調(diào)味料企業(yè)の創(chuàng)業(yè)者にとって、若者の味に対するニーズが今、新たな市場(chǎng)を開拓していると言っていいだろう。天眼査のデータによれば、2021年11月末現(xiàn)在、中國(guó)には複合調(diào)味料関連企業(yè)が4800社以上あり、そのうち59%を占める2800社あまりは創(chuàng)業(yè)から5年以內(nèi)の若い會(huì)社だ?!钢袊?guó)青年報(bào)」が伝えた。
料理スキルがないため、調(diào)味料頼み
1年前に偶然買った蟹粉醤(蟹の身と蟹みそを使った調(diào)味料)が、「90後(1990年代生まれ)」の何雨さん(女性)の「料理スキル向上の扉」を開いた。
何さんはこう話す?!府?dāng)時(shí)、グルメブロガーの動(dòng)畫で、蟹粉醤のことを『3分で蟹の身入りまぜそばができる』と紹介していたのを見て、ちょっと興味を引かれてとりあえず1瓶注文してみた。使ってみた感想は、確かに便利。電子レンジでスプーン2杯分ほどを溫めて、ゆでた麺にかければ、ものの數(shù)分でできあがり、味もいい。それから酸湯肥牛(酸味と辛味をきかせた牛肉のスープ煮)、紅焼肉(豚バラ肉の角煮)、水煮魚(四川風(fēng)魚の辛味煮込み)、鶏の照り焼きなどの調(diào)味料パックも試してみた。作り方はとても簡(jiǎn)単で、自分のような料理があまり得意でない者でも、こういう調(diào)味料パックさえあれば、いろいろな『定番料理』が作れるようになる」。
何さんが使った蟹粉醤も調(diào)味料パックも複合調(diào)味料の部類に入る。
複合調(diào)味料とは、2種類以上の調(diào)味料を原料とし、それぞれの加工プロセスを経て製造されるものだ。醤油や酢などの単一調(diào)味料に比べ、味はより多彩で、使い方も簡(jiǎn)単かつ標(biāo)準(zhǔn)化されているため、よく「ものぐさ調(diào)味料」などと呼ばれる。
以前は、複合調(diào)味料は主に食品加工産業(yè)と外食産業(yè)で利用され、特に味や手順が均一化されたチェーンレストランで利用されてきた。しかしここ數(shù)年は、「あまり料理ができない人」が廚房に入る機(jī)會(huì)がますます増え、複合調(diào)味料はこうした料理初心者たちの「スキルは低いが、味に対する要求は高い」ことによる現(xiàn)実的なニーズにぴたりとはまった。利用シーンもレストランの廚房から若者のキッチンへと徐々に広がっていった。
若者のキッチン事情を調(diào)査した「2021年青年『カリスマシェフ』修行実録」によると、回答者の36.6%が「料理する割合は週に數(shù)回」と答え、12.7%は「毎日料理する」と答えた。「料理で失敗」したことのある人の中には、「成功例はないけれど作り続ける」というチャレンジャーも少なくない。
スキルはそこまで高くないが料理は大好きという若者は、便利で調(diào)理しやすく、味が安定した料理スタイルを追求している。そこで、複合調(diào)味料の出番になるというわけだ。
北京大學(xué)第一病院臨床栄養(yǎng)科の竇攀副主任醫(yī)師は、「食べ物の美味しさに対する要求が、若者が複合調(diào)味料を選ぶ理由だ。若者は生活リズムが速いが、その一方で、時(shí)間をかけて煮込んだり調(diào)理したりして出來た食べ物を味わいたいとも考えている。複合調(diào)味料は味が豊富で、料理をより美味しくし、味もスピードも求める若者のニーズを満たしている」と述べた。
中國(guó)食品産業(yè)アナリストの朱丹蓬氏は、「ある意味で言うと、複合調(diào)味料は今や料理スキルのない若者の硬直的需要になった」との見方を示した。
新たなチャンスを育む
ここ數(shù)年、調(diào)味料産業(yè)の伝統(tǒng)的ブランドや、調(diào)味料業(yè)界以外の食品?コンテンツプラットフォーム企業(yè)などが、複合調(diào)味料産業(yè)で一角を占めるべく努力を重ねている。
恒順醋業(yè)や千禾味業(yè)など単一調(diào)味料を主業(yè)務(wù)にする企業(yè)が、業(yè)務(wù)範(fàn)囲を複合調(diào)味料の分野へ広げている。また、天味食品や臨海國(guó)際などの複合調(diào)味料ブランドは、顧客層に合わせて味を細(xì)分化して、サブブランドを打ち出した。食肉加工製品の雙匯、グルメコンテンツプラットフォームの日食記も、獨(dú)自の複合調(diào)味料製品を発売した。
市場(chǎng)の注目度が上がると、新たな起業(yè)チャンスが生まれる。加點(diǎn)滋味や小熊駕到、澄明食品などの新興ブランドは、いずれも複合調(diào)味料の分野に力を入れている。
小熊駕到の創(chuàng)業(yè)者で最高経営責(zé)任者(CEO)の校雋勇氏は、「複合調(diào)味料産業(yè)はスナック食品、ファストフードチェーン、デリバリー用調(diào)理済み食品の3つの分野で、以前から活用されてきた」と指摘する。
校氏は続けて、「これまで、複合調(diào)味料は食品の後ろ側(cè)に『隠れて』いた。ポテトチップを食べるにしろ、外での食事にしろ、食品デリバリーにしろ、複合調(diào)味料を連想する人はあまりいないが、実は産業(yè)サイドでは急速な発展を遂げている。ここ2年ほど、若者に新たなニーズが生まれたことで、複合調(diào)味料産業(yè)の消費(fèi)サイドにおける可能性を多くの人が目にするようになった。こうして複合調(diào)味料をめぐる競(jìng)爭(zhēng)に一気に火が付いた」と述べた。
前出の朱氏は、複合調(diào)味料市場(chǎng)について「この業(yè)界で創(chuàng)業(yè)するチャンスは今もあるが、この産業(yè)は製品の分類が非常に細(xì)かく、原材料の選択や産地などにいろいろなこだわりがあり、企業(yè)の産業(yè)チェーンやサプライチェーン全體が直面する課題は相対的に大きい。産業(yè)チェーンの完成度、製品の品質(zhì)の安定レベル、食品の安全性などの各方面で、創(chuàng)業(yè)者はより一層の努力が求められる」と述べた。(編集KS)
「人民網(wǎng)日本語(yǔ)版」2021年12月15日
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