日本の自動(dòng)車産業(yè)はトヨタ、ホンダ、日産といった世界トップクラスのメーカーがあるだけでなく、巨大な生産システムと複雑なサプライチェーンが構(gòu)築されており、その精密なものづくりと匠の精神は世界の工業(yè)製造技術(shù)の集大成の中核となっている。1998年、ホンダと広州汽車が合弁設(shè)立した広州ホンダは、日系自動(dòng)車メーカーが中國(guó)大陸に本格進(jìn)出する幕開(kāi)けとなった。2003年には日産と東風(fēng)汽車、トヨタと第一汽車がそれぞれ合弁會(huì)社を設(shè)立し、新會(huì)社に部品を直接提供する日系部品メーカーも後を追って中國(guó)に進(jìn)出し、天津、広州、武漢などに日系自動(dòng)車産業(yè)クラスターが形成された。その後、間接サプライヤーや材料設(shè)備のメーカーも相次いで華東地域や華南地域などに進(jìn)出した。

19年には、日系車の中國(guó)での販売量が500萬(wàn)臺(tái)を突破し、中高級(jí)車ではドイツ車と拮抗し、市場(chǎng)シェアが目に見(jiàn)えて上昇した。日本自動(dòng)車メーカーの牽引役であるトヨタは中國(guó)で獨(dú)資企業(yè)9社、合弁企業(yè)15社をそれぞれ設(shè)立し、完成車工場(chǎng)6ヶ所とエンジン工場(chǎng)4ヶ所も合弁設(shè)立した。

日本自動(dòng)車部品工業(yè)會(huì)が19年に行った調(diào)査によると、在中國(guó)の日系自動(dòng)車部品メーカーは539社に上り、海外全體の25.8％を占め、販売、研究開(kāi)発、管理などを手がける企業(yè)は119社で、17.6％を占めた。中國(guó)での売上高は約400億ドル（1ドルは約107.7円）だったが、うち輸出額の割合は12.3％にすぎなかった。日系メーカーの平均売上高は1億2千萬(wàn)ドル、同年の黒字企業(yè)は82.4％に上り、世界水準(zhǔn)の75.3％を上回った。中國(guó)での正社員の従業(yè)員は28萬(wàn)人で、1社あたり614人を雇っていることになる。

19年の広汽ホンダの売上高は1057億元（1元は約15.1円）、広汽トヨタは980億元、東風(fēng)ホンダも1千億元に達(dá)した。トヨタ、ホンダ、日産、三菱、マツダの5社と日系直接サプライヤーの中國(guó)での売上高は9千億元に迫ると推計(jì)される。また日系自動(dòng)車メーカーと直接サプライヤーの中國(guó)での雇用規(guī)模は40萬(wàn)人に達(dá)し、中國(guó)自動(dòng)車産業(yè)の発展に向けて大量の技術(shù)者を育成したともいえる。

日本政府の移転政策が自動(dòng)車業(yè)界に與える影響は限定的で、中國(guó)の毎年2500萬(wàn)臺(tái)規(guī)模に上る自動(dòng)車ニーズと整った産業(yè)チェーンを前に、日系自動(dòng)車メーカーは軽々しく中國(guó)市場(chǎng)から撤退することはないばかりか、さらに自動(dòng)化、スマート化、ネットワーク化、共有化の「新四化投資」を拡大することになるとみられる。トヨタは中國(guó)工場(chǎng)での電気自動(dòng)車（EV）生産能力を72萬(wàn)臺(tái)に引き上げる計(jì)畫(huà)で、さらに比亜迪（BYD）と合弁會(huì)社を設(shè)立して中國(guó)市場(chǎng)向けEVの共同開(kāi)発を進(jìn)めるとしている。日産も武漢に年間生産能力16萬(wàn)臺(tái)のEV生産拠點(diǎn)を建設(shè)する。広汽ホンダはホンダ中國(guó)法人の工場(chǎng)を買(mǎi)収し、広州工場(chǎng)のEV生産能力を拡大させる。19年のトヨタ、ホンダ、日産の中國(guó)での自動(dòng)車販売量が各社の世界販売量に占める割合は、トヨタが17％、ホンダと日産がそれぞれ30％だった。新型コロナウイルス感染癥が収束した後、歐米自動(dòng)車市場(chǎng)が短期間で立ち直ることは難しいとみられ、これも日系メーカーが中國(guó)市場(chǎng)に熱い期待を寄せる一因となっている。