靜かさを感じつつ、中國(guó)の楽器と日本の楽器の違いを超越して一緒に音楽を作り上げるコラボレーションが実現(xiàn)したという。

尺八の起源は中國(guó)で、唐代に日本に伝わった?，F(xiàn)在、中國(guó)には簫など尺八とよく似た楽器はあるものの、尺八自體は失われ、今では日本にしか殘っていない。それにもかかかわらず、5月に中國(guó)で「尺八?一聲一世」というドキュメンタリー映畫(huà)が公開(kāi)され、靜かなブームになった。これについて黒田さんは、「尺八が今、中國(guó)の人に『再発見(jiàn)』されたことに、大きな時(shí)間や歴史、文化の流れを感じる」と感慨を込めて語(yǔ)った。しかも中國(guó)では尺八を習(xí)う人が増えつつあり、「若い人が尺八に取り組みたいという感じが今の日本より中國(guó)のほうがあるような気配がする」と黒田さんは感じている。尺八は國(guó)際フェスティバルが世界各國(guó)で開(kāi)催されるほど世界的な楽器になりつつあるというが、「その大きなエネルギー源を中國(guó)が今持っていると思う」と黒田さんは言う。実際、尺八の団體「鈴慕會(huì)」が上海に支部を設(shè)立しており、黒田さん自身もすでに教授活動(dòng)で3回上海を訪れている?；扭?日間にわたって行われ、參加者は10人ほど。1人毎日2時(shí)間ずつみっちり稽古するという。中國(guó)の尺八愛(ài)好家から中國(guó)に稽古場(chǎng)を作ってほしいという要望も出ており、黒田さんも中國(guó)での教授活動(dòng)に意欲的で、「一緒に尺八の音楽を盛り上げていけたら幸せだ」と語(yǔ)った。（文?勝又あや子）

「人民網(wǎng)日本語(yǔ)版」2019年6月24日